
主要ECプラットフォームを比較!自社に合った選び方や構築方法も紹介
- ECのプラットフォームにはどんな種類があるの?
- 自社に合ったプラットフォームの選び方を知りたい
このような悩みを持つ事業者は多いのではないでしょうか。
ECサイトを構築するうえで、「プラットフォームの選定」は今後の成果を左右する重要なポイントの一つです。
そこで本記事では、
・主要ECプラットフォームの特徴と費用感
・ECプラットフォームの最適な選び方
・実際に売上を伸ばした成功事例
などを紹介します。
なお、現在ECサイト構築/リニューアルを検討している方向けに、主要ECカートシステム9社の料金・機能比較表を作成しました。
資料は無料でダウンロードできるので、ECサイトの立ち上げを検討している方はぜひあわせてご一読ください。
「ECプラットフォーム」とは?

ECサイトを立ち上げるためには、サイトをどのように構築するかをまず決めなければいけません。構築する際にベースとなるシステムを「ECプラットフォーム」と呼びます。
買い物カゴや決済など、ECサイトに必要な機能がプラットフォームには組み込まれています。それらを活用することで、サイトを運営し売上を伸ばすことができるというわけです。
では、「ECプラットフォームには具体的にどのような機能が備わっているのか」を次で見ていきましょう。
ECプラットフォームに必要な主要機能2つ

ECサイトの運営業務を大きく分けると、以下のような流れで進めることが多いです。
1. 商品企画
2. 仕入れ・製造
3. 商品登録・サイト更新
4. 集客
5. 受注管理
6. 在庫管理
7. 梱包・配送
8. アフターフォロー
9. 分析・改善
これらの運営業務を円滑にし、より売上を伸ばすために
・フロント機能
・バックエンド機能
をECプラットフォームは備えています。一つずつ見ていきましょう。
①売上拡大のための「フロント機能」
フロント機能とは、ECサイトの売上拡大に直結する機能のことです。
具体的には、以下のような機能があげられます。
・商品の詳細検索
・商品のレコメンド
・カート(買い物カゴ)
・マイページ/お気に入り
・決済
・商品レビュー
・クーポン配信
・ステップメール
・アクセス解析
ECサイトにユーザーを集め、実際に商品を購入・リピートしてもらうためには、これらの機能を最大限に使いこなすことが重要です。
基本的な機能はどのプラットフォームにも備わっていますが、性能に差があったり、自由にカスタマイズができなかったりするケースがあります。
機能が足かせになって施策を実行できないことほど、もったいないことはありません。
ユーザーにアクションを起こしてもらいやすくするための機能が充実しているかどうかは、必ずチェックが必要です。
②業務効率化のための「バックエンド機能」
バックエンド機能とは、サイト運営の業務をスムーズに実行したり、効率化したりする機能のことです。
具体的には、以下のような機能があげられます。
・商品情報登録
・受発注管理
・在庫管理
・顧客管理
・売上管理
・コンテンツ管理
・お問い合わせ管理
これらの機能は「売上や利益」への貢献度がわかりにくいものの、EC事業を裏で支える重要な役割を果たします。
そのため、EC事業を拡大しながら利益を伸ばすためには、バックエンド機能を活用して業務の強化や効率化を図ることがきわめて大切です。
なかにはルーチン業務の自動化を進めたことで、従来よりも業務コストを60%削減し、売上を伸ばした例もあります。
詳しくは「売上を伸ばすために効率化すべき業務と解決方法とは?」にまとめているので、ぜひ資料を無料ダウンロードしてご一読ください。
では、具体的にどのプラットフォームを選べばいいかを考えるために、まずは「自社ECとモールECの違い」について見ていきましょう。
ECプラットフォームにおける自社ECとモールECの違い

ECプラットフォームは、「自社EC」と「モールEC」の大きく2つあります。
・自社EC:独自ドメインを取得して、自社でサイトを構築・運営する形態
・モールEC:Amazonや楽天市場などのモール内に出店する形態
自社ECはいわば「路面店」であり、自分たちでサイトの立ち上げや運営を行います。
コストは比較的かかりやすいですが、その分カスタマイズの自由度が高く、競合との差別化もしやすいなどのメリットがあります。
一方、モールECは「大型ショッピングモール」のようなイメージです。
モール自体の集客力を活かせるのが強みですが、モールの規約に従って運営しなければならないというデメリットもあります。
「どちらが優れている」というよりも、それぞれメリット・デメリットが異なるので、自社に合うものを選ぶことが大切です。
自社ECやモールECについてより詳しく知りたい方は、「自社ECとは?モールECとの違いやメリット・デメリットまとめ」もぜひ参考にしてください。
主要ECプラットフォームの特徴や費用感を比較!

自社ECの中でも、ベースとなるプラットフォームは大きく3つに分かれます。
モールECを含め、自社ECにおいて主要なプラットフォームの特徴をそれぞれ紹介します。
自社EC | 自社EC | 自社EC | モールEC | |
ASP | オープンソース | パッケージ | ー | |
構築方法 | 構築に必要なシステムをレンタル | 無償ソースコードをカスタマイズ | 充実したパッケージをもとに開発 | モール内のシステムを使って出店 |
初期費用 | 低 | 低 | 中 | 低 |
月額費用 | 低〜中 | 低 | 中 | 中 |
構築スピード | 早 | 早 | 中 | 早 |
カスタマイズ性 | 低 | 中 | 高 | 低 |
メリット | ・コストを比較的抑えやすい ・出店が比較的しやすい |
・コストを比較的抑えやすい ・カスタマイズ性が比較的高い |
・カスタマイズ性が高い ・セキュリティが強固&サポートを得やすい |
・専門知識がなくても始めやすい ・モール経由での集客を狙える |
デメリット | ・カスタマイズ性が低い ・外部連携がしにくい |
・高度な専門スキルが必要 ・セキュリティリスクが高い |
・比較的コストがかかりやすい ・システムのアップデートが必要 |
・集客争いが激しい ・カスタマイズ性がかなり低い |
それぞれ一つずつ見ていきましょう。
※なお、プラットフォームそのものをゼロから作る「フルスクラッチ」という方法もありますが、本記事では既存のプラットフォームの活用に焦点を当てて解説します。
①自社EC:ASP
構築方法 | 構築に必要なシステムをレンタル |
初期費用 | 低 |
月額費用 | 低〜中 |
構築スピード | 早 |
カスタマイズ性 | 低 |
メリット | ・コストを比較的抑えやすい ・出店が比較的しやすい |
デメリット | ・カスタマイズ性が低い ・外部連携がしにくい |
「ASP(Application Service Provider)」とは、プラットフォーム上でECサイトに必要な機能をレンタルし、サイトを運営するサービスです。
コストを抑えやすく、スピーディに立ち上げができるため、自社ECの中では導入するハードルがもっとも低い方法といえます。
しかし、プラットフォーム側が提供する機能やデザインには制限があり、自由にカスタマイズをすることも難しいです。
カスタマイズ性が低いと、
・事業拡大やニーズの変化などに対応できない
・思うようにマーケティング施策を実行できない
などのデメリットがあるため、大きな機会損失につながるおそれがあります。
ASPを検討する際には、直近の利益だけではなく、長期的な利益にも目を向けてトータルで判断することが大切です。
②自社EC:オープンソース
構築方法 | 無償のソースコードをカスタマイズ |
初期費用 | 低 |
月額費用 | 低 |
構築スピード | 早 |
カスタマイズ性 | 中 |
メリット | ・コストを比較的抑えやすい ・カスタマイズ性が比較的高い |
デメリット | ・高度な専門スキルが必要 ・セキュリティリスクが高い |
「オープンソース」とは、無償で公開されているソースコードをもとに、独自にカスタマイズする方法です。
直接コードをさわってサイトを構築できるため、要件に合わせてカスタマイズがしやすいというメリットがあります。
ただし、サイトを構築できる専門スキルを持った人材が必要なうえに、他プラットフォームよりもセキュリティリスクが高いです。
実際、脆弱性を突かれて顧客のカード情報が流出したトラブルは少なくありません。また、オープンソースではなにかトラブルがあれば自己責任で対応を進める必要があります。
そのため、障害やトラブルが起きても対応できる運用体制を整えておくことが必須となります。
もし体制の構築が難しい場合、多少コストをかけてでもしっかりしたセキュリティやサポートを得られるパッケージなどを選ぶのも手です。
③自社EC:パッケージ
構築方法 | 充実したパッケージをもとに独自開発 |
初期費用 | 中 |
月額費用 | 中 |
構築スピード | 中 |
カスタマイズ性 | 高 |
メリット | ・カスタマイズ性が高い ・セキュリティが強固&サポートを得やすい |
デメリット | ・比較的コストがかかりやすい ・システムのアップデートが必要 |
「パッケージ」とは、ECサイトの機能をパッケージ化したシステムをもとに、独自にカスタマイズする方法です。
ベンダー(システム事業者)と一緒に構築を進めるため、コストは比較的かかりやすいですが、その分思い通りのサイトを作りやすいです。
また、要件に合わせて機能やデザインを自由にカスタマイズできるため、売上拡大や業務効率化を最大限に狙うことができます。
さらには、セキュリティリスクへの対策も万全なサービスが多く、安定してECサイトを運営できるのも大きなメリットです。
ベンダーによるサポート体制も充実しており、分からないことがあれば相談できたり、万が一の事態が起きてもすぐサポートを得られるので安心です。
④モールEC
構築方法 | モール内の機能やシステムを使って出店 |
初期費用 | 低 |
月額費用 | 中 |
構築スピード | 早 |
カスタマイズ性 | 低 |
メリット | ・専門知識がなくても始めやすい ・モール経由での集客を狙える |
デメリット | ・集客争いが激しい ・カスタマイズ性がかなり低い |
「モールEC」とは、Amazonや楽天市場などの巨大なプラットフォーム上に、さまざまなネットショップが出店することです。
具体的な商品が欲しいユーザーだけでなく、ふらっと立ち寄るユーザーも集めやすいため、集客の間口が広がるというメリットがあります。
また、出店方法のマニュアル化が徹底されており、専門知識がない方でも始めやすいです。
ただし、モールECには競合も数多く出店しているため、集客争いが激しく、価格競争にも巻き込まれやすいです。
また、モールの規則に従って運用しなければならず、カスタマイズやマーケティングの自由度が低いというデメリットもあります。
「始めやすい・集客しやすい」というイメージが強いモールECですが、マイナス面も正しく把握して出店を検討することが大切です。
自社に合うECプラットフォームの選び方

改めて、主要なECプラットフォームとして以下の4つを紹介しました。
自社EC | 自社EC | 自社EC | モールEC | |
ASP | オープンソース | パッケージ | ー | |
構築方法 | 構築に必要なシステムをレンタル | 無償ソースコードをカスタマイズ | 充実したパッケージをもとに開発 | モール内のシステムを使って出店 |
初期費用 | 低 | 低 | 中 | 低 |
月額費用 | 低〜中 | 低 | 中 | 中 |
構築スピード | 早 | 早 | 中 | 早 |
カスタマイズ性 | 低 | 中 | 高 | 低 |
メリット | ・コストを比較的抑えやすい ・出店が比較的しやすい |
・コストを比較的抑えやすい ・カスタマイズ性が比較的高い |
・カスタマイズ性が高い ・セキュリティが強固&サポートを得やすい |
・専門知識がなくても始めやすい ・モール経由での集客を狙える |
デメリット | ・カスタマイズ性が低い ・外部連携がしにくい |
・高度な専門スキルが必要 ・セキュリティリスクが高い |
・比較的コストがかかりやすい ・システムのアップデートが必要 |
・集客争いが激しい ・カスタマイズ性がかなり低い |
この中からどのプラットフォームを選ぶべきかは、
・サイトを立ち上げる目的
・求める要件
などによって大きく変わります。
例えば「ブランディングを強化してリピーターやファンを増やしたい」のであれば、カスタマイズ性が高くてオリジナリティを出しやすいパッケージ型などがおすすめです。
一方で、「集客力を高めて多くのユーザーにアプローチしたい」のであれば、モールECへの出店も一つの手といえます。
ECプラットフォームは、あくまで「目的達成の手段」にすぎません。そもそもの目的に立ち返って検討することが、ミスマッチを防ぐうえでとても重要です。
なお、選び方についてさらに深堀りした内容を「カート選定で重要視すべき4つのポイント」にまとめました。ぜひ資料を無料ダウンロードしてご一読ください。
ECプラットフォーム選びでよくある失敗

これまでお伝えしたとおり、ECサイトを運営するうえで「ECプラットフォーム」は核となる存在です。
そのため、自社とマッチしないプラットフォームを選んでしまうと、大きな損失につながるおそれがあります。
そのような事態を防ぐためにも、プラットフォームの選定でよくある失敗を事前に押さえておきましょう。具体的には、以下のようなケースがあります。
・目の前のコストを重視するあまり、機能やセキュリティなどが十分でない
・カスタマイズ性を軽視してしまい、融通がきかずやりたい施策を実行できない
・出店のしやすさでモールECを選ぶも、価格競争に巻き込まれて利益が上がらない
・セキュリティへの認識が甘く、プラットフォームのリスク対策が不十分
このような失敗が要因となり、プラットフォームの移行やリニューアルを余儀なくされたケースは少なくありません。
余計なコストがかさんで機会損失になるのを防ぐためにも、ECプラットフォームは慎重に選ぶことが大切です。
最適なECプラットフォームを選んで売上を伸ばした成功事例

それでは実際に、最適なECプラットフォームを選んで売上を伸ばした事例を見てみましょう。
株式会社はぐくみプラスは、妊活・育児向けの健康食品や化粧品などを扱う「hugkumi+」を運営しています。
従来は受注管理や出荷作業などに時間を大きく取られ、販促に十分な時間をかける余裕がない状況でした。
ですが、弊社W2株式会社が提供するカートシステム「W2 Repeat(旧:リピートPLUS)」を導入し、ルーチン業務の自動処理を行うことで、これまでにかかっていた工数をなんと60%も削減。
空いた時間を使って売ることに注力できるようになり、
・サイトデザインの改善
・一人ひとりの応対レベルの引き上げ
などを実施したところ、CV・LTVが30%改善しました。
カスタマイズ性の高さや、顧客情報を一元管理できる使いやすさなどが成果につながったとのことです。
このように、自社にとって最適なECプラットフォームを選ぶことができれば、売上拡大や業務効率化を図れます。
実際、弊社W2の導入企業様は、平均売上成長率354%を達成しています。
詳しくは弊社の導入事例集にまとめているので、ぜひ無料ダウンロードしてみてください。
まとめ:自社に合ったECプラットフォームを選ぼう
改めて、本記事のポイントをまとめます。
・ECプラットフォームとは、ECサイトを作るうえでベースとなるシステムのこと
・主要なプラットフォームは4つ(ASP、オープンソース、パッケージ、モールEC)
・サイトの目的や求める要件によって、プラットフォームを選ぶことが大切
ぜひ本記事を参考に、ECサイトの立ち上げを検討してみてください。
なお、現在ECサイト構築/リニューアルを検討している方向けに、主要ECカートシステム9社の料金・機能比較表を作成しました。
資料は無料でダウンロードできるので、ECサイトの立ち上げを検討している方はぜひあわせてご一読ください。