EC事業とは、インターネットを通じて商品やサービスを売買する事業のことです。パソコンやスマートフォンを通じて顧客と接点を持てることに加え、購買履歴やアクセスデータを蓄積しやすい点が特徴で、多様なプラットフォームや物流システムの整備を背景に、参入する企業は増え続けています。
「EC事業を始めたいが、何から手をつければいいのか分からない」「本当に自社に合っているのか判断できない」——そう感じている事業者の方は少なくないはずです。
本記事では、これからEC事業への参入を検討している方に向けて、参入すべきかどうかの判断材料から、具体的な立ち上げ手順、メリットと注意点、事業を軌道に乗せて拡大するためのポイントまでを解説します。
なお、そもそも「EC」や「ECサイト」という言葉自体の定義について知りたい方は「ECとは?電子商取引の意味・種類・仕組みをわかりやすく解説」を、自社EC・モール型・BtoB-EC・越境ECといったビジネスモデルの違いを詳しく比較したい方は「EC事業のビジネスモデルとは?それぞれのメリットや課題・将来性について徹底解説」をあわせてご覧ください。
この記事でわかること
インターネットを介して商品やサービスを売買する事業です。パソコンやスマートフォンを通じて顧客と接点を持てることに加え、購買履歴やアクセスデータを蓄積しやすい点が特徴です。ECという「取引の仕組み」を、実際に収益を生む「事業」として運営する視点がEC事業という言葉の中心にあります。
事業計画の策定、法的要件の整備、ECプラットフォームの選定、物流体制の構築、商品ページの作成・集客準備という5つのステップで進めます。特に、扱う商品と市場を明確にし、収支計画を立てる事業計画の策定が土台になります。
商品価値の言語化、ターゲットの明確化、決済手段の充実、サポート体制の整備に加え、複数チャネルを連携させるマルチチャネル戦略やOMO戦略、SNS・コンテンツマーケティングの活用が有効です。単発の施策ではなく、これらを組み合わせて継続的に改善することが拡大の鍵になります。
EC事業とは
EC事業は、インターネットを介して商品やサービスを売買することです。ECは「Electronic Commerce」や「E-Commerce(イーコマース)」の略として使われており、今では多くの人に認知されている言葉になりました。
従来は店舗に足を運んで手に入れていた商品を、オンライン経由で購入できる利便性が支持を集めています。現在では多くの企業がECサイトを展開し、パソコンやスマートフォンを通じて顧客との接点を広げています。アパレルや家電はもちろん、食品や医薬品などもオンラインで購入できるケースが増え、実店舗での接客とECを使った販路拡大を併用する企業も一般的になりました。
EC事業のもう一つの特長は、データの蓄積・分析が容易であることです。顧客の購買履歴やアクセスデータをもとに効果的なマーケティング施策を打ちやすくなり、事業戦略に活かすことが可能です。
ここで押さえておきたいのは、「EC」がインターネット上の商取引という仕組みそのものを指す言葉であるのに対し、「EC事業」はその仕組みを使って収益を生み出す事業活動を指す、という視点の違いです。ECという言葉自体の定義や市場全体の基礎知識を確認したい方は「ECとは?電子商取引の意味・種類・仕組みをわかりやすく解説」をご覧ください。
EC事業のビジネスモデル【概要】
EC事業の種類と特徴
EC事業は、取引の相手や販売方法によっていくつかのビジネスモデルに分けられます。代表的な4つを一覧で確認しましょう。
| モデル | 概要 | 主な強み |
|---|---|---|
| 自社EC | 自社サイトで直接販売する形態(D2C・単品通販など) | ブランドの世界観を自由に表現でき、顧客データを活用できる |
| モール型EC | Amazonや楽天市場などに出店する形態 | モールの集客力を活用でき、短期間で売上を作りやすい |
| BtoB-EC | 企業間の受発注をオンライン化する形態 | 営業コスト削減や業務効率化、DX推進に直結する |
| 越境EC | 海外の消費者へ販売する形態 | 新たな販路開拓が可能で、日本製品への信頼を活かせる |
それぞれのモデルで必要な運営体制やマーケティング戦略は異なるため、自社の商品特性や成長戦略に合った選択が重要です。各モデルの詳しい仕組みやメリット・課題、代表的な業態については「EC事業のビジネスモデルとは?それぞれのメリットや課題・将来性について徹底解説」で詳しく解説していますので、モデル選定から検討したい方はぜひご覧ください。
今、EC事業に参入する意義
EC事業への参入を検討するうえで、市場の規模感と将来性を押さえておくことは重要な判断材料になります。
経済産業省が公表した令和6年度の「電子商取引に関する市場調査」によると、2024年の国内BtoC-EC市場規模は26.1兆円(前年比5.1%増)、BtoB-EC市場規模は514.4兆円(前年比10.6%増)に達しています。市場規模の詳しい内訳や分野別の動向については「ECとは」「EC市場規模は拡大中?調査結果と今後の動向について解説」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
参入判断で重要なのは、市場全体の数字そのものよりも「今後どのような技術・仕組みが競争力を左右するか」という将来性の見立てです。以下の3つの動きは、これから参入する事業者が押さえておきたいポイントです。
AI・AR技術によるユーザー体験の高度化:AIによるパーソナライズされた商品レコメンドやチャットボット対応、ARによるオンライン試着・商品確認など、実店舗に近い購買体験の提供が進んでいます。
物流の進化によるスピード競争:自動倉庫やロボティクスを活用した配送効率化に加え、都市部に小規模拠点を置く「マイクロフルフィルメントセンター」の普及により、注文から数時間以内の配送も現実的になりつつあります。
サステナビリティへの対応:消費者の環境意識の高まりを受け、リサイクル素材の使用やカーボンニュートラルな物流など、環境に配慮したビジネスモデルへの関心が高まっています。
これから参入する事業者にとっては、こうした技術動向を前提にプラットフォームや物流パートナーを選ぶことが、後々の競争力に直結します。
EC事業を始めるメリットや魅力
EC事業に参入するメリットや魅力を解説します。
店舗が必要なく気軽に始められる
リアル店舗の場合、場所選定や内装、スタッフの確保など多くのコストがかかりますが、EC事業はオンライン上での開店となるため、店舗維持費などを抑えながら事業を始められる点が大きな魅力です。初めてのビジネスでも比較的ハードルが低く挑戦できるので、最小限のリスクで新規事業をテストすることができます。もちろん、ECサイトと店舗の連携をすることでさらに売上を増加させることも可能です。
販路拡大・営業時間の制限がなくなる
EC事業ならば、24時間365日営業が可能であり、地理的にも国内外を問わず顧客に商品やサービスを届けられます。従来の店舗型ビジネスでは実現が難しかった、遠方の市場へアプローチできる点が大きなメリットです。
狙った地域へのアプローチや特定の時間帯の販促強化など、柔軟な営業計画も立てやすくなるでしょう。海外での販売も視野に入れている事業者の方は、以下の記事もぜひ併せて参考にしてみてください。
関連記事:越境ECとは?市場規模やメリット・デメリット、始める際の注意点について解説
データドリブンでのマーケティング
オンラインでの取引は購買データやアクセス解析情報が蓄積されるため、店舗と比べても効果的なマーケティング戦略を立てる材料が豊富に得られます。広告クリック数や閲覧履歴など、消費者の行動データをリアルタイムで分析できる点は大きな強みです。データに基づく意思決定を重ねていくことで、売上向上や顧客満足度のアップにも繋がります。
ブランディングしやすい
ECサイトのデザインやカラー、商品ページの構成などを自由にカスタマイズすることで、独自のブランドイメージを作り上げやすくなります。自社のコンセプトや世界観を明確に打ち出すことで、ファンを獲得しやすくなります。SNSなど他メディアとの連携で認知度を高めることも可能で、顧客とのコミュニケーションを多方面で行えるのも強みです。
EC事業を始める注意点と対処
EC事業にはデメリットやリスクも存在します。しっかり理解して対策を検討しましょう。参入する際の注意点は以下の6つです。
- 顧客との直接的なコミュニケーションが難しくなる
- 競争が激化している・集客が難しい
- 継続が難しい
- ロジスティクス(配送・在庫管理)の難しさ
- 法規制(特定商取引法・個人情報保護法など)への対応
- システム・セキュリティリスク
それぞれの課題と対処法を解説します。
なお、これらの課題をすべて自社だけで解決するのが難しい場合は、外部のECコンサルティングを活用するのも有効な選択肢です。ECコンサルティングでできることについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:ECコンサルティングとは?依頼できる内容や選び方を解説
1.お客様との直接的なコミュニケーションが難しくなる
EC事業ではネットを通して商品を販売するため、店舗での販売よりもお客様とのコミュニケーションが取りにくくなっています。お客様も実際の商品を手に取って確かめることができないため、失敗のリスクを考えて購入をしない可能性もあります。
【対処法】お問い合わせやサイト情報の充実、SNSなどの活用:問い合わせフォームやチャットサポートなどを整備し、気軽に質問できる環境を用意することが大切です。商品の良し悪しを判断しやすいように、サイト上で商品説明を写真を用いて詳しく説明したり、SNSのライブ配信機能を使って紹介したりする企業も増えています。定期的なメールマガジンの配信やSNSでの情報提供も、顧客との良好な関係を維持するうえで有効な手段です。
関連記事:ライブコマースとは?メリット・デメリットや相性がいい商材、成功事例などを徹底解説
2.競争が激化している・集客が難しい
EC市場は成長している一方で、競合サイトが非常に多いため、集客競争が激化しています。価格を比較するサイトも存在するため、価格競争で負けてしまうことも多々あります。
【対処法】ブランディングの強化、SEO対策、SNS活用:「どこよりも安い」「どこよりも便利」「ここでしか買えない」のいずれかを目指すことを意識しましょう。特に「ここでしか買えない」を目指したブランディングは、価格競争にも負けないEC事業をつくる効果的な方向性です。ブランディングの効果が出るには時間がかかるため、短期的な効果を狙うならSEO対策やSNS活用が有効です。リスティング広告やSNS広告、アフィリエイトなど多角的な集客施策も検討しましょう。
関連記事:ECサイトにおけるSNS戦略6選!各SNSの特徴や効果的な集客方法をご紹介 関連記事:【初心者向け】SEOに強いECサイトにする方法を徹底解説!集客強化のためにやるべき対策とは?
3.継続が難しい
EC事業は始めやすい分、継続して売上を上げることが難しくなっています。特に健康食品や化粧品の定期通販の分野ではリピートしてもらうことが最も重要になります。新規で購入してもらった後、2回目のリピート率が70%、3回目のリピート率が50%を超えると大きく成功していると言われており、裏を返せば3回目以降も継続してもらえるのは新規顧客の半分以下という計算になります。
【対処法】LTVやCRMに強いECカートシステムを選ぶ:更新頻度を落としてしまうと売上や顧客満足度が下がり、リピート率の低下につながるため、組織体制を構築し運営を継続できる仕組みを整えることが大切です。ECサイトを作る際には必ずECカートシステムベンダーを選ぶ必要がありますが、その中でもLTVやCRMに強いカートシステムを選ぶことで継続率を上げやすくなります。
4.ロジスティクス(配送・在庫管理)の難しさ
EC事業の運営において、配送や在庫管理は非常に大きな課題です。注文が集中すると配送遅延や在庫切れが発生し、顧客満足度の低下につながります。複数倉庫の在庫を一元的に管理できない場合、余剰在庫や欠品リスクも高まります。
【対処法】在庫管理システムや物流アウトソーシングの活用:WMS(倉庫管理システム)やOMS(受注管理システム)を導入し、在庫と注文をリアルタイムで連動させることが効果的です。フルフィルメントサービスを活用すれば、在庫保管・梱包・配送までを外部委託でき、効率化とコスト削減につながります。
5.法規制(特定商取引法・個人情報保護法など)への対応
EC事業はオンライン取引である以上、法的なルールを遵守しなければなりません。特定商取引法に基づいた表示義務や返品・返金ポリシーの明示、個人情報保護法に基づいた顧客データ管理などが必要になります。違反した場合、行政処分やブランド毀損につながる可能性があります。
【対処法】法令遵守の体制を整える:特商法に基づく表記(販売事業者名・所在地・連絡先・返品規定など)を必ず明記し、個人情報の取り扱いに関してはプライバシーポリシーを整備することが重要です。クレジットカード決済におけるPCI DSS準拠など、セキュリティ基準の遵守も必須です。
6.システム・セキュリティリスク
ECサイトはサイバー攻撃の標的になりやすく、情報漏洩や不正アクセスは大きなリスクです。システムダウンが発生すると販売機会の損失や顧客離れを招きます。
【対処法】信頼性の高いシステム選定と定期的なセキュリティ対策:SSL証明書の導入、二段階認証、脆弱性診断などを定期的に実施することが求められます。ECカートシステムは信頼できるベンダーを選び、保守・セキュリティアップデートが継続的に提供される環境を整えることが重要です。
EC事業の立ち上げ方【5ステップ】
EC事業の立ち上げステップは、大きく5つに分けられます。1つずつ詳しく解説します。
1. 事業計画の策定
EC事業を始める前に、3〜5年ほどの事業計画を立てることが不可欠です。まず取り扱う商品を定めて、市場調査を通じて市場規模、競合状況、価格帯を分析し、自社の差別化ポイントを明確にします。
次に、サイト構築や在庫確保、マーケティング活動に必要な予算配分も計画します。特に予算の配分では「334の法則」を意識しましょう。これは、商品原価率を30%、販売促進費を30%、その他の経費と利益を合わせて40%に収めることを推奨する考え方です。仕入れコストと販売促進費用を合わせて売上の60%以内に抑え、残りの40%で運営コストを賄いつつ、20%程度の利益を確保するのが定石とされています。
詳しくEC事業戦略の策定手順を知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:EC事業戦略とは?策定手順やEC事業を成功させるための3つのポイントを解説
2. 法的要件の整備
EC事業では、各種法的要件への対応が欠かせません。事業形態(個人事業主か法人か)を決定し、必要な登記・届出を行います。特定商取引法に基づく表記、プライバシーポリシー、利用規約などの法的文書を準備し、サイト上に明示します。
取扱商品によっては薬機法や食品衛生法など、特定の許認可が必要な場合もあります。個人情報保護法に基づくセキュリティ対策や、景品表示法に則った広告表現にも注意が必要です。
近年の法令動向としては、EC事業者にWebサイトやアプリのアクセシビリティ対応(スクリーンリーダー対応、色覚特性に配慮したデザインなど)を求める改正障害者差別解消法や、オンライン決済時の本人認証を義務化する3Dセキュアの義務化などが挙げられます。これらの法的要件をクリアすることは、顧客からの信頼獲得にもつながります。
3. ECプラットフォームの選定・構築
事業規模や予算に合わせて、適切なECプラットフォームを選定します。自社ECサイトを構築する場合は、Shopify、BASE、W2などのプラットフォームサービスから選択するか、ゼロからカスタマイズする方法もあります。
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのECモールへの出店も検討するべきです。自社サイトは自由度が高く手数料がかからない一方、集客に労力がかかります。ECモール出店は即時に顧客にリーチできますが、手数料が発生し競合も多いため、両方を組み合わせる戦略も有効です。
具体的な構築サービスの比較や選定ポイントについては「ECサイト構築サービス24選比較」で詳しく解説しています。
また、プラットフォーム選定だけでなく、サイトのデザインや構築作業そのものを制作会社に依頼したいと考える事業者も少なくありません。ECサイト制作会社の選び方について知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:ECサイト制作会社の選び方|失敗しないポイントを解説
4. 物流体制の構築
効率的な物流体制は顧客満足度に直結します。商品の保管場所(自社倉庫か外部倉庫か)、梱包材、配送業者との契約条件を整えます。
小規模から始める場合は自社で在庫管理・発送を行い、規模拡大に応じてアウトソーシングも検討しましょう。在庫管理システムを導入し、在庫切れや過剰在庫を防止することも利益向上には重要です。自社ECサイト事業では、梱包の見た目や同梱物にこだわることで、開封時の顧客体験を向上させることもできます。
5. 商品ページの作成と集客準備(自社ECサイトオープンの場合)
魅力的な商品ページは購買につながる重要な要素です。高品質な商品写真、詳細な商品説明、適切な価格設定を行います。衣類なら着用イメージ、家具なら実際の部屋での使用イメージなど、「使用シーン」が分かる写真も効果的です。
商品説明は単なる仕様の羅列ではなく、顧客の悩みや願望に訴えかける内容にします。「何が」ではなく「なぜ必要か」「どう役立つか」というベネフィットを強調し、商品の特徴や素材、サイズなどの具体的情報も漏れなく記載します。
集客準備としては、商品ジャンルに合ったSNSプラットフォームにアカウントを開設し、オープン前から情報発信を始めます。オープニングキャンペーンとして初回購入割引や期間限定特典を企画し、サイトオープン時から売上を上げる仕組みを構築しましょう。
EC事業を成功させ、拡大するための7つのポイント
競争の激しいEC市場で長期的に成果を上げるための成功ポイントを紹介します。
- 自社商品の価値を4つに分けて言語化する
- ターゲット顧客を明確にする
- 決済種類を充実させる
- 顧客サポート体制を整える
- マルチチャネル戦略を行う
- OMO戦略でリアル店舗と連携する
- SNS・コンテンツマーケティングを活用する
以下でそれぞれ詳しく説明します。
自社商品の価値を4つに分けて言語化する
EC事業を成功させるためには、自社商品の価値を明確に言語化することが重要です。近年ますます多くの商品が展開されているなか、価値を言語化できていないと、顧客に認知されないだけでなく競合との差別化も難しくなります。
具体的な4つの価値は次のとおりです。機能的価値(耐久性、使いやすさ、効率性など実用的な側面)、感情的価値(安心感、喜び、自己表現など感情に訴える要素)、社会的価値(ブランドイメージやトレンド性など周囲からの評価)、経済的価値(コストパフォーマンスやお得感など金銭的な魅力)です。
これら4つの価値を具体的な言葉で表現し、商品ページやマーケティング施策に一貫して反映させることで、顧客の心に響く訴求が可能になります。
ターゲット顧客を明確にする
EC事業を成功させるためには、ターゲット顧客を明確にする必要があります。ターゲット顧客とは、簡単にいえば商品やサービスを購入してくれそうな人々のことです。
性別や年齢、趣味など、できるだけ具体的な顧客像を描くことで、提供する商品やサイトデザイン、プロモーション戦略に一貫性を持たせられます。ユーザーのニーズを的確に捉え、差別化された価値を提供することが長期的な成果へとつながります。
決済種類を充実させる
決済種類の充実は、EC事業における顧客の利便性と購買意欲を大きく左右する重要な戦略です。クレジットカード、電子マネー、コンビニ決済、銀行振込、後払い、Apple Pay、Google Payなど、多様な決済方法を提供することで、顧客の支払い選択肢を広げることができます。
若い世代はスマートフォン決済を好み、高齢者は従来の銀行振込を好む傾向があるなど、年齢層や個人の好みによって選好される決済方法は異なるため、幅広い決済オプションを用意することが売上向上につながります。国際的な顧客を想定する場合は、海外発行のクレジットカードや各国で人気の決済方法への対応も競争力を高めます。
関連記事:EC決済とは?選び方・おすすめの決済代行サービス12選を徹底比較
顧客サポート体制を整える
ECサイトでは、顧客サポート体制を整えることが重要です。サポート体制が整っていることで、顧客は商品やサービスの購入や使用中に問題が発生したときにすぐ解決できます。
問い合わせに素早く対応できる仕組みや返品交換のルールなどを明示し、安心して買い物ができる環境を整え、信頼性向上につなげましょう。スタッフの教育やFAQの充実など、サポート体制を強化する工夫を怠らないことが大切です。
マルチチャネル戦略を行う
マルチチャネル戦略は、複数の販売チャネルを横断的に活用し、顧客との接点を最大化する戦略です。ECサイト、実店舗、ソーシャルメディア、モバイルアプリなど、様々な販売経路を連携させることで、顧客に一貫性のある買い物体験を提供できます。
オンラインで商品を注文し店舗で受け取るサービスや、Instagram広告から直接購入できる機能、LINEでの接客とECサイトの連携など、顧客が好む方法で商品を発見し購入できる環境を整えることが重要です。各チャネルでの顧客データを統合分析することで、より精度の高いマーケティング戦略も実現できます。
OMO戦略でリアル店舗と連携する
EC事業の成功には、オンラインとオフラインを融合させたOMO(Online Merges with Offline)戦略が欠かせません。「オンラインで注文し店舗で受け取る」「店舗スタッフがアプリを通じて接客する」といった取り組みは、顧客にとって便利でシームレスな購買体験を提供できます。
リアル店舗を持つ事業者は、ECサイトと在庫情報を連携させることで「どこで買っても同じ体験」を実現でき、ECと実店舗双方の売上を高める相乗効果が期待できます。
関連記事:OMOとは?意味やメリット・成功事例、O2O・オムニチャネルとの違いをわかりやすく解説
SNS・コンテンツマーケティングを活用する
EC事業を伸ばすには、ただ商品を並べるだけでなく、顧客との接点を増やす情報発信が必要です。InstagramやTikTokなどのSNSではビジュアルや動画を活用してブランドの世界観を伝えられるほか、ブログやオウンドメディアを通じたコンテンツマーケティングはSEO効果を高め、長期的な集客資産となります。
ユーザー生成コンテンツ(UGC)を活用することで、リアルな口コミを拡散でき、信頼感の醸成にもつながります。SNSとECを効果的に連携させることで、潜在顧客への認知拡大から購入後のファン化まで一気通貫した顧客体験を実現できます。
EC事業運営に必要な業務の全体像
EC事業を継続的に運営するには、顧客と直接接点を持つ「フロント業務」(サイト運営、商品ページ作成、マーケティング、カスタマーサポートなど)と、事業の舞台裏を支える「バックエンド業務」(在庫管理、受発注処理、配送手配、売上分析、システム管理など)の両方が欠かせません。
事業を立ち上げた後は、この2つの業務をどのような体制で回していくかが、継続的な成長を左右します。フロント業務・バックエンド業務それぞれの具体的な業務内容や、運営に必要なスキルについて詳しく知りたい方は、以下の記事で解説していますのであわせてご覧ください。
自社EC事業スタートするならW2がおすすめ
EC事業のスタートを検討していて、ECサイト構築やECカートシステムの選定に悩んでいる方は、W2 Commerceの導入をおすすめします。W2は、多様な業界・事業規模に対応できる高機能なECカートシステムを提供しており、スタートアップからエンタープライズまで幅広い事業者の成長を支援してきた実績があります。
W2 Commerceは、BtoC・定期販売・BtoB・海外ECなど複数の事業形態に対応したコマースプラットフォームです。AIを組み込んだ1,000以上の機能が標準搭載され、さらに、自由に追加できる拡張プラグイン群により、高度なコマース戦略と運用を実現します。大規模なカスタマイズにも対応できるため、事業フェーズに合わせた柔軟な拡張が可能です。
強み
- 豊富な機能:業界最多の1,000以上の機能を標準搭載し、売上向上と業務効率化を同時に実現
- 自社開発・保守:開発から保守まで100%自社対応で、柔軟なカスタマイズや提案が可能
- 高いセキュリティ:世界基準のセキュリティ・インフラ対策により稼働率99.97%を実現
- 優れた実績:導入企業の平均売上成長率は354%を達成
- 業務効率化:独自の自動受発注ワークフロー機能により日々の業務工数を90%削減
その他、W2の導入実績や成功事例を詳しく知りたい方は、以下の資料をご覧ください。
まとめ
本記事ではEC事業について、参入判断から立ち上げ、拡大までを紹介してきました。
- EC市場は右肩上がりで、今後も規模の拡大が見込まれる
- EC事業は店舗型のビジネスに比べてコストを抑えて始めやすい
- 始めやすい分、継続して売上を上げるにはLTVやCRMに強いECカートシステムの選定が重要になる
- 顧客とのコミュニケーションが取りにくい分、わかりやすいサイト作成やお問い合わせ導線の充実が欠かせない
EC事業はインターネットの普及と消費者ニーズの多様化に伴い、これからも成長が期待されるビジネス領域です。誰でも始めやすい反面、競争が激化している現状を踏まえた戦略的な運営が求められます。顧客目線を意識した商品選定やマーケティング、データ分析をベースにした運営が、成長のカギを握っています。
自社に合ったビジネスモデルを選び、継続的にブラッシュアップを行いながら、顧客満足度の高いEC事業を実現していきましょう。ビジネスモデルの選び方から改めて検討したい方は「EC事業のビジネスモデルとは」もあわせてご覧ください。
EC事業に関するよくある質問と回答
Q. EC事業にはどのような種類がありますか?
A. EC事業には、自社EC・モール型EC・BtoB-EC・越境ECなどの形態があります。取引相手や販売方法によって特徴が異なり、自社の商材や目的に合ったモデルを選ぶことが重要です。詳しくは「EC事業のビジネスモデルとは」で解説しています。
Q. EC事業を始めるメリットは何ですか?
A. 主なメリットは、店舗を持たずに始めやすいこと、販路を広げやすいこと、データを活用したマーケティングがしやすいことです。24時間365日販売でき、ブランドの世界観も表現しやすくなります。
Q. EC事業を始めるときに注意すべき点は何ですか?
A. 注意点としては、顧客との直接的なコミュニケーションが取りにくいことや、競争が激しく集客が難しいことなどがあります。商品情報の充実や問い合わせ導線の整備、SNS活用などの対策が重要です。
Q. これからEC事業に参入する場合、何を優先して準備すべきですか?
A. まずは事業計画の策定です。取り扱う商品と市場を明確にし、初期費用とランニングコストを含めた収支計画を立てたうえで、法的要件の整備、プラットフォームの選定へと進むのが基本の流れです。詳しい手順は本記事の「EC事業の立ち上げ方【5ステップ】」で解説しています。
この記事の監修者
神戸大学在学中にEC事業を立ち上げ、自社ECサイトの構築から販売戦略の立案・実行、広告運用、物流手配に至るまで、EC運営の全工程をハンズオンで経験。売上を大きく伸ばしたのち、事業譲渡を実現。
大学卒業後はW2株式会社に新卒入社し、現在は、ECプラットフォーム事業とインテグレーション事業のマーケティング戦略の統括・推進を担う。一貫してEC領域に携わり、スタートアップから大手企業まで、あらゆるフェーズのEC支援に精通している。




























