総務省が発表した「平成27年版 情報通信白書」によれば、インターネットショッピングの利用者数は20代以下〜60代以上の全年代平均で7割を超えています。
この結果からわかるように、現代では多くの人がECサイトを利用しています。
[注1] ECサイトを利用する際に、消費者が商品購入の指針のひとつとするのが、カスタマーレビューです。
カスタマーレビューは購買意欲に大きな影響を与えます。
そのため、カスタマーレビューは消費者と店舗、両者にとって重要なコンテンツといえます。
今回はカスタマーレビューの上手な活用方法と、その集め方などを紹介します。
[注1] 平成27年版 情報通信白書 総務省https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc122400.html
- ECサイトにおけるカスタマーレビューの活用方法
- カスタマーレビューを参考に商品説明を詳細にする
- トップレビューを公開して宣伝にコンバージョン率アップを目指す
- レコメンド機能と併用する
- ECサイトのカスタマーレビューを活用するメリット
- 評価の低いカスタマーレビューは運営改善につなげる
- カスタマーレビューはSEO対策にも効果的
- ECサイトのカスタマーレビューを集める方法
- 購入後のフォローメールで依頼する
- カスタマーレビューの依頼資料を商品に同梱する
- カスタマーレビュー投稿のハードルを下げて書き込みやすくする
- レビューに特典を付与する
- 禁止行為はしっかり把握しておく
- ECサイトのカスタマーレビューから見えてくる消費者の本音
- ほかの消費者の役に立ちたい
- ブログなどでのアフィリエイト
- 特典目当てのレビュー作成
- 【まとめ】評価の高い低いに関わらずカスタマーレビューは貴重
ECサイトにおけるカスタマーレビューの活用方法
カスタマーレビューは、消費者が自由に商品や店舗対応について感想を書き残します。
そのため、評価の高いカスタマーレビューもあれば、当然ながら評価が低いカスタマーレビューもあります。
評価が高いカスタマーレビューはもちろん、評価が低いカスタマーレビューであっても活用することで、返品率の減少やコンバージョン率向上が期待できます。
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カスタマーレビューを参考に商品説明を詳細にする
実店舗と異なり、ECサイトでは商品のサイズが伝わりづらい傾向にあります。
特に靴の場合、サイズを記載していても、消費者の足の形や靴のデザインによっては、そのサイズが適しておらず、返品が発生してしまいます。
このように、商品説明が曖昧なことで返品が多く、それがカスタマーレビューに書かれているのであれば、改善点として商品説明に反映しましょう。
より詳しい商品説明を記載することで、返品率の低下が期待できます。
トップレビューを公開して宣伝にコンバージョン率アップを目指す
カスタマレビューのなかでも、高い評価(トップレビュー)は、ECサイト運営者にとって、大きな資産です。
トップレビューをサイトやソーシャルメディアのページで公開することで、新たな消費者へアプローチでき、コンバージョン率アップにつながります。
レコメンド機能と併用する
消費者が書くカスタマーレビューに対して、店舗側が商品をおすすめすることをレコメンドといいます。
このレコメンドとカスタマーレビューを併用することでも、コンバージョン率がアップする可能性があります。
ただ、商品をおすすめするのではなく、カスタマーレビューでの星の数を盛り込むことで、消費者が安心しておすすめ商品の購入に進めます。
ECサイトのカスタマーレビューを活用するメリット
カスタマーレビューを利用することで、 *店舗の改善材料になる*検索順位を上げる といったメリットが生まれます。
どちらも売上げアップにつながるため、カスタマーレビューは積極的に活用するようにしましょう。
評価の低いカスタマーレビューは運営改善につなげる
評価が低いカスタマーレビューには、ECサイト内だけでは伝えることが難しい、サイズ感や色合い、質感、梱包方法などへの要望や不満といったことが記載されている傾向にあります。
このような低い評価はECサイトの運営改善につなげるために、欠かせない意見と捉えましょう。
商品の説明や、写真撮影方法、梱包方法、対応などに活かし改善できます。
また、評価が低いカスタマーレビューに対してはしっかりと返信することも大切です。
真摯に受け止め返信することで消費者に対し、信頼感や安心感を与える材料にもなります。
カスタマーレビューはSEO対策にも効果的
ECサイト運営では、検索順位は最重要ポイントといっても過言ではありません。
カスタマレビューは、コンバージョン率の改善だけではなく、SEO対策にもとても効果的です。
SEOのサイト評価ではUGC(ユーザー生成コンテンツ)が重要なポイントとなり、カスタマーレビューはUGCの1つです。
そのため、消費者が、カスタマーレビューを投稿することは、SEO対策に有効であり、検索順位のアップが期待できます。
これはamazonや楽天のような大手ショッピングモールに出店している場合にもいえることです。
2社の検索アルゴリズムは公開されていませんが、カスタマーレビューは検索順位を上げる要素といわれています。
ECサイトのカスタマーレビューを集める方法
消費者からの貴重な意見であるECサイトのカスタマーレビューは、多ければ多いほどECサイト運営に役立てられます。
しかし、オープンしたばかりのECサイトの場合、利用者が少なくカスタマーレビューがなかなか集まりません。
そういった場合は、ただカスタマーレビューの書き込みを待つのではなく、ECサイト側からカスタマーレビューの書き込みを促すようなアクションをとりましょう。
購入後のフォローメールで依頼する
消費者に購入後商品の不備や使用状況をメールで確認することは、店舗対応が丁寧である印象を与えるだけではなく、消費者をリピーターにする施策としても効果的です。
このメールにカスタマ―レビューを書いて欲しい旨を入れれば、スムーズにカスタマーレビューを依頼できます。
ただし、メールを送る際はタイミングが重要です。
商品到着後、2-3日以内にはメールを送るようにしましょう。
あまり早くても商品を評価するほど使用していないかもしれませんし、遅すぎると商品に対してコメントするという熱量が冷めてしまっているかもしれません。
また、カスタマーレビュー依頼だけのメールを送っても、しつこいイメージを与えてしまう場合があるので注意が必要です。
カスタマーレビューの依頼資料を商品に同梱する
カスタマーレビューの依頼を記載した文書を商品と一緒に送ることも自然な流れです。
店舗案内やクーポン券を同梱するだけでなく、レビューを依頼する文書も同封しておきましょう。
もちろんカスタマーレビュー依頼がメインではなく、店舗案内やクーポンをメインとして、カスタマーレビュー依頼はあくまでさりげなく行い、消費者に押し付けないことが肝心です。
カスタマーレビュー投稿のハードルを下げて書き込みやすくする
カスタマーレビューを書く作業は、消費者にとって基本的に面倒な作業であることを頭に入れておきましょう。
レビューを書く作業中、ログイン情報やアンケート、個人情報などの入力作業があれば、そこで離脱してしまう可能性は高いです。
余計な入力は避け、できるだけ簡単にレビューを書いてもらえる環境を作りましょう。
点数と感想の2点だけで十分です。
GoogleやFacebookなどのアカウントから入力できれば、いちから個人情報を入力する手間が省け、レビュー投稿が簡単に行なえます。
また、レビュー入力には作業時間が具体的にどれくらいかかるのか明記し、入力のハードルを下げましょう。
5分以内でレビュー入力作業が完了するような環境を作り、短時間で終わる旨も記載しておくのがおすすめです。
QRコードやURLを貼り付けておくことも消費者にとって便利なツールです。
レビューに特典を付与する
「レビューを書いてくれたら次回○○割引」といったように、レビュー作成者に特典を用意して、レビューを促す方法もあります。
ただしこの方法の場合、特典目当てで書かれてしまうことが多くなるため、レビューの信憑性が下がってしまう可能性があるので、やりすぎには注意しましょう。
また、売上利益を減らすことになるので、レビューに特典を付与するのはあくまで最終手段としましょう。
レビューを書いてもらうために、店舗経営を苦しめるのはもちろん得策ではありません。
禁止行為はしっかり把握しておく
カスタマーレビューは、あくまで消費者が商品を購入し、感想を書き、他の消費者の参考とさせるというところに目的があります。
しかし、なかには店舗が売上目当てのために、レビューを自作する、ステルスマーケティングを行なうといった禁止行為を行っているケースがあります。
カスタマーレビューは消費者のための情報であり、店舗のためだけの情報ではありません。 本質を理解し、禁止行為は絶対にしないようにしましょう。
ECサイトのカスタマーレビューから見えてくる消費者の本音
カスタマーレビューはECサイト側にとって、店舗の改善材料となる、SEO対策となるといったメリットがある一方、消費者にとっても意味があるものです。
ほかの消費者の役に立ちたい
もっとも多いのが、ほかの消費者の役に立ちたいという思いからカスタマーレビューを書くケースでしょう。
良い商品であったら、それをほかの人にも使ってもらいたい、悪い商品であったら、それの購入を検討している人に参考にして欲しいといったように、実際に使ってみた感想が素直な気持ちで書かれるため、ECサイト側にとっても参考となるレビューといえます。
ブログなどでのアフィリエイト
アフィリエイトによる商品レビューも見かけるケースです。
これは企業が特典によりレビューを募集し、それに基づいたブログを書いてもらうことです。
厳しい評価をするブロガーもいますが、企業が特典付きで募集していることが多いので、評価の高いレビューが多いのが特徴です。
ブロガーが報酬を目的としてレビューを書くため、より細かく詳細に、評価の高いレビューが期待できますが、消費者の本音とはいえません。
特典目当てのレビュー作成
特典を目的としてレビューを書くケースもあります。
レビューを書くだけでクーポン券や商品プレゼントなどの特典が手に入るため、比較的評価の高いレビューは期待できます。
ですが、アフィリエイト同様、特典目当てであるため消費者の本音とはいえません。
【まとめ】評価の高い低いに関わらずカスタマーレビューは貴重
カスタマーレビューは消費者だけではなく店舗にとってとても貴重な情報で、評価の高いレビューも低いレビューも店舗運営にとっては欠かせない存在です。
しかし、貴重な情報であるため、レビュー欲しさに自作やステルスマーケティングといった禁止行為を行なうサイトがあり、その結果、レビューは信じられないという消費者も多くなってきていることも事実です。
消費者から質の高いレビューを集めるのは店舗次第で、レビューを集めるための努力を継続していく必要があります。
レビューの評価の高い低いにとらわれずに、多くのレビューを集めて、店舗の運営に役立てていきましょう。