
ECサイト(通販サイト)を立ち上げるにあたり、必須となるのが「カートシステム」です。
とはいえ、ECカートシステムの製品比較をしたい企業の方であれば
- カートシステムにはどんな種類があるの?
- 有料と無料のカートシステムで何が違うの?
- おすすめのカートシステムは?
- それぞれの特徴や選び方を知りたい
と考えていらっしゃるのではないでしょうか。
自社にとって最適なカートシステムを選ばないと、思うような成果を得るのは難しいです。
そこで本記事では、カートシステムの基礎知識や重要性をはじめ、カートシステムの比較や、選び方などを紹介します。
なお、「ECをスタートする前に知っておくべきこと5選」では、カートシステム選びで失敗しないためのポイントをまとめています。
EC立ち上げでつまづかないためにも、ぜひ資料を無料ダウンロードして参考にしてください。
ECサイト構築に必須の「カートシステム」とは
そもそも「カートシステム(別名、ショッピングカート)」とは、ECサイトで注文を処理するためのサービスやソフトウェアのことです。
ECサイトに訪問したユーザーが商品を買い物カゴに入れ、レジ画面で決済を完了するまでの「商品購入に関する一連の処理」を担っています。
Amazonや楽天市場など、ネット上のショッピングモールに出店する形(モール型)であれば、すでにカートシステムは用意されているので大きな準備は必要ありません。
ですが、ECサイトを独自に立ち上げる場合は、自社とマッチしたカートシステムはどれかをしっかり検討する必要があります。
その理由について、次で詳しく見ていきましょう。
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ECカートシステムが重要な理由
自社ECサイトを立ち上げるにあたり、EC事業を成功させるために、どのカートシステムを選ぶかは非常に重要です。
なぜなら、多くのカートシステムは買い物カゴとレジの他にも、ECサイト運営に役立つ機能や特徴を備えているからです。
例えば、カートシステムによっては
- 定期購入向け
- 食品EC向け
のように、ある分野に特化して機能を充実させているものがあります。
そのようなカートシステムを選ぶと、顧客の細かいニーズに対応しやすく、事業者も業務の効率化を図れます。
一方で、自社とマッチしないカートシステムを選んでしまうと、やりたい施策ができずに機会損失をしたり、思うように効率化ができなかったりします。
このように、カートシステムはECサイトを運用する上で重要な役割を担っているのです。
そのため、カートシステムを選ぶ際には、各機能の内容や必要性をよく理解したうえで比較・検討する必要があります。
無料と有料ECカートシステムの違い
ECカートシステムとその重要性については、分かったかと思います。
では、有料カートシステムと無料カートシステムで、一体何が違うのか?について、
それぞれのメリット・デメリットを含めて解説していきます。
無料カートシステム
無料のECカートシステムには、代表的なBASE(ベイス)やSTORES(ストアーズ)を始め、多数存在しています。無料ECカートシステムのメリットはたくさんありますが、大きく以下の3つが挙げられます。
- ノーリスクでECサイトを立ち上げられる
- 初心者にも操作しやすい
- スピーディーにサイト作成ができる
無料ECカートシステムのメリットは、やはりお金をかけず、簡単にECサイトが作れることです。売れた分だけサービス利用料と決済手数料が発生するため、ノーリスクでECサイトを立ち上げることができます。
また操作性にも優れているため、パソコンの操作が得意でない初心者の人にも使いやすい仕様になっています。数種類のテンプレートが用意されているため、HTMLの知識が無くてもデザイン構築が可能になっています。
このように無料ECカートシステムには、魅力的なメリットがたくさんありますが、デメリットもあります。デメリットは以下3つが挙げられます。
・販売・決済手数料が高い
・デザインの自由度が低い
・機能性が低く、一定値から売り上げ向上が難しい
無料でECサイトを始められる一方、販売手数料と決済手数料の料率が割高に設定されています。無料ECカートシステムでは、決済手数料はおよそ4~5%となっており、加えて、販売手数料が別途必要になるため、一定の売上があるEC事業者には利益額が、少なくなってしまいます。
また、簡単にECサイトを作れる一方、デザインの自由度は低く、カスタマイズしづらい仕様になっています。
そして、一番のデメリットは、「機能性が低い」ことです。
販促機能や顧客育成、データ分析や売上・集客UPのための機能が有料カートシステムと比べて不足しているため、無料ECカートシステムで売上を上げ続けることは難しいです。
有料カートシステム
では有料カートシステムはどうでしょうか。
無料カートシステムと比べて、有料カートシステムのメリットは、以下3つが挙げられます。
- 売上を上げるための機能が充実している
- デザインを柔軟に変更できる
- サポートが手厚い
有料カートシステムは、無料カートシステムと比較して、機能数が多く、できる施策の幅が広がります。
集客・売上アップ、CVR改善や、業務効率化、顧客一元管理などさまざまな施策を打つことができるため、売上も無料カートシステムと比較して伸ばしやすいです。
また、何か分からないことがあればカスタマーサポートに電話相談もできるため、
サポート体制は手厚くなっています。
それに対して、デメリットはやはり「初期・月額費用」がかかってしまうことです。
ただ、ECカートシステム会社の多くは、数パターンの料金プランが用意されているため、
事業規模に合わせて、選ぶことができます。
総じて、「とりあえずECサイトを始めたい」「趣味や副業でECを利用したい」という方は、無料ECカートシステムをオススメします。
それに対して、「本格的にEC事業を行う」「月商数百万円以上を目指している」という企業には、有料カートシステムをオススメします。
定期通販型カートシステムについて徹底解説
ここまで有料と無料のカートシステムの違いについて解説しました。
また、EC事業を成功させるために、カートシステムは重要であることは分かったと思います。
ここからは、定期通販型カートシステムの特徴や、通常のカートシステムとの違いについて解説していきます。
定期通販型カートシステムとは
定期通販型カートシステムとは、文字通り定期販売に特化したカートシステムです。
売り切り型のビジネスとは違い、定期通販では基本的に定期購入の契約を結ぶため、いかに継続的に商品を購入してもらえるかが重要になってきます。
そのため、定期通販型カートシステムには、定期発送や決済などリピートを生み出すことに特化した機能が搭載されています。
また、定期購入はお客様側にも以下のようなメリットがあります。
・再度注文しなくてもよい
・お得に購入できる
・指定した期間で商品が届く
・クレジットカードで決済することで、支払いも自動で完結
毎回、同じネットショップで注文するのが面倒だと感じている人は意外と多く、そのようなお客様にとっては、分かりやすいメリットになっています。
定期通販カートシステムを使うメリット
定期通販ビジネスは、先ほども言った通り、いかに継続的に商品を購入してもらえるか、
つまりLTV(生涯顧客価値) が重要になってきます。
定期通販型カートシステムには、LTVを向上させるための機能が多く搭載されています。
例えば、下記の機能は定期通販ビジネスを行う上で必ず必要になってきます。
・アップセル/クロスセル機能
お試し商品から本製品へアップセルを行うことで、定期引き上げを狙えたり、クロスセルで、別の商品も一緒に購入してもらうことで、1回あたりの購入単価をあげることができます。
・ステップメール機能
お試し商品を購入してもらった方に、自動で定期引き上げをアプローチするメールを配信することが可能です。また、商品の使用例など、用意したコンテンツを配信することで、LTV向上も図れます。
・商品同梱機能
商品と一緒に、チラシやカタログを同梱することで、アップセルやクロスセルも狙うことが可能です。
・分析機能
顧客の属性、購入回数などの分析や、広告媒体別で分析を行うことで、どのような顧客に何の商品が売れているのかわかり、また、どの広告から商品を購入しているのかなど詳細を確認することが可能です。
このような機能が搭載されているため、定期通販型カートシステムを使うということは、通常のカートシステムと比べて定期通販型ビジネスを行うにあたって大きなメリットになります。
定期通販に向いている商材
定期通販に向いている商品は下記の特徴があります。
・日常的に消費する商品
・人の悩みに関連している商品
例えば、健康やアンチエイジング、老化を防ぐことができる健康食品、美容・コスメなどが該当します。
「心配なこと」「面倒なこと」「不便さ」これらを解決する商品が、定期通販に向いています。
カートシステムの主な基本機能や仕組み
実際、カートシステムにはどのような機能を備えているのか見ていきましょう。
カートシステムは主に
- バックオフィス機能
- フロント機能
の2つを搭載しています。
以下、詳しく紹介します。
バックオフィス機能
バックオフィス機能とは、ECサイトを運営・管理するのに必要な機能全般のことです。
具体的には、以下のような機能があります。
- 受注管理
- 商品管理
- 顧客管理
- 決済サービス
- 配送サービス
ECを運営する際には、さまざまな管理業務やデータ処理などが発生します。例えば、商品情報をサイトに登録したり、受注商品を出荷したりなど。
このような業務を効率化できなければ、日々の運用に時間をとられてしまい、売上アップの施策を考えたり、実行したりすることが難しいです。
実際、これらが原因で売上がなかなか伸びずに悩んでいる事業者も少なくありません。
そのため、「業務の効率化」という観点から、自社に必要なものがそろっているかをチェックすることは必須です。
フロント機能
フロント機能は、ECサイトで売上を伸ばす機能全般のことです。
具体的には、以下のような機能があります。
- 集客機能
- CRM機能
- 販促機能
- 分析機能
カートシステム本来の役割を考えると、バックオフィス機能があれば最低限十分ともいえます。しかし、売上アップを狙うなら上記のような機能も欠かせません。
例えば、受注情報をもとにユーザーに限定クーポンを発行したり、定期購入をしてもらうためにメルマガを発行したり。
- 新規ユーザーの獲得
- 成約率の向上
- リピーターの獲得
という観点から、必要な機能がそろっているかチェックしましょう。
自社ECサイトのカートシステムの種類・特徴
自社ECサイトのカートシステムを構築するには、主に4つの種類があります。
- ASP型
- オープンソース型
- パッケージ型
- フルスクラッチ型
それぞれの違いやメリット/デメリットなどの特徴を見ていきましょう。
ASP型
「ASP型」は、クラウド上で提供される共通のカートシステムを利用するものです。
初期費用や月額費用などのコストを比較的抑えやすく、導入・運用までをスピーディに行えるというメリットがあります。
また、すでにあるシステムをレンタルするため、サーバーやソフトの準備も必要ありません。
ただし、あくまで提供されたシステムをそのまま利用する形式のため、個別にカスタマイズすることが難しく、サイトとしての自由度は低めです。
オープンソース型
「オープンソース型」は、インターネット上に公開されているソースコードを基に、ECサイトの開発・構築ができるものです。
ソースコードは無料で公開されているため、初期費用を大幅に抑えることが可能です。また、自由にコーディングしてサイトをカスタマイズできるメリットもあります。
とはいえ、構築には専門スキルを持った高度な人材が不可欠であり、なにかトラブルが起きても自己責任で対応しなければなりません。
セキュリティリスクも比較的高いため、もし選ぶ際は十分なコストパフォーマンスを得られるかをしっかり検討しておくのがおすすめです。
パッケージ型
「パッケージ型」は、ECサイトに必要な機能が備わったパッケージソフトを購入し、自社にあわせて独自にカスタマイズするものです。
コストは比較的高めですが、搭載されている機能には、実績から得たノウハウを活かした機能が豊富で、より多くの売上拡大や業務効率化を図ることができます。
また、システムの拡張性も高く、施策にあわせて柔軟にサイトを改善することが可能です。
さらには、ベンダー(システム提供会社)によるサポートが充実している場合が多く、導入・運用の際に分からないことや困ったことが起きても安心です。
フルスクラッチ型
「フルスクラッチ型」は、カートシステムといったECサイトに必要な機能をゼロから作るものです。
独自の基幹システムと連携できたり、カスタマイズ性が非常に高かったり、最も自由度の高いECサイトを構築できます。
一方で、要件定義や開発、テスト、保守運用などをすべて自社で行わなければならないため、多くの費用や制作時間がかかります。
そのため、一般的にはASP型・オープンソース型・パッケージ型の中からECサイトを構築するケースが多いです。
良いカートシステムの見分け方とは?選び方や比較のポイント
カートシステムを選ぶときに、注目したいポイントは主に以下の3つです。
- 必要な機能がそろっているか
- 拡張性やカスタマイズ性は十分か
- 頼れるサポート体制があるか
- 料金・プランが事業規模に適合しているか
それぞれのポイントについて解説します。
必要な機能がそろっているか
理想のECサイトを作るうえで、まずは必要な機能やシステムがそろっているかチェックしましょう。
そのためには、「どんなECサイトを作りたいか」をしっかり固めておく必要があります。もし難しい場合は、競合サイトを分析してイメージを膨らませてみましょう。
例えば、商品数をしぼってリピート購入を狙う「単品リピート通販」を実現するには、初回購入から定期購入に引き上げるツーステップマーケティング機能が重要です。
CVRを最適化するために、LPとフォームを1ページでまとめて作成できる、LP一体型フォームに対応していることも重要になってきます。
また、LTV(顧客生涯価値)を最大化させるために、ステップメールでアフターフォローを徹底することや、上位の商材・別の商品を紹介するアップセル・クロスセル機能を活用することも重要になります。
多くの商品数を取り扱う場合は、商品登録や在庫管理などをスムーズに行うための受発注機能が欠かせません。
また、注文数が多ければ、注文処理など日次業務を自動化して業務効率化を図れる機能が重要になってきます。
他にも、購入回数や購入金額によって会員制度がランクアップできる会員ランク機能があれば、会員ランクごとに施策を実行することができます。
このように、求めるECサイトによって必要な機能が変わるため、それぞれのカートシステムの特徴をしっかり押さえておくことが大切です。
拡張性やカスタマイズ性は十分か
カートシステムを選ぶ際には、つい費用面や機能面に目が行きがちですが、
- 施策に合わせて自由にカスタマイズできるか
- ユーザーのニーズの変化に柔軟に対応できるか
などの視点から考えることも重要です。
実際、「初期費用を抑えようとASP型を選んだものの、独自にカスタマイズができず機会損失が起きてしまい、カートシステムを乗り換えた」という話は少なくありません。
時代の変化が激しいEC業界において、「機能が追加されない・変わらない・変えられない」というのは巨大なリスクです。
そこをしっかり理解した上で、自社にとって拡張性やカスタマイズ性は十分かを改めて確認するのがおすすめです。
頼れるサポート体制があるか
ECサイトを立ち上げる際には、必ずといっていいほど何かしらのトラブルや悩みが出てくるものです。
カートシステムには機能がたくさんあり、設定事項も多岐にわたり、使っている最中に操作方法が分からなくなることもよくあります。
その際に、ベンダー(システム提供会社)のサポート体制が充実していれば、スムーズにECサイトを構築・運営できます。
例えば、
- メールだけでなく電話サポートもあり、相談が可能
- 外部の人ではなく自社社員がしっかり対応してくれる
- ショップオープンまで手厚くサポートしてくれる
などです。
このように頼れるサポート体制があるかどうかも、カートシステムを選ぶ際の重要なポイントの一つです。
料金・プランを把握する
ECカートシステムは、ASP型やパッケージ型など多岐にわたります。
その中から、自社の「現在の売上規模」と「今後目指す売上規模」の2つの観点から、一番自社にあったプランを見つけることがとても重要です。
自社にあったカートシステムを見つけるために、さまざまなカートシステムの料金と機能を一覧にまとめた比較表を作成したので、ぜひご参考にしてください。
資料は下記から無料でダウンロードできます。
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定期通販カートシステムを徹底比較
それでは、いくつかの定期通販カートシステムを紹介します。
① リピートPLUS
※引用:https://www.w2solution.co.jp/Product/repeatplus_new.html
「リピートPLUS」はD2C/定期通販に特化したカートシステムです。
特に健康食品や美容品の定期販売に強く、導入企業の売上成長率が354%向上しています。
機能面では、定期通販に特化した販促機能や分析など、売上を上げるためのLTV向上や解約率防止などに効く機能など950以上の機能が搭載されています。
また、サポート面では、1分間~7分間程度の20種類にわたる導入設定・説明の動画が用意されており、担当者による導入定例確認会、カスタマーサクセス部門によるTELやメールでの対応など万全なサポート体制で事業の成長をサポートしてくれます。
② たまごリピート
※引用:http://tamago.temonalab.com/
「たまごリピート」は、定期通販や頒布会に対応しているカートシステムです。
定期コースの自動引き落としの対応や、定期購入の継続回数、誘導率、離脱率の集計が可能になっています。
③ 侍カート
※引用:https://marketing.f-i-d.jp/
「侍カート」も、定期単品リピート通販に対応したカートシステムです。
フォーム一体型LPや、アップセル機能など、単品リピート通販・D2Cに必要な機能が搭載されており、電話・メール問い合わせ可能などサポート体制もしっかりしています。
まとめ:自社ECサイトに合わせて最適なカートシステムを選ぼう
改めて、本記事の内容をまとめます。
- カートシステムとは、商品購入に関する一連の処理をするサービスやソフトウェアのこと
- 「とりあえずECサイトを始めたい」個人事業主のような方には無料ECカートシステムが、「本格的にEC事業を立ち上げたい」企業には、有料カートシステムがオススメ
- カートシステムに搭載されている主な機能は、バックオフィス機能とフロント機能
- カートシステムの種類は主に4つ(ASP型、オープンソース型、パッケージ型、フルスクラッチ型)
- カートシステムを選ぶときは、カスタマイズ性たサポート体制などをチェック
ECサイトの運用に必要な「カートシステム」の種類・特徴などを紹介しました。
カートシステムを探す際は、ぜひ本記事の内容を参考に、自社ECに合ったカートシステムを検討してみてください。
なお、ECサイトの立ち上げでよくある失敗を防ぐために、「ECをスタートする前に知っておくべきこと5選」をまとめました。
さらに具体的な「カートシステムの選び方」も紹介しているため、自社にとってより最適なシステムを選びやすくなります。
ECサイトをスムーズに立ち上げ、実際に成果を上げるためにもぜひ参考にしてください。