「ECのプラットフォームにはどんな種類があるの?」「自社に合ったプラットフォームの選び方を知りたい」このような悩みを持つ事業者は多いのではないでしょうか。
ECサイトを構築するうえで、「プラットフォームの選定」は今後の成果を左右する重要なポイントの一つです。
そこで、本記事では「ASP」「クラウド/SaaS型」「オープンソース」「パッケージ」「モールEC」の主要ECプラットフォームの5種類について特徴や費用目安、メリット・デメリット、自社に最適な選び方などを詳しく解説しています。
1,000社以上の導入実績に基づき、ECサイト新規構築・リニューアルの際に事業者が必ず確認しているポイントや黒字転換期を算出できるシミュレーション、集客/CRM /デザインなどのノウハウ資料を作成しました。
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この記事の監修者
神戸大学在学中にEC事業を立ち上げ、自社ECサイトの構築から販売戦略の立案・実行、広告運用、物流手配に至るまで、EC運営の全工程をハンズオンで経験。売上を大きく伸ばしたのち、事業譲渡を実現。
大学卒業後はW2株式会社に新卒入社し、現在は、ECプラットフォーム事業とインテグレーション事業のマーケティング戦略の統括・推進を担う。一貫してEC領域に携わり、スタートアップから大手企業まで、あらゆるフェーズのEC支援に精通している。
「ECプラットフォーム」とは?
ECプラットフォームとは、ECサイトを構築する際に基盤となるソフトウェアもしくはシステムのことを指しています。買い物カゴや決済など、ECサイトに必要な機能がECプラットフォームには組み込まれているため、開発力・技術力がなくてもECサイトを運用できます。
また、それらを活用することで、サイトを運営し売上を伸ばすことができるというわけです。
EC市場が拡大し、ECサイトを立ち上げる企業も増加してきたため、ECプラットフォームも事業者に合わせて様々な形で提供されるようになりました。例えば、「ASP」「オープンソース」「パッケージ」「モールEC」「フルスクラッチ」などが挙げられます。
ECプラットフォームを選ぶ際には、自社の事業形態やサービスのターゲット、将来的な事業展開を踏まえて最適なECプラットフォームを選択することが重要です。
ECプラットフォームを構成する3つの機能群
ECプラットフォームは単に「商品を売る場所」ではありません。プロの視点で見ると、以下の3つの機能が連携して初めて売上が生まれます。
1. フロント機能(お客様が触れる部分)
「フロント機能」とは、お客様がECサイトに来訪し、商品を探して購入するまでの体験をつくる機能です。ECサイトの売上拡大に直結する機能であり、ECサイトにユーザーを集め、実際に商品を購入・リピートしてもらうための重要な機能になります。
基本的な機能はどのECプラットフォームにも備わっていますが、性能に差があったり、自由にカスタマイズができなかったりするケースがあります。機能が足かせになって施策を実行できないことほど、もったいないことはありません。ユーザーにアクションを起こしてもらいやすくするための機能が充実しているかどうかは、必ずチェックが必要です。
主なフロント機能は以下が挙げられます。
- トップページ・商品一覧・詳細ページのデザイン
- サイト内検索・絞り込み機能
- ショッピングカート・決済画面
- マイページ(注文履歴・お気に入り)
- レビュー投稿機能
2.バックエンド機能(店舗側が操作する部分)
「バックエンド機能」とは、EC担当者様が日々の業務を行うための管理機能です。サイト運営の業務をスムーズに実行したり、効率化したりする機能であるため、EC事業を裏で支える重要な役割を果たしています。そのため、EC事業を拡大しながら利益を伸ばすためには、バックエンド機能を活用して業務の強化や効率化を図ることがきわめて大切です。
なかにはルーチン業務の自動化を進めたことで、従来よりも業務コストを60%削減し、売上を伸ばした例もあります。
主なフロント機能は以下が挙げられます。
- 商品登録・在庫管理
- 受注処理・出荷管理・配送手配
- 顧客管理(CRM)
- 売上集計・分析レポート
3. インフラ・セキュリティ(土台となる部分)
ECサイトが「24時間365日、安全に稼働し続ける」ための基盤となる機能です。 お客様は目に見えない部分ですが、ここが脆弱だと、アクセス集中時のサーバーダウンによる機会損失や、情報漏洩による社会的信用の失墜など、経営を揺るがすリスクに直結します。
ECサイト運営については以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
主要ECプラットフォーム5種類の違いと費用感
ECプラットフォームは、構築手法や提供形態によって大きく5つに分類されます。 それぞれの特徴、メリット・デメリット、そして「どんな企業に向いているか」を表にまとめました。
| ASPカート | クラウド/SaaS型 | オープンソース | パッケージ | ECモール | |
|---|---|---|---|---|---|
| 構築方法 | 構築に必要なシステムをレンタル | 構築に必要なシステムをレンタル | 無償ソースコードをカスタマイズ | 充実したパッケージをもとに開発 | モール内のシステムを使って出店 |
| 初期費用 | 低 | 低 | 低 | 中 | 低 |
| 月額費用 | 低 | 低〜中 | 低 | 中〜高 | 中 |
| 構築スピード | 早 | 早〜中 | 早 | 中 | 早 |
| カスタマイズ性 | 低 | 中 | 中 | 高 | 低 |
| メリット | ・コストを比較的抑えやすい
・出店が比較的しやすい |
・常に最新機能が使える
・年商数億円から50億円規模まで対応できる。 |
・コストを比較的抑えやすい
・カスタマイズ性が比較的高い |
・カスタマイズ性が高い
・セキュリティが強固&サポートを得やすい |
・専門知識がなくても始めやすい
・モール経由での集客を狙える |
| デメリット | ・カスタマイズ性が低い
・外部連携がしにくい |
・簡易ASPよりはコストがかかる。 | ・高度な専門スキルが必要
・セキュリティリスクが高い |
・比較的コストがかかりやすい
・システムのアップデートが必要 |
・集客争いが激しい
・カスタマイズ性がかなり低い |
より詳細なECカートシステムの比較をしたい方は、以下の資料を活用してください。
では、それぞれ一つずつ見ていきましょう。
※なお、ECプラットフォームそのものをゼロから作る「フルスクラッチ」という方法もありますが、本記事では既存のECプラットフォームの活用に焦点を当てて解説します。フルスクラッチが気になる方は以下の記事で特集していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
関連記事:ECサイトのフルスクラッチとは?費用からメリット・デメリット・失敗事例まで解説!
1. ASP
| 構築方法 | 構築に必要なシステムをレンタル |
| 初期費用 | 低 |
| 月額費用 | 低〜中 |
| 構築スピード | 早 |
| カスタマイズ性 | 低 |
| メリット | ・コストを比較的抑えやすい ・出店が比較的しやすい |
| デメリット | ・カスタマイズ性が低い ・外部連携がしにくい |
「ASP(Application Service Provider)」とは、ECプラットフォーム上でECサイトに必要な機能をレンタルし、サイトを運営するサービスです。
コストを抑えやすく、スピーディに立ち上げができるため、自社ECの中では導入するハードルがもっとも低い方法といえます。
しかし、ECプラットフォーム側が提供する機能やデザインには制限があり、自由にカスタマイズをすることも難しいです。
カスタマイズ性が低いことで以下のデメリットがあるため、自社に合っているか確認してから導入することをおすすめします。
- 事業拡大やニーズの変化などに対応できない
- 思うようにマーケティング施策を実行できない
ASP(Application Service Provider)では、以下のようなサービスが有名です。
- Shopify
- futureshop
- 楽楽リピート
ASPを検討する際には、直近の利益だけではなく、長期的な利益にも目を向けてトータルで判断することが大切です。
2. クラウド/SaaS型
| 構築方法 | 構築に必要なシステムをレンタル |
| 初期費用 | 低 |
| 月額費用 | 低〜中 |
| 構築スピード | 早〜中 |
| カスタマイズ性 | 中 |
| メリット | ・常に最新機能が使える ・年商数億円から50億円規模まで対応できる。 |
| デメリット | ・簡易ASPよりはコストがかかる。 |
ASPの手軽さと、パッケージの拡張性を兼ね備えた現在最も注目されているタイプです。 最大の特徴は、「システムが自動でアップデートされる」ことです。常に最新のセキュリティと機能を利用できるため、システムが老朽化しません。
メリット: システムが陳腐化しない。カスタマイズ性が高く、外部ツール(MA、WMSなど)との連携も得意。
デメリット: 簡易ASPよりはコストがかかる。
3.オープンソース
| 構築方法 | 無償のソースコードをカスタマイズ |
| 初期費用 | 低 |
| 月額費用 | 低 |
| 構築スピード | 早 |
| カスタマイズ性 | 中 |
| メリット | ・コストを比較的抑えやすい ・カスタマイズ性が比較的高い |
| デメリット | ・高度な専門スキルが必要 ・セキュリティリスクが高い |
「オープンソース」とは、無償で公開されているソースコードをもとに、独自にカスタマイズする方法です。
直接コードをさわってサイトを構築できるため、要件に合わせてカスタマイズがしやすいというメリットがあります。
ただし、サイトを構築できる専門スキルを持った人材が必要なうえに、他ECプラットフォームよりもセキュリティリスクが高いです。
実際、脆弱性を突かれて顧客のカード情報が流出したトラブルは少なくありません。また、オープンソースではなにかトラブルがあれば自己責任で対応を進める必要があります。
そのため、障害やトラブルが起きても対応できる運用体制を整えておくことが必須となります。
もし体制の構築が難しい場合、多少コストをかけてでもしっかりしたセキュリティやサポートを得られるパッケージなどを選ぶのも手です。
関連記事:オープンソース型ECサイト構築|メリットや注意点、おすすめECシステムを解説
オープンソースでは、以下のようなサービスが有名です。
- EC-CUBE
- CS-Cart
4.パッケージ
| 構築方法 | 充実したパッケージをもとに独自開発 |
| 初期費用 | 中 |
| 月額費用 | 中 |
| 構築スピード | 中 |
| カスタマイズ性 | 高 |
| メリット | ・カスタマイズ性が高い ・セキュリティが強固&サポートを得やすい |
| デメリット | ・比較的コストがかかりやすい ・システムのアップデートが必要 |
「パッケージ」とは、ECサイトの機能をパッケージ化したシステムをもとに、独自にカスタマイズする方法です。ベンダー(システム事業者)と一緒に構築を進めるため、コストは比較的かかりやすいですが、その分思い通りのサイトを作りやすいです。
また、要件に合わせて機能やデザインを自由にカスタマイズできるため、売上拡大や業務効率化を最大限に狙うことができます。さらには、セキュリティリスクへの対策も万全なサービスが多く、安定してECサイトを運営できるのも大きなメリットです。
ベンダーによるサポート体制も充実しており、分からないことがあれば相談できたり、万が一の事態が起きてもすぐサポートを得られるので安心です。
パッケージでは、以下のようなサービスが有名です。
- W2 Repeat / Unified
- ecforce
- ecbing
特にW2 Repeat / Unifiedは、1,000以上の機能を搭載しながら、あらゆる業界に対応したパッケージ型のECプラットフォームを提供しているため、コストパフォーマンスも良くおすすめのサービスになります。ぜひ詳細をご覧ください!
関連記事:ECパッケージ比較15選|規模・販売形態別に最適ECシステムを紹介
5. モールEC
| 構築方法 | モール内の機能やシステムを使って出店 |
| 初期費用 | 低 |
| 月額費用 | 中 |
| 構築スピード | 早 |
| カスタマイズ性 | 低 |
| メリット | ・専門知識がなくても始めやすい ・モール経由での集客を狙える |
| デメリット | ・集客争いが激しい ・カスタマイズ性がかなり低い |
「モールEC」とは、Amazonや楽天市場などの巨大なECプラットフォーム上に、さまざまなショップが出店することです。
ECモールは、「マーケットプレイス型」と「テナント型」の2種類が存在します。
マーケットプレイス型は、モールが商品の取引を仲介し、購入者と出店者の間に入る形になります。
準備や配送は出店者が行い、決済やお客様サポートはモールが担当することが多いです。Yahoo!ショッピングなどが例に挙げられます。
テナント型は、各事業者が独自のページを持ち、商品からお客様サポートまで一貫して担当します。
一般的に、出店スペースを提供するのみで仲介は行いません。楽天市場などが例に挙げられます。
具体的な商品が欲しいユーザーだけでなく、ふらっと立ち寄るユーザーも集めやすいため、集客の間口が広がるというメリットがあります。また、出店方法のマニュアル化が徹底されており、専門知識がない方でも始めやすいです。
ただし、モールECには競合も数多く出店しているため、集客争いが激しく、価格競争にも巻き込まれやすいです。
また、モールの規則に従って運用しなければならず、カスタマイズやマーケティングの自由度が低いというデメリットもあります。「始めやすい・集客しやすい」というイメージが強いモールECですが、マイナス面も正しく把握して出店を検討することが大切です。
自社に合うECプラットフォームの選び方
改めて、主要なECプラットフォームの種類として以下の5つを紹介しました。
| ASPカート | クラウド/SaaS型 | オープンソース | パッケージ | ECモール | |
|---|---|---|---|---|---|
| 構築方法 | 構築に必要なシステムをレンタル | 構築に必要なシステムをレンタル | 無償ソースコードをカスタマイズ | 充実したパッケージをもとに開発 | モール内のシステムを使って出店 |
| 初期費用 | 低 | 低 | 低 | 中 | 低 |
| 月額費用 | 低 | 低〜中 | 低 | 中〜高 | 中 |
| 構築スピード | 早 | 早〜中 | 早 | 中 | 早 |
| カスタマイズ性 | 低 | 中 | 中 | 高 | 低 |
| メリット | ・コストを比較的抑えやすい
・出店が比較的しやすい |
・常に最新機能が使える
・年商数億円から50億円規模まで対応できる。 |
・コストを比較的抑えやすい
・カスタマイズ性が比較的高い |
・カスタマイズ性が高い
・セキュリティが強固&サポートを得やすい |
・専門知識がなくても始めやすい
・モール経由での集客を狙える |
| デメリット | ・カスタマイズ性が低い
・外部連携がしにくい |
・簡易ASPよりはコストがかかる。 | ・高度な専門スキルが必要
・セキュリティリスクが高い |
・比較的コストがかかりやすい
・システムのアップデートが必要 |
・集客争いが激しい
・カスタマイズ性がかなり低い |
ECプラットフォームは多くの種類が存在しており、自社に合ったものを見つけるのは大変だという事業者も多いと思います。
そこでこの章では、選び方や基準にするべきポイントなど5つ解説します。
- 機能の豊富さ
- カスタマイズ性/拡張性
- 導入/運営コスト
- サポート体制
- セキュリティの高さ
詳しく見ていきましょう。
1. 機能の豊富さ
機能の豊富さを求める場合は、ASPやパッケージを選ぶといいでしょう。
ASPやパッケージは標準で機能を搭載しており、開発する必要もない場合が多いからです。
しかし、料金や種類によっては標準で搭載していない機能もあるため、事前に「自社で必須の機能」を洗い出し、それがあるかないかでECプラットフォームを選ぶこともできます。
せっかくコストをかけてECサイトを立ち上げたのに、必要な機能がなく追加開発になってしまったという事態を防げます。
しかし、「自社で必須の機能」が複雑で、メジャーな機能ではない場合は、開発する場合が多く、その時にはオープンソースやフルスクラッチにした方がいいでしょう。
2. カスタマイズ性/拡張性
将来、事業拡大を見込むのであれば、カスタマイズ性や拡張性がどうかを見る必要があります。
事業が拡大するほど、必要な機能などが複雑になり、標準で搭載していないことが多いです。
そのため、事業拡大を行う際に、ECプラットフォームに「追加開発できる」や「カスタマイズができる」などの特徴があれば、新しくECプラットフォームを探して、再構築する必要がなくなります。
3. 導入/運営コスト
ECサイトを運営すると、初期費用や月額費用、サイトのメンテナンスやアップデートにかかる費用、販売手数料などコストがかかってきます。
月でどれだけ売上を上げられるのか、投資コストを回収できるのかなど、コストの面で比較して、それに合わせたECプラットフォームを選ぶことも可能です。
初期費用が低いものを安易に選ぶと、後々の運用で予期しないコストが発生する可能性もあるため注意が必要です。
4. サポート体制
初めてECサイトを立ち上げる事業者が、特に見ておきたいポイントが「サポート体制」になります。
サポート体制が手厚いことで、疑問をすぐに解消できたり、より良いアドバイスを受けることができます。
ECプラットフォームを提供するベンダーによっては、メールのみの対応や返事が1週間後になってしまうなどもありますので、事前にどういったサポートが受けられるのか、連絡手段はなにかなども調べておく必要もあります。
5. セキュリティの高さ
ECサイトは個人情報を取り扱うことが多いため、セキュリティの高さはどの事業者も見ていただきたいポイントになります。
個人情報の漏洩やクレジットカードの不正利用などのセキュリティ事故が発生した場合、数千万円の損害が発生することもあります。
そうした損害を出さないためにも、事前にセキュリティ対策が行われているECプラットフォームを選定しましょう。
以下の記事ではセキュリティ対策について詳しく解説しています。
是非合わせてご覧ください。
関連記事:ECサイトのセキュリティ対策!セキュリティ事故の種類と対処法を解説
ECプラットフォームは、あくまで「目的達成の手段」にすぎません。そもそもの目的に立ち返って検討することが、ミスマッチを防ぐうえでとても重要です。
【厳選】おすすめECプラットフォーム12選
ここからは、具体的なサービス名とともに、それぞれの特徴を紹介します。自社の規模や目的に合わせて比較検討してください。
【クラウド/SaaS型】拡張性と最新性を重視するなら
中大規模ECや、将来的に売上を大きく伸ばしたい企業、ASPからの乗り換えを検討している企業に最適です。
- W2 Repeat(W2株式会社)
マイクロソフトのゴールドパートナーであり、業界トップクラスのセキュリティとカスタマイズ性を誇る国産プラットフォームです。
定期通販(D2C)に特化し、LTV最大化のための機能(ステップメール、アップセル等)を標準搭載しています。システムが自動更新されるSaaS型でありながら、パッケージ並みの機能拡張が可能。導入企業の平均売上成長率は354%という実績があります。
- Shopify(ショッピファイ)
カナダ発、世界シェアNo.1のプラットフォーム。
特徴: 基本機能はシンプルだが、数千種類の「アプリ」を追加することで機能を拡張できる。越境ECに強い。
注意点: 日本独自の細かい商習慣(代引き、詳細なポイント設定、定期購入の複雑な仕様など)に対応するには、有料アプリの組み合わせや開発が必要な場合がある。
- ebisumart(エビスマート)
クラウドコマースの先駆け的存在。
特徴: 「エバーグリーン」を掲げ、システムが古くならないことを強みとしている。BtoB向けの機能も充実。
- futureshop(フューチャーショップ)
アパレルやライフスタイル系ブランドに人気のプラットフォーム。
特徴: デザインの自由度が高いCMS機能「commerce creator」を搭載。実店舗との会員連携機能(SaaS型)も提供している。
【ECモール型】まずは集客力を借りたいなら
- 楽天市場
国内最大級のモール。ポイント経済圏による囲い込みが強力です。
特徴: 食品、アパレル、コスメなど幅広い層にアプローチ可能。店舗ページのデザインカスタマイズ性もモールの中では高め。
- Amazon
型番商品や指名買いに圧倒的な強さを持ちます。
特徴: 商品ページごとの出品となるため、店舗のブランド感は出しにくいが、FBA(物流代行)を使えば配送業務を自動化できるのが最大の強み。
- Yahoo!ショッピング
PayPayユーザーへの訴求力が高いモールです。
特徴: 初期費用や月額システム利用料が無料(売上ロイヤルティや決済手数料は発生)。多店舗展開のサブチャネルとして利用されることが多い。
【ASPカート型】低コストでスモールスタートするなら
- BASE(ベイス)
初期費用・月額費用無料で、商品が売れた時だけ手数料が発生します。
特徴: 誰でも数分でショップが開設できる手軽さが魅力。個人事業主やテストマーケティングに最適。
- STORES(ストアーズ)
実店舗のPOSレジや予約システムとも連携しやすいサービスです。
特徴: デザインテンプレートがおしゃれでシンプル。ポップアップストアや小規模なアパレル店に向いている。
- makeshop(メイクショップ)
ASPの中では機能が非常に豊富で、ある程度の規模まで対応可能です。
特徴: 販売手数料がかからないプランがあり、売上が伸びても利益率を維持しやすい。BtoBオプションなどもある。
【パッケージ型】特殊な要件があるなら
- W2 Unified(ダブルツーユニファイド)
W2 Unifiedは、BtoCの総合通販からD2Cの定期通販、実店舗と連携するOMOまで、多様なビジネスモデルを一つのシステムで実現できる統合型ECプラットフォームです。
最大の特長は、業界最多クラスの1,000以上の機能を標準搭載している点にあります。これにより、多くの有料アプリや追加開発なしで高度な要件に対応でき、結果として総保有コスト(TCO)を抑制できます。
特にCRMやマーケティングオートメーション機能が充実しており、顧客のLTV(顧客生涯価値)向上を得意としています。100%内製開発による手厚いサポート体制も強みです。
年商数億円以上の中規模から大規模事業者で、特に定期通販やOMO戦略など、複雑なマーケティング施策やシステム連携を本格的に行いたい企業に最適です。既存のプラットフォームの機能や拡張性に限界を感じ、リプレイスを検討している企業にもおすすめの選択肢となります。
- ecbeing(イーシービーイング)
国内パッケージシェアNo.1の実績を持つ老舗ベンダーです。
特徴: 開発体制が厚く、大規模なカスタマイズ開発に強い。マーケティング支援部隊も持っている。
【オープンソース型】自由度を高めるなら
- EC-CUBE(イーシーキューブ)
日本発のオープンソースソフトウェア。 無料でダウンロードでき、国内の多くの制作会社がカスタマイズに対応しています。ただし、セキュリティパッチの適用などは自己責任となります。
ECプラットフォーム選びでよくある失敗事例
これまでお伝えしたとおり、ECサイトを運営するうえで「ECプラットフォーム」は核となる存在です。そのため、自社とマッチしないECプラットフォームを選んでしまうと、大きな損失につながるおそれがあります。
そこで、W2に寄せられるご相談の中で、特に多い「他社システムからの乗り換え理由(=失敗事例)」をご紹介します。
1.ASPカートで構築したが、独自のデザインや機能が追加できない
「最初は安くて良かったが、ブランドの世界観を出そうと思ったらテンプレートの制限で無理だった」「特殊なセット販売(バンドル販売)をしたかったが機能がなかった」というケース。 → 対策:最初から拡張性のあるSaaS型/クラウド型を選んでおくべきでした。
2.パッケージ型を導入したが、5年でシステムが老朽化した
「数千万円かけて開発したが、5年経ってOSのサポート切れやセキュリティの脆弱性が発覚。バージョンアップのために再度数千万円の見積もりが来た」というケース。これを「システムの陳腐化」と呼びます。 → 対策:自動でアップデートされ続けるSaaS型を選べば、追加コストなしで最新状態を維持できました。
3.オープンソースを使っていたが、セキュリティ事故が起きた
「無料で構築したが、プラグインの脆弱性を突かれてカード情報が漏洩した。責任の所在も曖昧で、お詫び対応とシステム改修に追われた」というケース。 → 対策:セキュリティ対策をベンダーが保証してくれる商用プラットフォームを選ぶべきです。
このような失敗が要因となり、ECプラットフォームの移行やリニューアルを余儀なくされたケースは少なくありません。
余計なコストがかさんで機会損失になるのを防ぐためにも、ECプラットフォームは慎重に選ぶことが大切です。
W2株式会社では、売上を354%増加させるECプラットフォーム「W2 Repeat」や「W2 Unified」を提供しています。
1100社もの企業様を支援し、中には「アサヒビール株式会社様」や「天藤製薬株式会社様」など大手企業様にも、弊社のECプラットフォームをご利用していただいております。
W2株式会社のECプラットフォーム「W2 Repeat」「W2 Unified」を導入したことで、業務工数を90%削減できた事例や、671%ものECサイト売上成長率を伸ばした事例もございます。
詳しくは弊社の導入事例集にまとめているので、ぜひ無料ダウンロードしてください。
まとめ:自社に合ったECプラットフォームを選ぼう
改めて、本記事のポイントをまとめます。
- ECプラットフォームとは、ECサイトを作るうえでベースとなるシステムのこと
- 主要なプラットフォームは4つ(ASP、オープンソース、パッケージ、モールEC)
- サイトの目的や求める要件によって、ECプラットフォームを選ぶことが大切
ぜひ本記事を参考に、ECサイトの立ち上げを検討してみてください。
なお、現在ECサイト構築/リニューアルを検討している方向けに、主要ECカートシステム9社の料金・機能比較表を作成しました。
資料は無料でダウンロードできるので、ECサイトの立ち上げを検討している方はぜひあわせてご一読ください。
ECプラットフォームに関するよくある質問(FAQ)
Q1:ECプラットフォームとは何ですか?
ECプラットフォームとは、ネットショップを構築・運営するための基盤システムのことです。商品登録、決済、在庫管理、顧客管理などを一元化でき、ECサイト運営に必要な機能をまとめて提供します。代表的な例として、Shopify、Wix、BASE、W2などがあります。
Q2:自社開発とECプラットフォーム利用はどちらが良いですか?
スピードとコスト重視ならプラットフォーム利用、自社仕様の柔軟性を求めるなら独自開発が向いています。ただし、近年はカスタマイズ性の高いSaaS型(例:W2 Unified、Shopify Plus)が主流で、拡張性と安定性を両立できる点から多くの企業が採用しています。
Q3:ECプラットフォームを選ぶ際のポイントは?
「機能の拡張性」「サポート体制」「海外販売や定期通販への対応」「コスト」の4点が重要です。将来的な事業成長を見据え、後から機能追加・連携がしやすい基盤を選ぶと安心です。自社の販売戦略に合う設計思想を持つプラットフォームを選定しましょう。
































