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モール型ECサイトの自社構築方法とは?成功ポイント・費用・成功事例まで解説

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近年、EC市場の拡大とともに、楽天やAmazonのような「モール型ECサイト」を自社で構築・運営する企業が増加しています。業界特化のマーケットプレイス立ち上げ、グループ会社・取引先のオンライン一元管理、外部モールへの依存脱却など、自社モール構築はさまざまな経営課題を解決する手段として注目を集めています。

「建材や資材を扱う取引先をオンライン化して受発注を効率化したい」
「グループブランドや協力会社を一つのプラットフォームに集約したい」
「業界特化のマーケットプレイスを立ち上げ、プラットフォーマーとして収益化したい」
など、モール型ECサイトの構築背景は企業によってさまざまです。

一方で、構築方法(SaaS・パッケージ・スクラッチ)、初期費用と運用コストの把握、テナント管理・決済・受発注などの整理が必要ですが、他にも構築前に整理すべきことがあります。本記事では、モール型ECサイトの定義・仕組みから、構築方法の比較・費用の目安、導入フロー、失敗しないポイント、実際の構築事例まで網羅的に解説します。

さらには、自社に最適な構築方法の選び方から、モール型ECサイトの構築実績が豊富なW2のパッケージ活用事例まで、解説します。

この記事でわかること

楽天市場やAmazonのような既存のプラットフォームに出店するのではなく、複数の出店者(テナント)が集まるプラットフォームそのものを自社で一から設計・運営することを指します。自社がモール運営者として出店者を招致・管理し、ビジネスの「場」そのものを所有する形態です。

プラットフォームのルールに従う「出店者」になるか、ルールを自ら決める「運営者」になるかの違いです。既存モールへの出店は他社の規約やデザインルールに従う必要がありますが、自社構築であれば独自の収益モデルや運営ルールを自由に設計でき、顧客の購買・行動データも完全に自社で保有・活用することができます。

大きく、SaaS、パッケージ型、オープンソース型、フルスクラッチの4つのアプローチがあります。それぞれ初期費用(数万円〜数億円)や開発期間(1ヶ月〜数年)、カスタマイズ性の自由度が異なるため、自社のビジネスモデルや予算、要件の複雑さに応じて最適な手法を選択してください。

目次
  1. 01|モール型ECサイトとは何か
  2. 02|モール型ECサイトの3つの構造タイプ
  3. 03|モール型ECサイトを構築するメリット
  4. 04|モール型ECサイトに必要な機能
  5. 05|モール型ECサイトの構築方法4選
  6. 06|モール型ECサイトの構築フロー6ステップ
  7. 07|モール型ECサイトの構築を成功させるための重要なポイント
  8. 08|モール型ECサイトの構築事例
  9. 09|まとめ
  10. 10|モール型ECサイト構築に関するよくある質問

モール型ECサイトとは何か

モール型ECサイトとは、複数の出店者がひとつのプラットフォーム上に集合し、購入者が様々な店舗の商品を一箇所で比較・購入できるECの形態を指します。

一般的には楽天市場やAmazonといった既存プラットフォームに出店することが多いですが、モール型ECサイトの構築・運用とは、そのようなプラットフォームを自社で一から作り、運営していくことを意味します。

自社でモールを構築する場合、モール運営者・出店者・購入者という3つのステークホルダーが関係します。モール運営者が場を提供し、出店者が商品を販売し、購入者が複数店舗をまたいで買い物をする構造です。この三者の関係を自社のビジネス設計に組み込むことが、既存モールへの出店とは根本的に異なる点です。

自社モール構築における3つのステークホルダー(モール運営者・出店者・購入者)の関係図

既存モールへの出店と自社モール構築の違い

比較項目 既存モールへの出店(楽天・Amazon等) 自社モールの構築・運営
定義 第三者が運営するプラットフォームにテナントとして出店する 複数テナントが集まるプラットフォームを自社で設計・運営する
出店者との関係 自社がテナントとしてモール運営者に従う立場 自社がモール運営者として出店者を招致・管理する立場
代表例 楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング 大東建託の社内調達モール、デリキチ「おかいもの」
初期投資 低〜中(出店費用・月額利用料) 中〜高(システム開発・インフラ構築費)
収益モデル 商品販売による売上(出店料・手数料を差し引いた利益) 出店料・販売手数料・会員費などモール運営による収益
ブランド表現の自由度 プラットフォームのデザインルールに縛られる UI/UX・ブランドトーンを自社で自由に設計できる
データの帰属 顧客データはプラットフォーム側に帰属。利用に制限あり 購買・行動データを完全に自社で保有・活用できる

自社でモールを構築することは、単なるEC強化ではなく、ビジネスの「場」そのものを所有することを意味します。初期投資は大きくなりますが、長期的にはデータ資産、エコシステム、収益モデルの観点から、多くの企業にとって戦略的な選択肢となっています。

モール型ECサイトの3つの構造タイプ

モール型ECには、運営方針やビジネスモデルに応じて3つの代表的な構造タイプがあります。自社モールを設計する際は、どのタイプが自社のビジネスに最も合うかを最初に判断することが重要です。

テナント型

モール型ECサイトの仕組み(テナント型)の構成図

テナント型は、各出店者が独自の店舗ページを持ち、商品説明・デザイン・接客方針を自由に設定できる構造です。楽天市場がその代表例で、ユーザーはモール全体を回遊しながら、各店舗のページで商品を購入します。出店者の個性やブランドが前面に出るため、リピート購入や店舗ファンの育成に強みを発揮します。自社モールとしてこのタイプを採用する場合は、出店者ごとの管理画面・店舗デザイン機能・個別の受注管理が必要になります。

マーケットプレイス型

モール型ECサイトの仕組み(マーケットプレイス型)の構成図

マーケットプレイス型は、出店者が商品情報のみを登録し、注文処理・配送・顧客対応をモール側が一元管理する構造です。Amazonがその代表例です。ユーザーから見ると「商品単位」で選ぶ体験になるため、同一商品に複数の出品者が集まることもあります。モール運営者が品質・UXを統一しやすく、スケールしやすい反面、出店者の個性は出にくい構造です。自社でこのタイプを構築する場合、フルフィルメント管理やサプライヤー認定フローの設計が鍵になります。

マルチブランド統合管理型

モール型ECサイトの仕組み(統合管理型)の構成図

マルチブランド統合管理型は、複数のブランドや事業部を一つのプラットフォームに統合し、ユーザーには一つのモールとして見せる構造です。グループ企業が各ブランドを横断して販売したり、特定業界(不動産・食品・建材など)の複数サプライヤーを集約したりするケースで採用されます。バックエンドでは事業ごとに独立した在庫・受注・精算を管理しながら、フロントエンドはシームレスな体験を提供します。

モール型ECサイトを構築するメリット

自社でモール型ECを構築することには、既存モールに出店するだけでは得られないメリットがあります。主なメリットは以下の4つです。

  • エコシステムを設計できる
  • 収益モデルや運営ルールを自由にコントロールできる
  • 顧客・出店者のデータを自社で保有できる
  • 業界特化による競争優位を得られる

    エコシステムを設計できる

    自社モールを持つことで出店者・パートナー・購入者との継続的な関係をプラットフォームとして設計できます。単発の取引にとどまらず、出店者の売上データや購入者の行動データをもとにモール全体を改善し続けることが可能です。

    出店者にとっても「このモールに出店し続けることで得られる価値」が明確になれば、長期的な関係構築につながります。自社の業界やコミュニティに根ざしたエコシステムを育てることが、競争優位の源泉になります。

    収益モデルや運営ルールを自由にコントロールできる

    既存の大型モールへ出店・出品する場合、手数料率や決済手段、配送ルールなどはプラットフォーム側の規約に従うしかありません。

    しかし、自社でモール型ECを構築すれば、出店者から徴収する手数料率(固定・従量など)や広告枠の設置、独自のポイントプログラムなどを自社の事業戦略に合わせて自由に設計することができます。他社のプラットフォームに依存せず、市場の状況や自社の目的に応じて、最も収益最大化につながるビジネスモデルや運営ルールを自社主導で決定できる点が大きなメリットです。

    顧客・出店者のデータを自社で保有できる

    既存モールへの出店では、顧客の購買データや行動データはプラットフォーム側に帰属します。

    一方、自社で構築したモール型サイトであれば、誰がいつ何を購入し、どの出店者をどのくらい回遊したかというデータを自社で保有・分析できます。このデータは、パーソナライズドレコメンド・マーケティング施策・商品ラインナップの最適化など、事業成長のあらゆる局面で活用できます。データ資産の蓄積は、モール運営が長くなるほど競争優位として機能します。

    業界特化による競争優位を得られる

    汎用的な大型モールでは対応しきれない業界固有のニーズに特化したモールを構築することで、高い参入障壁を作れます。不動産・建材・医療・食品・官公庁など、業界特有の取引慣行・商品規格・法規制に対応したモールは、その業界内で圧倒的な存在感を持ちます。汎用モールとの差別化として、業界特有の機能(見積もり連携・ロット管理・納期指定など)を実装することが有効です。

    モール型ECサイトの構築を検討する際は、プラットフォーム選定の知識も合わせて参照することをお勧めします。

    以下の記事では、自社の要件に合ったシステムを選ぶための観点が整理されており、本記事と合わせてお読みいただくと理解が深まります。ぜひ合わせてご覧ください。

    関連記事:ECプラットフォームとは?種類別の特徴とおすすめ13選を比較

    モール型ECサイトに必要な機能

    自社でモール型ECを構築する際は、単体のECサイトとは異なる多様な機能が必要になります。主な機能と役割は以下の通りです。

    必要機能  概要
    出店者管理 出店申請から審査、登録までを一元管理し、モールの品質を保つ機能。
    売上精算・手数料管理 テナントごとの売上から手数料を自動計算し、精算レポートを生成する機能。
    会員・権限管理 運営者やテナントごとに閲覧・操作できるデータを制限し、安全に運営する機能。
    商品・在庫管理 テナントが独立して商品・在庫を管理し、運営者が全体を統括する機能。
    決済システム連携 複数テナントの同時購入時の分割決済や、多様な決済手段に対応する機能。
    基幹システム連携 ERPやWMSなどの外部システムと受注・在庫・売上データを自動連携する機能。
    モール内検索機能 キーワードやカテゴリ、出店者絞り込みなどで目的の商品を素早く探す機能。
    ポイント・クーポン管理 モール共通、またはテナント独自のリピート施策(販促)を管理する機能。
    セキュリティ 不正注文検知や個人情報暗号化など、多層的なリスクからモールを守る機能。

    出店者管理

    出店者の申請受付から審査、テナント登録、契約管理、オンボーディングまでを一元管理する機能です。

    モール運営者は出店者の品質管理に責任を持つため、審査フローを設計してプラットフォームのブランド・品質を保つ仕組みが必要です。出店者数が増えるほど管理工数が増えるため、申請フォームの自動化・ステータス管理・通知機能などを備えた専用の管理機能が求められます。

    売上精算・手数料管理

    各テナントの売上に対して、出店料や販売手数料を自動計算し、精算処理を行う機能です。

    モール運営者の主要な収益源となる部分であり、手動計算では規模が拡大したときに対応しきれなくなります。テナントごとに異なる手数料レートを設定できる柔軟性や、月次精算レポートの自動生成機能があると、運営負荷を大幅に削減できます。

    会員・権限管理

    モール型ECサイトでは、管理者・テナント管理者・テナントユーザー・購入会員という複数の権限レベルを正確に管理する必要があります。

    各権限に応じて「見られる画面」「操作できる機能」「アクセスできるデータ」を厳密に制御することが、セキュリティとオペレーションの両面で不可欠です。テナント管理者は自社の商品・注文のみを管理でき、他テナントのデータにはアクセスできない設計が原則となります。この多層権限設計を最初から適切に実装しないと、後から修正するコストが大きくなります。

    商品・在庫管理

    各テナントが独立して商品登録・価格設定・在庫数の管理を行える機能が必要です。テナントごとに管理画面が分離されており、自社商品のみを管理できる設計が基本です。

    モール運営者側では、全テナントの商品を横断的に確認・カテゴリ管理できるマスター管理機能も求められます。商品数・SKU数が多い場合は、CSV一括登録や外部システムとの在庫同期機能も重要になります。

    決済システム連携

    クレジットカード・コンビニ払い・後払い・電子マネーなど、複数の決済手段に対応するための連携機能です。決済代行サービスとの連携は必須であり、PCI DSSへの準拠や不正注文検知機能などのセキュリティ対策も合わせて求められます。

    モール型ECサイトでは、1回の注文に複数テナントの商品が含まれるケースも発生するため、注文の分割決済・精算ロジックを正確に設計することが重要です。

    基幹システム連携

    ERP(基幹業務システム)・WMS(倉庫管理システム)・会計システムとのデータ連携は、業務規模が大きくなるほど必要になります。

    受注データ・在庫データ・売上データを手動で転記していると、ミスや遅延が生じるため、APIやバッチ連携による自動化が求められます。特に既存の基幹システムを持つ企業がモール型ECサイトを構築する場合、この連携設計がシステム全体の複雑性を大きく左右します。

    モール内検索機能

    購入者がモール内で商品を素早く見つけられるよう、キーワード検索・カテゴリ絞り込み・価格帯フィルター・出店者絞り込みなどの検索機能が必要です。検索精度がユーザー体験と転換率に直結するため、検索エンジンの導入や、検索ログをもとにした改善サイクルの設計も重要です。

    ポイント・クーポン管理

    購入者の継続利用を促すために、ポイント付与・利用・有効期限管理や、クーポンの発行・配布・利用条件設定といった機能が求められます。

    テナントごとにポイント・クーポンを設定できるか、モール共通のポイントとして運用するかは、ビジネスモデルに応じて設計します。

    セキュリティ

    不正注文の検知・個人情報の暗号化・不正ログイン対策・脆弱性スキャンなど、複合的なセキュリティ対策が必要です。

    モール型ECサイトは関係するユーザー数・テナント数が多いため、一つのセキュリティインシデントが広範囲に影響します。個人情報保護法・割賦販売法への対応も含め、セキュリティは後付けではなく設計段階から組み込む必要があります。

    モール型ECサイトの構築方法4選

    自社でモール型ECサイトを構築する方法は、大きく4つのアプローチに分かれます。初期費用・開発期間・カスタマイズ性の観点から、各アプローチの選択基準は以下の通りです。

    比較項目 SaaS/クラウド型 パッケージ型 OSS型 フルスクラッチ
    初期費用 数万〜数十万円 200万〜3,000万円 100万〜1,000万円 数千万〜数億円
    月額費用 数千円〜数十万円 数千円〜数十万円 数万円〜 高額(要見積)
    カスタマイズ性 低〜中 中〜高 中~高
    開発期間 1〜3ヶ月 3〜6ヶ月 3〜6ヶ月 6ヶ月〜数年
    向いている規模 中小 中小〜中規模 中小〜中規模 中規模〜大規模
    代表ツール Shopify Plus

    W2 Commerce

    Magento Commerce

    W2 Commerce

    EC-CUBE

    Woo Commerce

    EC Being

    独自開発

    SaaS型

    クラウド上で提供されるECモール構築サービスをサブスクリプションで利用する方法です。インフラ管理・アップデートはベンダー側が担う点が特徴で、既存で構築されたシステムを利用するため、短期間(1〜3ヶ月程度)での立ち上げが可能です。

    ただし、カスタマイズの自由度は低〜中程度にとどまり、独自の業務フローや特殊な要件には対応しにくい面があります。スモールスタートでまずモール運営を試したい企業やコストをかけずにECビジネスを始めたい企業に向いています。

    パッケージ型

    既に開発されたEC用のソフトウェアを購入し、自社の要件に合わせてカスタマイズして導入する方法です。パッケージには基本的なモール機能が備わっているため、ゼロから開発するより開発期間と費用を抑えられます。

    初期費用は数十万〜数百万円程度で、これに加えてサーバー費用・カスタマイズ開発費・保守費が発生します。カスタマイズ性は中〜高程度で、開発期間は6ヶ月前後が目安です。既存パッケージの機能範囲でビジネスが設計できる場合、フルスクラッチより大幅にコストと期間を抑えることができます。

    オープンソース型

    オープンソースのECソフトウェアを活用し、自社環境で構築する方法です。ライセンスコストはかからないものの、開発・カスタマイズ・インフラ構築に100万〜1,000万円程度の費用がかかります。

    コミュニティや拡張プラグインが充実しており、日本の商習慣(コンビニ払い・後払い等)への対応もしやすい点が利点である一方、カスタマイズには一定のエンジニアリソースが必要です。継続的なセキュリティアップデートや運用保守も自社で対応する必要があり、エンジニアリソースを持つ企業や、柔軟な拡張が必要なケースに向いています。

    フルスクラッチ

    既存のパッケージやオープンソースを使わず、ゼロから独自に開発する方法です。高いカスタマイズ性を持ち、業界特化の複雑な要件にも対応できますが、初期費用は数千万〜数億円、開発期間は6ヶ月〜数年以上になります。

    ランニングコストも高額になりやすく、継続的な開発チームが必要です。大規模な取引量・複雑なビジネスロジック・既存システムとの深い統合が求められる企業に向いています。

    モール型ECサイトの構築フロー6ステップ

    モール型ECサイトの構築は、以下の6つのステップで進めることが基本となります。各ステップでの判断・作業の品質が、最終的なモールの完成度と運用安定性に直結します。

    全体の流れは下図をご参照ください。

    戦略を実現するモール型EC構築の6つのステップとタイムライン

    ステップ1:要件定義

    ビジネスモデル・出店者要件・機能要件を明確化するフェーズです。「どのような出店者に参加してもらうか」「購入者にどのような体験を提供するか」「収益モデルは出店料か手数料か会員費か」という根本的な問いに答える必要があります。

    要件定義が曖昧なまま開発に進むと、後から仕様変更が頻発し、費用・期間が大幅に膨らむリスクがあります。業界特化型の場合は、その業界固有の商取引ルール(見積もり対応・ロット管理・後払い慣行など)も要件として落とし込む必要があります。

    以下の記事ではECベンダーである弊社が要件定義の進め方について詳しく解説しています。ECサイトの構築を検討している方は合わせてご覧ください。

    関連記事:ECサイト構築の要件定義の進め方!コンセプトや機能選定で失敗しないポイント

    なお、モール型ECサイトの構築には、システム開発だけでなく、コンサルティング、マーケティング、物流、決済など複数の領域でのパートナー連携が必要です。どのパートナーと何をすべきかについては、以下の資料で詳しく解説されています。ぜひ合わせてご覧ください。

    資料画像
       
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    ステップ2:システム選定

    要件定義の内容をもとに、SaaS・パッケージ・OSS・フルスクラッチのどの方式が最適かを判断するフェーズです。要件の複雑さ・予算・開発リソース・開発期間・将来のスケーラビリティを総合的に評価します。

    既製品の機能で7〜8割の要件を満たせるならパッケージ型、完全なカスタマイズが必要ならフルスクラッチというように、過不足なく選ぶことが重要です。複数のベンダーにRFP(提案依頼書)を出し、比較評価することを推奨します。

    RFPの書き方にお困りの方は以下の記事を合わせてご覧ください。

    関連記事:RFPとは?ECサイトに必要な3つの理由と失敗しないポイントを解説

    ステップ3:設計・開発

    システム選定後、UI/UX設計・テナント管理画面設計・基幹システムとの連携設計・データベース設計を行い、開発を進めるフェーズです。購入者向けのフロントエンド・テナント向けの管理画面・モール運営者向けの全体管理画面という3層の設計が必要です。

    にテナント管理画面の使いやすさは、出店者のオペレーション効率と満足度に直結するため、UXテストを交えながら設計を進めることが推奨されます。

    なお、基幹連携はAPIの仕様確定に時間がかかることが多いため、早期にベンダー間の調整を始めることが重要です。

    ステップ4:テナント招致・オンボーディング

    システム開発と並行して、出店者の募集・審査・入会手続き・管理画面の使い方研修などのオンボーディングプロセスを設計・実施するフェーズです。

    リリース時点でどの程度のテナントが揃っているかが、モール開始後のユーザー体験を大きく左右します。出店者向けのマニュアル・サポート窓口・FAQを整備しておくことで、開始後の問い合わせ対応の負荷を軽減できます。

    ステップ5:テスト・品質保証

    決済フロー・権限制御・注文管理・精算処理・外部システム連携など、多岐にわたる機能を体系的にテストするフェーズです。

    単体テスト・結合テスト・負荷テスト・セキュリティテストをそれぞれ実施します。特に権限管理のテストは重要で、テナントAの管理者がテナントBのデータにアクセスできないか、購入者が管理画面にアクセスできないかなど、境界条件を徹底的に検証します。決済に関わるテストは本番同等の環境で実施することが原則です。

    ステップ6:リリース・運用

    リリース後は、アクセス状況・注文数・エラー率・テナントの問い合わせ件数などをモニタリングし、継続的な改善を行うフェーズです。初期リリースは段階的に(クローズドβ→限定公開→全体公開)進めることで、問題を早期に発見できます。出店者サポートの体制を整備し、定期的なフィードバック収集と機能改善のサイクルを回し続けることが、モールの長期的な成長に不可欠です。

    モール型ECサイトの構築を成功させるための重要なポイント

    モール型ECサイトの構築は、単体ECサイトよりも複雑な要素が絡み合うため、重要なポイントを押さえておかないと後から大きなコスト・トラブルが発生します。現場の失敗事例から見えてきた重要なポイントは以下の通りです。

    • 要件定義を曖昧にしない
    • 成長に耐えられる設計にしておく
    • 出店者が自律的に運営できる設計にする
    • セキュリティをシステムの土台として組み込む

    要件定義を曖昧にしない

    モール型ECサイトの構築にあたって最初にやるべきことは、「誰が」「何をする」のかを明確にすることです。出店者がどのレベルで商品を管理したいのか、購入者がどのような流れで買い物をするのか、モール運営者がどんなデータを見たいのか—こうした要件を開発前に書き出して、関係者で合意しておくことが不可欠です。

    ワイヤーフレーム(画面設計図)や業務フロー図を用いて、ビジュアルで合意を取ることが有効です。

    成長に耐えられる設計にしておく

    リリース当初は出店者が5社かもしれませんが、1年後に50社、3年後に200社になる可能性があります。そうなった時に「システムが遅くなった」「止まった」というトラブルを避けるために、最初から拡張を前提とした設計をしておく必要があります。

    データベースやサーバーのアーキテクチャを柔軟に拡張できる設計にしておけば、後から大規模な改修をせずに済みます。クラウドの自動スケーリング機能を活用することも効果的です。

    出店者が自律的に運営できる設計にする

    モール運営者が出店者の代わりに商品登録や在庫更新をしていると、テナント数が増えるにつれて運営負荷が増えていきます。そのため、出店者が自分自身で管理画面を操作できるように、シンプルで使いやすいUIを用意することが大切です。

    同時に、操作マニュアルやFAQ、動画チュートリアルなどで出店者がセルフサービスで問題を解決できる環境を整えることで、モールが成長しても運営が回る体制が実現します。

    セキュリティはシステムの土台として組み込む

    モール型ECサイトは複数のテナントと購入者のデータを扱うため、セキュリティトラブルが発生するとその影響は非常に大きくなります。一度信頼を失うと、取り戻すのに膨大なコストと時間がかかります。

    開発の終盤になってからセキュリティ対策を追加しようとしても手遅れです。認証・暗号化・不正検知などを、最初のシステム設計の段階から組み込むことが原則です。特に決済に関わる部分は、PCI DSSという国際的なセキュリティ基準に対応した設計が求められます。

    セキュリティ設計に関して詳しく知りたい方は、以下の解説記事をご参照ください。

    関連記事:ECサイトのセキュリティ対策!セキュリティ事故の種類と対処法を解説

    また、基幹システム連携の失敗事例と成功のポイントについては、W2のERP・EC基幹連携に関する記事が参考になります。ERP・WMS・会計システムとの連携設計を検討している方はぜひご覧ください。

    関連記事:ERP連携できるECシステム7選|基幹システム連携のメリット・選び方・導入事例

    モール型ECサイトの構築事例

    弊社、W2株式会社はモール型ECサイトの構築支援において、業界を問わず豊富な実績を持っています。ここでは代表的な2つの事例を紹介します。

    大東建託:社員・関係者向け業界特化型ECモール

    大東建託のクローズドモール型ECサイト「すまちく建材店」の紹介イメージ

    引用:大東建託|すまちく建材店

    大東建託株式会社は、日本を代表する大手住宅メーカー・不動産会社です。同社はW2の支援のもと、社員および関係者向けの業界特化型ECモールを構築しました。複数のテナント(サプライヤー・関係会社)が一つのプラットフォーム上に集まり、社員が業務に必要な物品や資材を効率的に調達できる環境を整備しています。

    大東建託「すまちく建材店」ECサイトリニューアル前後の業務フロー比較図

    当サイトの特徴は、不動産・建設業界の業務フローに即した専用設計にあります。汎用のECモールでは対応しにくい業界特有の発注フローや承認プロセスをシステムに組み込み、社員の利便性と運営効率を両立させました。購買データを完全に自社で保有できるため、調達コストの分析や取引先との関係最適化にも活用できる体制が整っています。

    また、複数のテナントを一つのプラットフォームで管理する構造により、モール運営者の管理負担を最小化しながら、モールサイトの成長に対応した運営が実現しています

    関連記事:大東建託の事例詳細はこちら

    デリキチ「おかいもの」:会員優待型モールECのOEMプラットフォーム

    「デリキチ」のロゴとキャラクターイラスト

    引用:U-MX 公式サイト

    デリキチが運営する「おかいもの」は、USENの回線契約者向けのお買物優待サイトです。複数のショップが集まるモール型ECサイトとして設計されており、W2のプラットフォームを基盤として構築されています。

    USENが回線契約時にサービスを紹介する仕組みにより、多数の会員を獲得しています。会員は月500円の会費を支払うことでサービスを利用でき、クーポン配布・特別価格での購入といった優待が受けられる設計です。購入者にとってお得な体験を提供しながら、月次の安定的な会費収入でモール運営を支える収益モデルが確立されています。

    管理体制において、出店者に対しては独自の管理画面を発行し、その他の出店者はデリキチが運用を担当するという2管理画面体制を採用しています。出店者の規模・ニーズに応じて柔軟に運用方法を使い分けられる設計が、複数テナントを抱えるモール運営の最適解となっています。さらに、同サービスのプラットフォームをOEM提供することで、同様のモール型ECサイトを他社に展開するビジネスモデルも実現しています。

    まとめ

    本記事では、自社でモール型ECサイトを構築することについて、定義から構築方法・費用・事例まで網羅的に解説しました。

    モール型ECサイトの「構築」とは、既存モールへの出店ではなく、プラットフォームそのものを自社で設計・運営することを指します。自社モールを構築すれば、顧客データの保有や業界特化による差別化に加え、収益モデルや運営ルールを自由にコントロールできる点が大きなメリットです。

    これらのメリットを最大化するには、自社のビジネスモデルに合わせた最適な構築手法を選び、モール特有の複雑な機能を設計段階から入念に計画することが欠かせません。

    モール型ECサイトの構築をご検討の際は、多様な業界での支援実績を持つW2株式会社もぜひ選択肢の一つとして検討してみてください。

    W2 Commerce

    W2 Commerceは、BtoC・定期販売・BtoB・海外ECなど複数の事業形態に対応したコマースプラットフォームです。AIを組み込んだ1,000以上の機能が標準搭載され、さらに、自由に追加できる拡張プラグイン群により、高度なコマース戦略と運用を実現します。大規模なカスタマイズにも対応できるため、事業フェーズに合わせた柔軟な拡張が可能です。

    モール型ECサイト構築に関するよくある質問

    Q. モール型ECサイトを自社構築する際、パッケージ型を選ぶメリットは何ですか?

    A. パッケージ型は、モール運営に必要な基本機能(テナント管理や売上精算など)が最初から備わっているため、ゼロから開発するフルスクラッチに比べて費用と開発期間を大幅に抑えられる点がメリットです。さらに、SaaSよりもカスタマイズ性が高いため、業界特有の商習慣や独自の業務フローにも柔軟に対応でき、コストパフォーマンスと拡張性のバランスに優れています。

    Q. 1回の注文で複数のテナントの商品が買われた場合、システム側ではどのような処理が必要ですか?

    A. 購入者に対しては一度の決済でシームレスに買い物を完了させつつ、バックエンドでは「決済の分割処理」と「テナントごとの自動精算ロジック」が必要になります。具体的には、注文データをテナントごとに自動で分割して各社に受注通知を送り、モール運営者が設定した手数料レートに基づいてテナントごとの売上・手数料を自動計算する仕組みが求められます。

    Q. モール型ECサイトの構築を成功させるために、開発前(要件定義)で最も重要なことは何ですか?

    A. モール運営者、出店者(テナント)、購入者の三者それぞれの業務フローと権限(見られる画面・操作できる機能)を明確に定義し、合意形成しておくことです。特にテナント管理画面の操作性や、他テナントのデータにアクセスできないようなセキュリティ設計を初期段階からビジュアル(画面設計図など)で詰めておくことが、開発後の仕様変更やトラブルを防ぐ最大のポイントになります。

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