
「ECサイトを作るときにどれくらい費用がかかるか知りたい」
このような悩みをお聞きすることが多くあります。
そして、ECサイト(通販サイト)の構築にかかる費用は、構築方法や目的によって大きく異なるもの。
また、ECサイトは構築以外にも必要な経費が多くあり、それらも含めて予算を検討しなければなりません。
そこで本記事では、
- ECサイト構築の主な方法
- それぞれの方法の費用感
- 費用を考えるうえで押さえるべきポイント
などを紹介します。
なお、EC事業をスタートしたい方・検討している方に向けて、「EC立ち上げの費用感や選定ポイント」をまとめました。特に「初期費用をどう考えるか」という点は、ECの成功と失敗に大きく影響します。
資料は無料でダウンロードできるので、ぜひあわせてご一読ください。
ECサイト構築にかかる費用感・相場価格

ECサイトの構築にはさまざまな方法があり、それによって費用や相場価格が変わります。
そこで、各方法の費用感を以下の表にまとめました。
構築方法 | 初期費用 | 継続費用 | カスタマイズ性 | 構築スピード |
モール型 | 低 | 低 | 低 | 早 |
ASP型 | 低 | 低〜中 | 低 | 早 |
オープンソース型 | 低 | 低 | 高 | 早 |
パッケージ型 | 中 | 中 | 高 | 中 |
フルスクラッチ型 | 高 | 高 | 高 | 遅 |
前提として、構築費用には
- 初期費用
- 継続費用
- デザイン費用
- カスタマイズ費用
など、さまざまな要素が含まれます。
同じ構築方法でも、選ぶサービスや要件によって費用は大きく異なるため、あくまで目安として参考にしてください。
より具体的な費用感について詳しく知りたい方は、「EC立ち上げの費用感と選定ポイント」もあわせて読むのがおすすめです。
とはいえ、構築方法を選ぶ際は「金額」だけを見るのではなく、「ネットショップ構築の目的や必要な機能」も含めて検討することが大切です。
そこで次は、ECサイトの構築方法ごとにどんな特徴があるのかを紹介します。
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ECサイトの主な構築方法と費用感

ECサイト構築には、主に5つの方法があります。
- モール型(複数の店が並ぶモール内に出店)
- ASP型(ECサイトに必要なシステムをレンタル)
- オープンソース型(無償公開されているソースコードを改変)
- パッケージ型(パッケージ化されたシステムをもとにカスタマイズ)
- フルスクラッチ型(ゼロから完全オリジナルのサイトを構築)
それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
1. モール型
構築方法 | 初期費用 | 継続費用 | カスタマイズ性 | 構築スピード |
モール型 | 低 | 低 | 低 | 早 |
「モール型」とは、複数のネットショップが並ぶモール内に出店することです。例えばAmazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどがあります。
モール型の最大のメリットは、独自に自社ECを構築するのとは違って、モールが持つブランドや集客力を活かせることです。そのため、うまくいけば開業直後から集客できる場合があります。
また、初期費用や継続費用が低く、モールに出店するための仕組みが整っているため、初心者でも出店しやすいのが特徴です。
一方、既存のモール内に出店する以上、モールの利用規約や運営ルールに則って運営しなければなりません。
そのため、
- 自由にカスタマイズをするのが難しい
- 個性を出しにくく、差別化がしにくい
- 規約やルールの変更に振り回されるおそれがある
などのデメリットがあります。
また、モール自体に集客力はあるものの、モール内にはすでに他のお店が数多く出店しているため、熾烈な集客勝負は避けられません。
実際にモール出店後に自分のお店に人を集めるには、
- モール内での広告枠に投資をする
- よく検索される商品をとにかく安く出す
など、予想外のコストがかさむこともあります。
「モールに出せば自動でお客さんが来る」という思いの方も多いので、ご注意ください。
2. ASP型
構築方法 | 初期費用 | 継続費用 | カスタマイズ性 | 構築スピード |
ASP型 | 低 | 低〜中 | 低 | 早 |
「ASP(Application Service Provider)型」とは、ECサイト構築のクラウドサービス事業者と契約し、自社ECを構築するサービスです。
無料ASPの場合、専門知識がない初心者でも出店しやすく、オープンまでの必要期間を短く済ませることができます。
ただし、機能やデザインに制限があることがほとんどで、自由にサイトを構築できないのが難点です。
一方、有料ASPの場合は機能性・デザイン性などの幅が広がるため、よりサイトの自由度が高くなります。
とはいえ、他の構築方法(オープンソース型、パッケージ型、フルスクラッチ型)と比べると、どうしてもカスタマイズ性や拡張性は乏しくなります。
施策にあわせて
- 機能を追加したい
- デザインを変更したい
- 外部サービスと連携したい
という場合、「実際どこまで対応できるか」の確認は必須ですので、ご注意ください。
3. オープンソース型
構築方法 | 初期費用 | 継続費用 | カスタマイズ性 | 構築スピード |
オープンソース型 | 低 | 低 | 高 | 早 |
「オープンソース型」とは、無償で公開されているオープンソースを利用し、ECサイトを構築する方法です。
ソースコードを直接さわれるため、
- デザインの変更のみで安価に済ませる
- コストをかけて自社専用の独自機能を追加する
など、要件に応じて自由にカスタマイズができます。
ただし、構築やカスタマイズには専門的な技術スキルが必要なうえ、セキュリティリスクが大きいです。
また、オープンソースを利用して自社開発する場合は全て自己責任であり、なにかトラブルが起きたときのサポートは得られません。
そのため、障害やトラブルが起きても対応できる運営体制を社内で整えておくことが必須です。
この「保守対応する人件費」こそが、見えないコストといえます。すでに社内にエンジニアがいたとしても、保守のために対応することを考えると、その分コストがかかります。
「オープンソースは継続費用が安い」と考えていると、意外なコストで失敗することがあるので、ご注意ください。
もし体制の構築が難しい場合、多少コストをかけてでもしっかりしたセキュリティやサポートを得られるパッケージ型などを選ぶのも手です。
4. パッケージ型
構築方法 | 初期費用 | 継続費用 | カスタマイズ性 | 構築スピード |
パッケージ型 | 中 | 中 | 高 | 中 |
「パッケージ型」とは、ECサイトの機能をパッケージ化したシステムをもとに、要件に合わせてカスタマイズする方法です。
ベンダー(システム提供事業者)に開発を依頼するためコストはかかってしまいますが、その分カスタマイズの自由度は高いです。
機能の追加やデザインの変更などをすることで、モール型やASP型では実現できないようなオリジナリティの高いECサイトを作ることができます。
また、ベンダーによるサポート体制も充実しており、なにか分からないことやトラブルが起きてもすぐ相談できるので安心です。
セキュリティリスクへの対策も万全なサービスが多く、安定してECサイトを運営できるのも大きなメリットといえるでしょう。
5. フルスクラッチ型
構築方法 | 初期費用 | 継続費用 | カスタマイズ性 | 構築スピード |
フルスクラッチ型 | 高 | 高 | 高 | 遅 |
「フルスクラッチ型」とは、ゼロからECサイトをオリジナルで構築する方法です。
ユーザーの目に触れるWebサイトの部分から、スタッフが運営業務に使うバックエンドのシステムにいたるまで、すべてを自社専用に最適化して作ることができます。
どの構築方法よりもカスタマイズ性が高く、自由に開発できるのが最大の特徴です。
また、サイト運用後はPDCAを高速に回しやすく、
- スピード感を持ってお店を改善できる
- 時勢の変化にも柔軟に対応できる
などのメリットもあります。
一方で、システム完成までにはどうしても長い開発期間がかかります。また、開発費が高額になりやすく、高い技術力も必要です。
数千万もの費用がかかるケースも珍しくないため、大規模なECサイトを運営したい事業者向けの方法といえます。
ECサイト構築は費用だけでなく目的に合わせて選ぶ

改めて、ECサイトの構築方法ごとの費用感を下にまとめます。
構築方法 | 初期費用 | 継続費用 | カスタマイズ性 | 構築スピード |
モール型 | 低 | 低 | 低 | 早 |
ASP型 | 低 | 低〜中 | 低 | 早 |
オープンソース型 | 低 | 低 | 高 | 早 |
パッケージ型 | 中 | 中 | 高 | 中 |
フルスクラッチ型 | 高 | 高 | 高 | 遅 |
各方法のメリットやデメリットを比較したとき、「結局どれを選べばいいのか」と悩む方もいると思います。
結論として、自社の予算感に近い方法を選ぶのも大切ですが、費用だけにとらわれずに目的・目標に合わせて総合的に判断するのがおすすめです。
例えば、
- 販促機能を使って売上を拡大したい
- リピーターを増やすために顧客育成をしたい
と思っていても、低コストなツールでは機能が不十分なことが多いです。
また、実際にサイトを運営するなかで
- 最新の機能を利用したい
- デザインを変更したい
と思っても、カスタマイズ性が低くて実現できないという声は少なくありません。
大切なのは「できるだけコストを抑える」のではなく、「コストに対してどれだけの成果が見込めそうか考える」ことです。
ECサイト構築の費用や方法を検討する際は、ぜひサイトを作る目的に今一度立ち返ってみてください。
そのために必要な機能やシステムは何かを明確にしたうえで、自社に合う方法を選ぶのがおすすめです。
なお、「ECサイトの立ち上げの費用感と選定ポイント」について、さらに深堀りした内容を資料にまとめました。実際に成果を上げるために大切な視点をまとめたので、ぜひ資料を無料ダウンロードしてあわせてご一読ください。
ECサイト構築には補助金を利用できる!

本音ではより高機能なECサイトを作りたいとは考えているものの、「やはり費用面が心配……」という方もいるのではないでしょうか。
実は、ECサイト構築の費用は「国や自治体の補助金制度」で補助されるケースがあります。
実際の費用の1/2や2/3を補助してくれるケースも多いので、申請できる制度がないかぜひ調べてみてください。
なお、EC構築でよく使われる主な補助金制度は以下のとおりです。
- IT導入補助金制度(最大450万円、1/2補助)
- 事業再構築補助金(最大6,000万円、2/3補助)
- 小規模事業者持続化補助金(最大100万円、2/3補助)
とはいえ、補助金制度は申請書の作成や準備に時間がかかるうえに、全員の申請が通るわけではありません。
公募要領には審査項目が記載されているため、申請する際はしっかり読み込んで準備しておきましょう。
また補助金制度の内容によって対象となるサービスや事業者は限られています。
そのため、申請したい補助金制度を見つけたら、採択事業者として認定されている企業をまずは見つけるのがおすすめです。
ちなみにw2ソリューションは、IT導入補助金の採択企業として認定を受けています(最大450万円、1/2補助)。
詳しくは「IT導入補助金」のページで紹介しているので、
- ネットショップの立ち上げ
- カートの乗り換え
を検討している方は、ぜひ目を通してみてください。
まとめ:自社に合ったECサイトの構築や費用を考えよう
改めて、これまでの内容をまとめます。
- ECサイトの構築方法は主に5つあり、それぞれ費用感が異なる
(モール型、ASP型、オープンソース型、パッケージ型、フルスクラッチ型) - 同じ構築方法でもサービスや要件で大きく変わるため、費用感はあくまで参考に留める
- 費用だけにとらわれず、目的にあわせて総合的に判断するのがおすすめ
- ECサイトの構築費は、補助金制度の対象として補助されることもある
ECサイトを構築する際には、費用感だけにとらわれずに
- どんな目的や目標を達成したいか
- そのためにどんな機能やシステムが必要か
なども含めて検討する必要があります。
目先の利益を追うのではなく、長期的な成果が見込める構築方法やサービスをぜひ考えてみてください。
ECサイト構築の手順や事例などについてもっと詳しく知りたい方は、
こちらもご覧ください。

なお、EC事業をスタートしたい方・検討している方に向けて、「EC立ち上げの費用感や選定ポイント」をまとめました。
実際にECを立ち上げて成果を出すために、
- EC立ち上げにかかる費用はどのくらいか
- どんな基準でパートナー会社を選べばいいか
などをさらに詳しく掘り下げて解説しています。
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