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【相場比較表あり】ECサイト構築の費用は?立ち上げ方法によるコストの違いを解説
「ECサイトを作るには、どれくらい費用がかかるのだろう」
「予算やビジネスモデルに合ったECサイトを構築するポイントは?」
ECサイトを構築するにあたり、このような疑問をお持ちではないでしょうか。実際、ECサイト(通販サイト)の構築にかかる費用は、構築方法や目的によって大きく異なります。
また、ECサイトは構築費用以外にも必要な経費が多いため、さまざまな角度から予算を検討しなければなりません。
そこでこの記事では、
- ECサイト構築の主な方法
- それぞれの方法の費用感
- 費用を考えるうえで押さえるべきポイント
などを紹介します。
なお、EC事業をスタートしたい方・検討している方に向けて、「EC立ち上げの費用感や選定ポイント」をまとめました。特に「初期費用をどう考えるか」という点は、ECの成功と失敗に大きく影響します。
資料を無料でダウンロードできるので、ぜひご一読ください。
なお、ECサイトの構築に関する詳細は下記で詳しく解説しているので合わせて一読ください。
関連記事:ECサイトの構築方法とは?選び方・手順・費用・事例などまとめて解説!
ECサイト構築にかかる費用感・相場価格

ECサイトの構築にはさまざまな方法があり、それによって費用や相場価格が変わります。構築方法による必要な費用や相場はどのくらいなのでしょうか。
以下の流れで費用感や相場を解説します。
- 【構築方法別】ECサイト構築に必要な費用・相場比較表
- 【項目別】ECサイト立ち上げに必要な費用の内訳
【構築方法別】ECサイト構築に必要な費用・相場比較表
構築方法 | 初期費用 | 継続費用 | カスタマイズ性 | 構築スピード |
---|---|---|---|---|
モール型 | ◎ | ◎ | △ | ◎ |
ASP型 | ◎ | ◎ | △ | ◎ |
オープンソース型 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
パッケージ型 | ○ | ○ | ◎ | ○ |
フルスクラッチ型 | △ | △ | ◎ | △ |
同じ構築方法でも、選ぶサービスや要件によって費用は大きく異なります。あくまで目安として参考にしてください。
なお、それぞれの構築方法については、記事の後半で詳しく解説しています。
【項目別】ECサイト立ち上げに必要な費用の内訳
ECサイトの構築費用には、主に次の4つの項目があります。
- 初期費用
- 継続費用
- デザイン費用
- カスタマイズ費用
それぞれの費用の内容を、表にしました。
◆構築費用の内訳表
構築費用の内訳 | 内容 |
---|---|
初期費用 | 立ち上げ時、システムを構築するための費用 |
継続費用 | 維持管理費やサポート費などシステム運用のための固定費 |
デザイン費用 | ECサイトのWebデザイン費用 |
カスタマイズ費用 | 自社サービスに合わせたシステムのカスタマイズ費用 |
より具体的な費用感について詳しく知りたい方は、「EC立ち上げの費用感と選定ポイント」もあわせて読んでみましょう。
ECサイトの主な構築方法と費用感・相場価格

ECサイト構築には、主に下記5つの方法があります。
- モール型(複数の店が並ぶモール内に出店)
- ASP型(ECサイトに必要なシステムをレンタル)
- オープンソース型(無償公開されているソースコードを改変)
- パッケージ型(パッケージ化されたシステムをもとにカスタマイズ)
- フルスクラッチ型(ゼロから完全オリジナルのサイトを構築)
それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
【方法1】モール型
構築方法 | 初期費用 | 継続費用 | カスタマイズ性 | 構築スピード |
---|---|---|---|---|
モール型 | ◎ | ◎ | △ | ◎ |
「モール型」とは、複数のネットショップが並ぶモール内に出店することです。例えばAmazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどがあります。
モール型の最大のメリットは、独自に自社ECを構築するのとは違って、モールが持つブランドや集客力を活かせることです。そのため、うまくいけば開業直後から集客できる場合があります。
また、初期費用や継続費用が低く、モールに出店するための仕組みが整っているため、初心者でも出店しやすいのが特徴です。
一方、既存のモール内に出店する以上、モールの利用規約や運営ルールに則って運営しなければなりません。
そのため、
- 自由にカスタマイズをするのが難しい
- 個性を出しにくく、差別化がしにくい
- 規約やルールの変更に振り回されるおそれがある
などのデメリットがあります。
また、モール自体に集客力はあるものの、モール内にはすでに他のお店が数多く出店しているため、熾烈な集客勝負は避けられません。
実際にモール出店後に自分のお店に人を集めるには、
- モール内での広告枠に投資をする
- よく検索される商品をとにかく安く出す
など、予想外のコストがかさむこともあります。
「モールに出せば何もしなくても自然とお客さんがアクセスしてくる」というわけではありませんので、ご注意ください。
【方法2】ASP型
構築方法 | 初期費用 | 継続費用 | カスタマイズ性 | 構築スピード |
---|---|---|---|---|
ASP型 | ◎ | ◎ | △ | ◎ |
「ASP(Application Service Provider)型」とは、ECサイト構築のクラウドサービス事業者と契約し、自社ECを構築するサービスです。
無料ASPの場合、専門知識がない初心者でも出店しやすく、オープンまでの必要期間を短く済ませることができます。
ただし、機能やデザインに制限があることがほとんどで、自由にサイトを構築できないのが難点です。
一方、有料ASPの場合は機能性・デザイン性などの幅が広がるため、よりサイトの自由度が高くなります。
とはいえ、他の構築方法(オープンソース型、パッケージ型、フルスクラッチ型)と比べると、どうしてもカスタマイズ性や拡張性は乏しくなります。
施策にあわせて
- 機能を追加したい
- デザインを変更したい
- 外部サービスと連携したい
という場合、「どこまで対応できるか」の確認が必須となります。
【方法3】オープンソース型
構築方法 | 初期費用 | 継続費用 | カスタマイズ性 | 構築スピード |
---|---|---|---|---|
オープンソース型 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
「オープンソース型」とは、無償で公開されているオープンソースを利用し、ECサイトを構築する方法です。
ソースコードを直接さわれるため、
- デザインの変更のみで安価に済ませる
- コストをかけて自社専用の独自機能を追加する
など、要件に応じて自由にカスタマイズができます。
ただし、構築やカスタマイズには専門的な技術スキルが必要なうえ、セキュリティリスクが大きくなるというデメリットがあります。
また、オープンソースを利用して自社開発する場合は全て自己責任であり、なにかトラブルが起きたときのサポートは得られません。
そのため、障害やトラブルが起きても対応できる運営体制を社内で整えておくことが不可欠です。
この「保守対応する人件費」こそが、見えないコストといえます。すでに社内にエンジニアがいたとしても、保守のために対応することを考えると、その分コストがかかるためです。
「オープンソースは継続費用が安い」からといって安易に導入すれば、意外なコストで失敗するリスクが高いため、注意しましょう。
万一システム管理体制の構築が難しい場合、多少コストをかけてでもしっかりしたセキュリティやサポートを得られるパッケージ型などを選ぶのも選択肢となります。
【方法4】パッケージ型
構築方法 | 初期費用 | 継続費用 | カスタマイズ性 | 構築スピード |
---|---|---|---|---|
パッケージ型 | ○ | ○ | ◎ | ○ |
「パッケージ型」とは、ECサイトの機能をパッケージ化したシステムをもとに、要件に合わせてカスタマイズする方法です。
ベンダー(システム提供事業者)に開発を依頼するためコストはかかるものの、カスタマイズ性に優れています。
機能の追加やデザインの変更などをすることで、モール型やASP型では実現できないようなオリジナリティの高いECサイトの構築が可能です。
また、ベンダーによるサポート体制も充実しており、なにか分からないことやトラブルが起きてもすぐ相談できるので安心して利用できます。
セキュリティリスクへの対策も万全なサービスが多く、安定してECサイトを運営できるのも大きなメリットといえるでしょう。
【方法5】フルスクラッチ型
構築方法 | 初期費用 | 継続費用 | カスタマイズ性 | 構築スピード |
---|---|---|---|---|
フルスクラッチ型 | △ | △ | ◎ | △ |
「フルスクラッチ型」とは、ゼロからECサイトをオリジナルで構築する方法です。
ユーザーの目に触れるWebサイトの部分から、スタッフが運営業務に使うバックエンドのシステムにいたるまで、すべてを自社専用に最適化して作ることができます。
どの構築方法よりもカスタマイズ性が高く、自由に開発できるのが最大の特徴です。
また、サイト運用後はPDCAを高速に回しやすく、
- スピード感を持ってお店を改善できる
- 時勢の変化にも柔軟に対応できる
などのメリットもあります。
一方で、システム完成までにはどうしても長い開発期間がかかります。また、開発費が高額になりやすく、高い技術力も必要です。
数千万もの費用がかかるケースも珍しくないため、大規模なECサイトを運営したい事業者向けの方法といえます。
なお、ECサイトをフルスクラッチで構築する方法のメリット・デメリットについて下記の記事で詳しく解説しています。フルスクラッチを検討している方は、ぜひご一読ください。
ECサイトをフルスクラッチで構築するメリット・デメリットまとめ
また、ECサイトの種類と違いについてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
費用別・予算に合ったおすすめの構築方法

ここでは、自社の予算に合った費用別のおすすめ構築方法を紹介します。
- 【〜30万円】モール型・ASP型・オープンソース型
- 【50万円〜】ASP型・オープンソース型・パッケージ型
- 【100万円〜】オープンソース型・パッケージ型・フルスクラッチ型
予算感を見て、どの構築方法が自社に適しているのか、考えてみましょう。
【〜30万円】モール型・ASP型・オープンソース型
無料または30万円までの低コストで通販サイトをスタートするなら、安価なコストで実現できるモール型やASP型、オープンソース型を選びましょう。
中でも、楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングに代表されるECモールを利用すれば、すでに完成されているシステムを手軽に利用できるため、スピーディーにECサイト運用が始められます。出店手数料のコストはかかりますが、自社で構築するよりははるかに割安です。
【50万円〜】ASP型・オープンソース型・パッケージ型
50万円以上の予算がある場合は、ASP型のようにある程度カスタマイズして構築できる方法がおすすめです。
特にECサイトのシステムをレンタルするASP型は、モール型に比べるとカスタマイズ可能なため、自社のカラーを表現できます。
また、オープンソース型やパッケージ型は、拡張性や既存システムとの連携性がある反面、外注するとコストが高くなります。自社で一定レベルのITスキルがあるかどうかが、コストパフォーマンスに大きく影響するのが難点です。
【100万円〜】オープンソース型・パッケージ型・フルスクラッチ型
1億円以上のEC年商を目指す場合は、オープンソース型やパッケージ型、フルスクラッチ型などの構築方法を選びましょう。ECサイトをゼロから構築できるため、一般的には予算100万円以上が必要です。
とりわけフルスクラッチ型なら、OMO戦略やVR技術といった、より高度なマーケティング戦略が実現可能です。予算500万円以上が目安となりますが、自社のマーケティング目標に従って必要な機能を多彩に盛り込めるメリットがあります。
費用と目的のコスパから考えるECサイト構築方法選びの3つのポイント

それぞれの構築方法のメリットやデメリットを比較しても、いまいち「結局どれを選べばいいのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
自社の予算感に近い方法を選ぶのも大切な一方で、費用だけにとらわれずに目的・目標に合わせて総合的に判断するのがおすすめです。
以下、適切な構築方法を選ぶためのポイントを3つ紹介します。
- 【ポイント1】マーケティングや販促の目的を明確にさせる
- 【ポイント2】カスタマイズの自由度をチェックする
- 【ポイント3】目的と費用とのバランスを考える
特に2番目の「【ポイント2】カスタマイズの自由度をチェックする」という点は、実際に運用がスタートしてから問題となりやすいところなので、しっかりチェックしてください。
では、ひとつずつ見ていきましょう。
【ポイント1】マーケティングや販促の目的を明確にさせる
マーケティング手法の中でもECサイトの販促に役立つものを選び、自社のビジネスモデルに照らして具体的なマーケティングの目的や販促目標を立案しましょう。
「販促機能を使って売上を拡大したい」
「リピーターを増やすために顧客育成をしたい」
と思っていても、低コストなツールでは機能が不十分なことが多く見られます。
アクセス解析ツールを活用してユーザー行動を把握することはもちろん、コンテンツマーケティングやSEO対策やSNS活用など、販売する商品にマッチしたアプローチを厳選することが大切です。
【ポイント2】カスタマイズの自由度をチェックする
予算が許す限り、カスタマイズ性の高い構築方法を選ぶことが重要です。
実際にサイトを運営するなかで「最新の機能を利用したい」「デザインを変更したい」など、課題が見つかることがよくあります。しかし、構築したシステムのカスタマイズ性が低いため、実現できないケースが少なくありません。
マーケティング目標の変更や顧客満足度アップのための改善を施したい場合、カスタマイズしやすい構築方法を導入しましょう。今後のマーケティング戦略に沿ったECサイトの見直しを行いやすくなります。
【ポイント3】目的と費用とのバランスを考える
自社の予算感に近い構築方法を選ぶのも大切ですが、費用だけにとらわれずに目的・目標に合わせた総合的な判断をおすすめします。
ECサイトの運用で大切な点は、「できるだけコストを抑える」のではなく、「コストに対してどれだけの成果が見込めそうか考える」ことです。
必要な機能やシステムは何かを明確にしたうえで、自社に合う方法を選ぶ、コストパフォーマンスのバランスを重視しましょう。
▼参考:必要な機能を洗い出すときの考え方
- ECサイトで実現したいことを整理
- ECサイトを活用した販売方法を整理
- ECサイトの機能をリサーチして整理
ECサイト構築には補助金を利用して経費節減を

本音ではより高機能なECサイトを作りたいとは考えているものの、「やはり費用面が心配……」という方もいるのではないでしょうか。
そんな時には、ECサイト構築の費用に活用できる「国や自治体の補助金制度」を検討してみましょう。
実際の費用の1/2や2/3を補助してくれるケースも多いので、申請できる制度がないかぜひ調べてみてください。
EC構築でよく使われる主な補助金制度
EC構築でよく使われる主な補助金制度は以下のとおり。
- IT導入補助金制度(最大450万円、1/2補助)
- 事業再構築補助金(成長枠、最大7,000万円、2/3補助)
- 小規模事業者持続化補助金(最大100万円、2/3補助)
とはいえ、補助金制度は申請書の作成や準備に時間がかかるうえに、全員の申請が通るわけではありません。
公募要領には審査項目が記載されているため、申請する際はしっかり読み込んで準備しましょう。
採択事業者として認定されている企業かをチェック
補助金制度の内容によって対象となるサービスや事業者は限られています。
ちなみにW2株式会社は、IT導入補助金の採択企業として認定を受けているシステム企業です。(最大450万円、1/2補助)
詳しくは下記ページで案内しています。ネットショップの立ち上げやカートの乗り換えを検討している方は、ぜひ目を通してみてください。
まとめ:自社に合ったECサイトの構築方法や費用を考えよう

費用面を考慮し、自社のビジネスモデルに合ったECサイトを構築するには、次のようなポイントを意識して検討することが大切です。
- ECサイトの構築方法は主に5つあり、それぞれ費用感が異なる
(モール型、ASP型、オープンソース型、パッケージ型、フルスクラッチ型) - 同じ構築方法でもサービスや要件で大きく変わるため、費用感はあくまで参考に留める
- 費用だけにとらわれず、目的にあわせて総合的に判断するのがおすすめ
- ECサイトの構築費は、補助金制度の対象として補助されることもある
- ECサイトを構築する際には、費用感だけにとらわれずに
- どんな目的や目標を達成したいか
- そのためにどんな機能やシステムが必要か
ぜひ、目先の利益を追うのではなく、長期的な成果が見込める構築方法やサービスをぜひ考えてみましょう。
なお、EC事業をスタートしたい方・検討している方に向けて、「EC立ち上げの費用感や選定ポイント」をまとめました。
実際にECを立ち上げて成果を出すために、
- EC立ち上げにかかる費用はどのくらいか
- どんな基準でパートナー会社を選べばいいか
などをさらに詳しく掘り下げて解説しています。
資料は無料でダウンロードできるので、ぜひご一読ください。