
リピート率って何?リピーター率との違いやEC通販に理想的な数字を紹介
- ECサイトのリピート率ってどのくらい?
- 自社のリピート率は平均よりも高い?低い?
自社のECサイトの売上を見ながら、このような悩みを抱えるEC担当者は多いのではないでしょうか。
売上をさらに伸ばすためには、リピート率を高めることが非常に重要です。
そこで本記事では、
- リピート率とはそもそもなにか
- リピート率の平均的な数字
- リピート率を上げる施策
などを紹介します。
リピート率の意味と計算方法
通販サイトでは新規顧客の獲得と同じくらい、リピーターを増やすことが重要です。
そして、リピーターの満足度を高めていけば、競合他社に顧客を奪われにくくなっていきます。
一定期間に訪れた新規の全顧客数で、リピーターになった割合を表す数字が「リピート率」(継続率)です。
当月のリピート率は「当月リピート顧客数÷累計新規顧客数×100」で求められます。
なお、分母である「累計新規顧客数」とは、サイトが立ち上げられてから集まったすべての顧客数です。
リピート率は、総顧客の中にどれだけリピーターがいるのかを確認するためにチェックします。
リピート率の重要性
企業には「80:20の法則」があてはまるとされてきました。
すなわち、企業の売上の80%は優良顧客によるものだということです。
確かに新規顧客の獲得は重要です。
しかし、新規にばかり注力していてリピーターを増やさずにいると優良顧客を育てられません。
その結果、企業の売り上げは落ち込んでいきます。
企業が収益を安定させるには、新規顧客を着実にリピーターへ引き上げていかなくてはなりません。
コストの面からしても、新規顧客を獲得するよりリピーターを生み出すほうが楽です。
新規顧客を見つけるには、リサーチにも営業にも時間がかかります。
しかし、リピーターを育てるには既存顧客に働きかけるだけでよいのです。
実際、マーケティングの世界では「1:5の法則」が常識になっています。
新規顧客を得るためには、リピーター獲得の5倍のコストがかかるという意味です。
さらに、リピート率は商品やサービスの満足度を知る目安になりえます。
リピート率が高いと、その商品やサービスは好評を博しているのだといえます。
リピート率が下がっているときほど、企業は提供しているコンテンツに工夫をしなければならないのです。
似た言葉「リピーター率」
「リピーター率」の意味と計算方法は?リピート率との違いは?
あくまでも、特定期間中に商品を購入してくれた顧客のうち、リピーターがどれだけいたのかを表す数字が「リピーター率」です。
たとえば1カ月間のリピーター率を算出するのであれば、式は「月のリピート購入者数÷(当月の新規購入者+当月のリピート購入者)×100%」となります。
リピート率と混同されやすいものの、重要なのは割る数が「累計購入者」ではなく「月の購入者」になっている点です。
リピーター率とはあくまで、一定期間に増えたリピーターを知るために用いる数字です。
リピート率とリピーター率どちらを重視すべき?
マーケティングの世界では、リピーター率以上にリピート率が重要視されています。
なぜなら、リピーター率は新規顧客とリピーターの割合を確かめるための指標に過ぎないからです。
顧客層のバランスを見るときには利用されるものの「低いから高めるために努力しよう」など、目標にされることはありません。
そもそもリピーター率は高ければ高いほどよいとも言い切れないのです。
たとえば、ある月に大きく顧客数全体が落ち込んだとします。
リピーターも減っているにもかかわらず、新規顧客がもっと少なければリピーター率は高くなってしまいます。
こうした現象が起こりえる以上、リピーター率をゴールにしてサイト運営を行っていくのは間違いです。
一方、リピート率は顧客満足度をはっきりと反映させる数字です。
リピート率が高くなっているときには、顧客が商品やサイトに好印象を抱いている証だといえます。
リピート率が高くなっていけば、サイト全体の成長へとつながっていきます。
マーケティングの目標数字に設定するのであれば、リピーター率よりもリピート率ということになります。
定期通販で意識したいその他の指標
通販サイトの中でも、定期購入に特化している場合ではリピート率の重要度が上がります。なぜなら、リピート率の高さは離脱者の少なさを意味するからです。
この段落では、定期通販で心がけたいポイントを紹介していきます。
「F2転換率」とは2回目購入客のこと
リピート率に関係した数字に「F2転換率」があります。
すなわち、初めて商品を購入してくれた顧客のうち、2回目の購入をしてくれた割合を指します。
たとえば、1000人の新規購入者中、500人が2回目の購入をしてくれた場合、F2転換率は50%です。
300人であれば30%であり、要するに、高ければ高いほどリピーターとなった割合が大きいといえます。
Fとは「Frequency(頻度)」のイニシャルです。
「Frequency2」で、2回のアクションを見せたということです。
購入者をF2にすれば、F3以降の働きかけも行いやすくなります。
そのため、定期通販ではF2転換率を非常に気にしています。
また、トライアル品の反応を伺ううえでもF2転換率は用いられる数値です。
LTVとは顧客生涯価値
1人の顧客があるサイト、店で購入した総額を「LTV(Life Time Value)」といいます。
たとえば、3000円のサプリメントを10回購入した顧客のLTVは3万円です。
LTVが明確になると、1人のリピーターが長期的にどれほどの利益をもたらしてくれるか推測しやすくなります。
すなわち、以下のような判断を正確に下せます。
- これだけの広告費用をかける価値がある
- 多くの宣伝スタッフを割く必要はない
このように新規顧客獲得施策を進めていくうえで、LTVは大切な目安です。
なお、リピート通販の成功に重要なLTVを詳しく以下の記事で解説しているので、この機会にぜひご覧になられてはいかがでしょうか。
リピート通販の成功に重要なLTV指標とは?収益を上げるシステムの選び方
ECサイトにおけるリピート率はどれくらいが理想?
リピート率の具体的な利用方法は、通販サイトを運用する場面によって異なります。
たとえば、トライアル品を提供してから本品に移行してもらうには、25~35%のリピート率は欲しいところです。
ただ、商品の種類、ジャンルによっても目標にするべき数値は変わってきます。
たとえば、健康食品や化粧品のユーザーは、いろいろなメーカーから幅広く購入するということを好みません。
むしろ、特定のメーカーから同じ商品をリピートしたいと考えます。
そのため、リピート率の平均は50%ほどです。
100人の新規顧客がいたとして、リピーターが50人未満であれば満足度が低いと考えましょう。
一方、アパレル系になるとお気に入りのブランド以外からもアイテムを揃えたいと考える人は増えます。
そのため、リピート率の平均は35%ほどです。
パソコンなどの高額家電ともなれば、そもそも頻繁にリピートするようなジャンルではありません。
リピート率は25%ほどに留まります。
このように、商材によってはリピート率を伸ばすことが難しいことも珍しくありません。
ただし、パソコンのリピート率は伸ばしにくくても、マウスやキーボードといった周辺機器は安価なうえ、買い替える頻度も高くなります。
クロスセルにも注力しつつ、顧客を離さない努力を続けましょう。
リピート率を上げるには?事例とともに紹介
通販サイトを切り盛りしていくには、リピート率を高めなくてはなりません。
そのためには、具体的なポイントを押さえておきましょう。
以下、リピート率を向上させる対策を挙げていきます。
なお先ほどご紹介したLTV向上の施策には、セット販売やアップセル・クロスセルの提案、リマインドメールの配信なども効果的です。
施策の詳細に関しては、無料ダウンロードできる資料で紹介しています。以下のリンクからダウンロードできますので、詳しく知りたい場合はご一読ください。
【事例付き】リピーターに特典を与える【ノベルティ・会員ランク】
分かりやすい施策としては、購入者に利益を与えることです。サービスをリピート利用すれば特典を得られる仕組みを作り、ターゲットの購入意欲を刺激しましょう。
割引やノベルティ(無料配布品)を用意するのは代表例です。
また、ポイントなどをプレゼントして、特定のサイトを訪問したくなるように仕向けるのもひとつの方法です。
さらに、「会員ランク制度」を設けている企業も少なくありません。
これらのサイトでは、ロイヤルティに応じて会員を優遇しています。
ランキングが上がるにつれて、一般会員では受けられないサービスを利用できる仕組みです。
事例として、「いきなり!ステーキ」の取り組みが挙げられます。
いきなり!ステーキの店舗では顧客が食べた肉の重量によって会員をランキング化するという、ユニークな試みを実施しました。
会員は一般、ゴールド、プラチナ、ダイヤモンドに分けられており、食べた重量が増えるにつれてランクアップしていきます。
そして、高いランクになるほど特典の種類も充実します。
それだけでなく、公式サイト内で顧客の利用をうながすようなコンテンツも展開してきました。
ランキングを公式発表することで、顧客の競争意識をあおり、利用頻度を高めていったのです。
もちろん、ランキングは随時更新されていきます。
会員は「サイトに自分の名前を載せてほしい」と思うことでチャレンジ精神を発揮し、いきなり!ステーキの店舗へと通うのです。
こうした循環が生み出せれば、顧客のリピート率が上がって囲い込みに成功するでしょう。
データ分析をして施策を行う
リピート率を高めるには、売上だけにこだわっていてはなりません。顧客の活動を分析し、リピートを増やしていくためにはその他のデータも重要です。
既存顧客のデータを基にして、さまざまな角度から分析を行っていきましょう。
まず、「顧客属性」は重要です。
自社が提供している商品には、リピートになりやすい層があるはずです。
しかし、「美容系だから若い女性に人気のはず」といった思い込みを持って販売しても、具体的な結果にはつながりにくいでしょう。
客観的なデータを参照しながら、ターゲット層を浮き彫りにしていきます。
逆に、離脱しやすい顧客の特徴も知りたいところです。
性別や年代、職業などで離脱者が偏っていた場合、商品やサービスに欠点が含まれている可能性もゼロではありません。
また、通販サイトの使い勝手が悪いことも原因になりえます。
離脱の起きている原因が判明すれば、ワークフローを改善したり商品の選定をやり直したりして克服可能です。
データ分析の末に、「こうすれば離脱を抑えられるのではないか」と仮説を立てられたなら、すぐに実践しましょう。
大きな取り組みでなくてもかまわないので、できるところから改善していきます。
もしも芳しい反響がなかったとしても、反省点を生かして次につなげられます。
このように、実行と反省を繰り返しながら成功へと至る流れが「PDCAサイクル」です。
PDCAサイクルを回し、通販サイトを成長させましょう。
【事例付き】SNSを活用してファンをつくる
リピート率向上には、ファンを増やすことも重要です。
サイトや店舗に愛着を持った顧客が生まれると、他社に乗り換えようという発想がなくなります。
また、企業が発信する情報を真剣に受け取ってくれるので、購入意欲を高く保ってくれます。
さらに自主的に情報を拡散させたり、知り合いに商品を紹介したりしてくれることもあるのです。
顧客をファンに変えていくためには、ネットショップや店舗以外での立ち振る舞いが大事です。
大きな接点として、SNSが挙げられます。
顧客とのコミュニケーションを密にして、信頼関係を築いていきましょう。
ビジネスで活用できるSNSはFacebook、Twitter、Instagram、Line@などです。
ただし、それぞれユーザー層や運用方法が異なります。
Facebookはテキスト情報と写真を同時に投稿できるものの、頻繁に更新ができません。
Twitterは手軽に更新できる一方で、テキスト情報が限られてしまいます。
Instagramなら若者層からの注目度が高いなど、それぞれの特徴を踏まえて自社に合ったSNSを選ぶことが肝心です。
ECサイトの『北欧、暮らしの道具店 』であれば、FacebookやLINE@を中心に活用してきました。
特に、新着情報をリアルタイムで配信する、ニュースサイトのような使い方で効果を発揮しています。
そのうえで、自社サイトへと導くツールとして利益に貢献しています。
全体的に「いいね」の数も多く、顧客にとって有益なコンテンツが配信されているといえるでしょう。
さらに、自社サイトだけでなく、オウンドメディアへの誘導ツールとしてもSNSは活用されています。
オウンドメディアでは、自社商品についてより詳細な情報を掲載できます。
読者を増やすほど、リピーㇳ率を高めやすくなるのがメリットです。
すなわち、時間のある読者なら自宅や移動中にオウンドメディアをのぞいてもらい、忙しい読者にはSNSで働きかけるという仕組みが成立します。
ユーザーの状況に応じてSNSやメディアを使い分けるのも、ファンを作るためには必要な考え方です。
まとめ:リピート率とリピーター率の区別をつけて正確に分析しよう
改めて、本記事の内容をまとめます。
・リピート率とは、一定期間に訪れた新規の全顧客数でリピーターになった割
・リピート率の平均は、健康食品・化粧品が50%、アパレルが35%、高額家電が25%
・リピート率を上げるには、特典の付与やデータ分析などが有効
売上を大きく伸ばすなら、新規顧客を集めるだけでなく、リピーターを増やすことが必須となります。
ぜひ本記事で紹介したデータ分析や施策などを参考に、リピーター獲得を目指してみてください。
なお、下記の無料の資料では持続的に集客数を伸ばすECサイト集客方法12選を徹底解説します。
また、そもそも集客数が向上しない原因や対策、集客数最大化に成功している事例などを合わせてご紹介します。
集客数を増加させて、EC事業の拡大を検討している方は、ぜひこの機会にご覧ください。