オンライン接客とは

 オンライン接客とは、オンライン上でおこなう接客サービスのことです。例えば、ウェブサイト上でのチャットやメールでの問い合わせ、テレビ電話やビデオ会議ツールを使った方法が挙げられます。お客様にとっては、わざわざ店舗へ赴かなくても、自宅で手軽に問い合わせやサポートを受けられることや、レジなどで長時間待たされることもなくスムーズに対応してもらえるといったメリットがあります。ユニファイドコマースの実現を目指すにあたって、オンライン接客は重要な取り組みのひとつです。この記事ではオンライン接客の事例をご紹介していきます。

オンライン接客の種類

オンライン接客には「ビデオ型」「チャット型」「電話型」「メール・SNS型」の4種類があります。オンライン接客の導入を検討する際は、自社の業態や顧客ニーズに合わせて、最適な接客方法を選びましょう。

ビデオ型

ビデオ型は、Zoomなどのオンラインのビデオ通話を用いて、リアルタイムで接客します。スタッフとお客様が画面越しに対面で会話することにより、より効果的な問題解決や製品のデモンストレーションを行うことができます。

  • 「1対1」スタイル
    お客様とスタッフが、1対1で接客をおこなうスタイルです。店舗のスタッフだけではなく専門家が接客を行うケースもあります。個別のニーズに合わせたパーソナライズされたサービスを提供することができます。
  • 「ライブコマース」スタイル
    「ライブコマーススタイル」は、1対N(複数)形式のオンライン接客です。配信者がオンライン上で商品やサービスの説明をおこない、リアルタイムでお客様と対話しながら商品の販売を進めていきます。商品やサービスの実演や公開質問を受付けて、対応する場合もあります。

チャット型

チャット型では、ウェブサイトやアプリ内でのリアルタイムのチャットを通じて、お問い合わせ対応やサポートをおこないます。近年では、チャットボットの活用が進んでおり、お客様とチャットボットがリアルタイムで会話のようにコミュニケーションをとることができます。AI(人工知能)のテクノロジーの進化により、過去の問合せ情報を解析し、まるで人間がおこなうような細やかな接客もできるようになってきています。チャットボットによる対応と接客スタッフによる対応を併用してる企業も多く見られます。

電話型

電話型は、お客様とスタッフが電話やボイスチャットで会話するスタイルです。音声通話による接客であり、お客様の声から感情や温度感を確認することができます。

メール・SNS型

お客様からのメールやSNSのメッセージによる問い合わせに、スタッフが返信する形式のスタイルです。リアルタイムでのコミュニケーションではなく、やりとりが時間差で行われるため、返信内容を慎重に考えることができます。SNSやチャットアプリを通じて、顧客とスタッフがやり取りをする方法もあります。

オンライン接客の成功事例

続いて、オンライン接客の成功した事例を挙げていきます。実店舗とECサイトをつなぐオンライン接客に取り組むことで、消費者のニーズに対応した接客を実現させた取り組みをご紹介します。

アダストリア

アダストリアグループは、ECサイト「.st(ドットエスティ)」を運営し、スタッフがスタイリングを紹介する「STAFF BOARD(スタッフボード)」の活用に力をいれています。「STAFF BOARD」は、アダストリアが展開する20超のブランドのショップスタッフ個人のスタイリング投稿を閲覧できるコンテンツです。例えば、小柄なお客様が商品を購入する際に「STAFF BOAD」の投稿を参考にします。小柄なスタッフが「低身長さん向けお悩み解決アイテム」を選び、コーディネートやスタイリングの「STAFF BOARD」に投稿することで、お客様への商品提案につながります。

また、アダストリアには「STAFF BOARD」経由の売り上げとフォロワー数などが上位のスタッフを選抜する「殿堂入り制度」があります。この取り組みは、研修を通して殿堂入りスタッフのノウハウやスキルを他のスタッフにも提供したり、スタッフのモチベーションアップに貢献しています。

参考:アダストリアの20を超えるブランドのショップスタッフのリアルなスタイリングを提案「STAFF BOARD」が公式WEBストア[.st]に登場! https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000711.000001304.html

UNIQLO IQ

ユニクロは、店舗とオンラインストアの販売員をつなげるオンライン接客サービス「UNIQLO IQ」を導入しています。UNIQLO IQは、過去の問い合わせ内容や情報をもとに、AIがお客様からのお問い合わせに対応をしています。AIで回答できない質問や困りごとには、オペレーターが代わり、リアルタイムチャットで回答しています。ユニクロは、AIと人の利点をうまく組み合わせた接客をおこなっています。

参考:https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/iq/

資生堂 ライブコマース

資生堂は、ビューティーコンサルタントやメイクアップアーティストなどの専門家が、化粧品やメイク法を紹介しながら視聴者の質問に答えるライブコマースを実施しています。お客様は、ライブライブコマースを視聴することで、購入を検討している商品の特徴や使用方法を知ることができます。

参考:資生堂、消費者の購買意識変化を捉え、ライブコマースを国内で本格スタート ~グローバルプレステージブランド「SHISEIDO」が三越伊勢丹ECサイト「meeco」で実施~https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001700.000005794.html

東急ハンズ

東急ハンズのオンライン接客は、店舗スタッフのアバター(「avatar」は「化身、権化」の意味)が接客するスタイルです。お客様は、タブレット端末に表示されたメニューから質問や要望を選択し、アバタースタッフがそれに応えます。

このアバターは、店舗スタッフが実際に演じた動きや表情を再現して作られており、また、アバターとして接客するスタッフは本社、店舗のバックヤード、自宅などさまざまな場所から接客を行います。「店頭でお客様と接客スタッフが対面して初めて接客コミュニケーションは開始される」という従来の接客の在り方でなく、新しい接客のスタイルと言えるでしょう。
アバター接客は、専門知識を持つスタッフをより柔軟にアサインできる新たな接客コミュニケーションのあり方を生み出すとともに、スタッフの柔軟な働き方も叶える画期的な取り組みです。

参考:NTTデータと東急ハンズが行う「アバター遠隔接客の実用化」実証実験にTimeRepが採択 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000029811.html

まとめ

企業がユニファイドコマースの実現を目指すにあたって、重要な取り組みのひとつである「オンライン接客」についてご紹介しました。ひとくちに「オンライン接客」と言っても、様々なスタイルがあるので、自社の業種・業態と相性が良いシステムを選ぶことが、ユニファイドコマースにおける「オンライン接客」の成功の秘訣です。

W2株式会社は、ECプラットフォーム「W2 Unified」「W2 Repeat」を展開しており、国内市場でユニファイドコマースをリードしている会社のひとつです。次世代の新しいスタイルのECに取り組みたい、課題を洗い出しをしたいなどのご相談がありましたら、ぜひ弊社へお声がけください。

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■ライター アップグロース株式会社 代表取締役社長/椎名洋平

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