
ECサイトをオープンソースで構築するのは難しい理由と解決策
- オープンソースとはどんな構築方法?
- 具体的なメリットやデメリットを知りたい
このような悩みをお持ちではないでしょうか。
そこで本記事では、ECサイト構築におけるオープンソースの特徴やおすすめの企業などをお伝えします。
結論、オープンソースの優位性を活かせる企業は限定的であり、パッケージといった他の構築方法のほうがコスパが高いケースも多いです。
なお、自社にとって最適なECサイト構築方法を選択できないと、その後の運営や成果に大きなダメージを与えるおそれがあります。
下記資料で、実際にEC事業者から聞いたECサイト構築における失敗事例を100個とECシステムの選定チェックポイントを解説/一覧化しました。
資料は無料でダウンロードできるので、ECサイトの構築/リニューアルを検討している方はぜひあわせてご一読ください。
ECサイト構築におけるオープンソース型とは
「オープンソース」とは、無償で公開されているソースコードを使って、ECサイトを構築する方法です。
オープンソースには、ECサイトに必要な基本機能(買い物カゴや決済など)が備わっており、プラグインで機能を追加することも可能です。
そのため初期費用を抑えやすく、拡張性や柔軟性に優れているものの、専門的な知識・技術もその分必要となるので注意しましょう。
次に、オープンソースの長所・短所についてより詳しく見ていきます。
ECサイトのオープンソース型のメリット3つ
ECサイトをオープンソースで構築するメリットは、主に3つあります。
1. 初期コストを抑えやすい
2. 拡張性が高い&外部連携がしやすい
3. 早く構築しやすい
順番に見て行きましょう。
①初期コストを抑えやすい
前述したとおり、オープンソースは無償のソースコードをもとに構築するため、初期費用を抑えやすいです。
他の構築方法(ASPやパッケージなど)では、開発・導入の段階でコストが少なからず発生します。
ですがオープンソースなら、予算が少ない状況でもスタートを切りやすいです。
とはいえ、サーバー代やドメイン代、決済手数料などはかかるため、完全に無料というわけではないのでご注意を。
②拡張性が高い&外部連携がしやすい
オープンソースは直接ソースコードをさわって構築するため、必要に応じて機能を追加するなど拡張性に優れています。
また、外部のシステムやサービスとの連携もしやすいのが特徴です。
これにより、さまざま要件を叶えたサイトを構築したり、運用しながら改善を繰り返したりすることが可能です。
③早く構築しやすい
ECサイト構築に必要なソースコードが公開されており、それをもとに自社開発ができるため、スピーディに構築を進めることができます。
これにより開発期間を削減し、ECサイトを速やかに立ち上げて運営することが可能です。
ECサイトのオープンソース型のデメリット3つ
ECサイトをオープンソースで構築するメリットは、主に3つあります。
1. 高い専門スキルを持った人材が必要
2. セキュリティリスクが高い
3. 障害時にサポートを得られない
順番に見て行きましょう。
①高い専門スキルを持った人材が必要
ソースコードをさわってサイトを構築するには、社内にシステムやセキュリティに精通した専門的な人材が不可欠です。
また、運用時にもサイトのメンテナンスが必要なため、「構築するときだけ人材がいればいい」という問題ではありません。
つまり、社内に必要な人材を確保できる体制を整えられないと、オープンソースでの構築は非常に難しいです。
②セキュリティリスクが高い
ソースコードが公開されているということは、その分ハッカーの目にも触れやすくなります。
もしシステムに脆弱性があれば、ハッキングや情報漏えいの被害にあうおそれがあり、企業にとって致命的なダメージとなりえます。
実際、過去には個人情報が流出する事故も多数起きており、なかには約14万件のカード情報が漏えいしたケースもあります。
さらに、構築時にはセキュリティホール(情報セキュリティ上の欠陥)が生まれやすいため、サイトの安全面における対策は必須です。
③障害時にサポートを得られない
ソースコードにカスタマイズを加える以上、サイトになにかトラブルや障害が起きたら、すべて自己責任で対応しなければなりません。
つまり、ベンダー(サービス提供元)のサポートを得られないというわけです。
有名なオープンソースの場合、ネット上でユーザー同士が意見交換をするコミュニティも存在しますが、基本的にはやはり自前で解決する必要があります。
他のECサイト構築方法との違いを比較(パッケージなど)
ここまでオープンソースのメリット・デメリットについて解説してきました。
次に、他の主な構築方法(ASP・パッケージ・フルスクラッチ)と比較して違いを見てみましょう。
オープンソース | ASP | パッケージ | フルスクラッチ | |
構築方法 | 無償ソースコードをカスタマイズ | 構築に必要なシステムをレンタル | パッケージをもとに開発 | ゼロから独自に自社開発 |
初期費用 | 低 | 低 | 中 | 高 |
月額費用 | 低 | 低〜中 | 中 | 高 |
構築スピード | 早 | 早 | 中 | 遅 |
カスタマイズ性 | 中 | 低 | 高 | 高 |
メリット | ・コストを比較的抑えやすい ・カスタマイズ性が比較的高い |
・コストを比較的抑えやすい ・出店が比較的しやすい |
・カスタマイズ性が高い ・セキュリティが強固&サポートを得やすい |
・カスタマイズ性が最も高い ・内製化により高速PDCAが可能 |
デメリット | ・高度な専門スキルが必要 ・セキュリティリスクが高い |
・カスタマイズ性が低い ・外部連携がしにくい |
・比較的コストがかかりやすい ・システムのアップデートが必要 |
・膨大なコストと専門的人材が必要 ・ブラックボックス化しやすい |
他の構築方法と比べると、オープンソースは費用を抑えやすいうえに独自のサイトを作りやすいことが分かります。
しかし、実際にサイトを構築できる高度な人材や体制整備などが必要なため、導入のハードルは実はそこまで低いわけではありません。
初期費用だけを見て決めるのではなく、長期的・総合的に見て十分なリターンを得られるかを判断することが大切です。
ECサイト構築のオープンソース型はこんな企業におすすめ
これまでの話を総合し、オープンソースでのECサイト構築にはどのような企業が向いているのか紹介します。
・社内に専門性の高い人材がいる(サイト構築やセキュリティ対策など)
・費用を抑えて速やかにサイト運営を始めたい
社内で構築・運用できるだけの十分なリソースや体制があるのであれば、選択肢の一つとしてオープンソースはおすすめです。
一方で、
・専門性の高い人材の確保や体制構築が難しい
・セキュリティ対策をより万全にしたい
という場合は、オープンソースだと頓挫する可能性が高いので避けた方がよいです。
もし上記に当てはまる場合は、オープンソースではなくベンダー(サービス提供元)と一緒に構築する「パッケージ」を検討してみてはいかがでしょうか。
詳しくは次で解説します。
パッケージ型ならカスタマイズ性が高くサポートも万全!
「パッケージ」とは、ベンダーからEC構築に必要なパッケージを購入し、それをもとに独自にカスタマイズする方法です。
オープンソースと比べると、
・ベンダーの技術力をもってサイトを構築できる
・セキュリティ対策がより強固で安全
・トラブルが起きてもサポートがあるから安心
といったメリットがあります。
無償のソースコードを使うオープンソースとは違い、どうしてもコストはかかるものの、そのぶん安全かつ安定したサイト運営が可能です。
また、成果を上げるための機能が豊富で、カスタマイズの自由度も高いため、長期的には十分なリターンも見込めます。
実際、ECサイト構築を支援する「W2株式会社」では、導入企業の平均売上成長率354%を達成しました。
このように、パッケージにはECサイトで売上を伸ばすための機能やシステムが備わっています。
詳しくは弊社の導入事例集にまとめているので、ぜひ無料ダウンロードしてみてください。
まとめ:オープンソースの特徴を踏まえてECサイト構築を検討しよう
改めて、本記事の内容をまとめます。
・オープンソースとは、無償のソースコードを使ってECサイトを構築すること
・初期費用を抑えられる一方で、構築には専門的な人材や体制整備が不可欠
・社内で構築・運用できるだけの十分なリソースを確保できる企業におすすめ
「費用を抑えられるから」といって安易にオープンソースを選ぶと、構築・運用の面でトラブルになり、かえってコストが高くつくおそれもあります。
オープンソースでの構築を選択肢に入れるなら、「長期的・総合的に見て十分な費用対効果を得られるか」をぜひ慎重に検討してみてください。
なお、ECサイトで実際に成果を上げるには、「自社に合った構築方法を選べているか」が大きなポイントとなります。
もし選択を誤ると、
・思うように売上が伸びない
・業務の効率化を図れない
などが続き、最終的にはシステムのリニューアルを余儀なくされることも……。
そのような失敗を避けるために「実際にEC事業者から聞いたECサイト構築における失敗事例」を100個とECシステムの選定チェックポイントを下記資料で解説/一覧化しました。
資料は無料でダウンロードできるので、ECサイトの構築/リニューアルを検討している方はぜひあわせてご一読ください。