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ヤマト「クロネコ代金後払い」で約526万件が流出——購入した商品名まで持ち出され、EC事業者に問われる決済停止への備え
2026.10.30

ヤマト「クロネコ代金後払い」で約526万件が流出——購入した商品名まで持ち出され、EC事業者に問われる決済停止への備え

約10日半の停止と、第4報で判明した被害の全体像

「クロネコ代金後払いサービス」は、通販の代金を後から支払える仕組みである。例えば、商品が届いた後にコンビニなどで支払えるのようなものを示す。

しかし、ヤマト運輸は9月28日、このサービスへの不正アクセスを確認した。そのため、同日22時28分にサービスを停止した。その後の公表の流れは次のとおりだ。

日付 公表内容
9月29日(第1報)不正アクセスの確認とサービス停止を公表
10月2日(第2報)一部の情報が漏えいした可能性を公表
10月9日(第3報)13時に再開し、払込票の支払い期限を17日間延長
10月16日(第4報)持ち出された情報の件数と範囲を公表

さらに、10月16日の第4報では、次の3つの情報の持ち出しが確認された。

対象 件数 対象期間
利用者の情報約526万件(うちメールアドレスあり約49万件)2018年10月1日〜2026年9月28日
お届け先の情報約5万件2021年2月5日〜2026年9月28日
加盟店の情報約4,100件2018年10月1日〜2026年9月28日

項目は、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、商品明細などだ。ただし、クレジットカード情報とパスワードは含まれていない。また、第2報で挙げた請求金額や債権残高は、持ち出しが確認されなかった。

引用:ヤマト運輸「【第4報】「クロネコ代金後払いサービス」への不正アクセスに関する調査結果と今後の対応について」

編集部コメント

今回の対象期間は約8年と長く、数年前に一度だけ後払いを利用した購入者も対象に含まれる可能性があります。そのため、直近の利用状況だけで判断することはできません。購入者から問い合わせがあった際にも正確に回答できるよう、対象期間を含めた公式発表の内容を確認しておきましょう。

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「商品明細」まで流出した重み——本物そっくりの詐欺メールに注意

今回、特に注意したいのは、購入した商品の明細まで持ち出された点だ。なぜなら、「いつ、どこで、何を買ったか」が分かるからである。その結果、攻撃者は実際の注文内容を使った連絡を送れるようになる。

実際、第3報の時点で、心当たりのないメールやSMSの問い合わせが寄せられていた。ただし、今回の件に関係する不正利用は確認されていないという。また、サービスの再開や期限の延長を装った偽の案内にも注意が必要だ。

さらに、加盟店の情報約4,100件も持ち出されている。したがって、EC事業者自身の店舗名なども、攻撃者の手元にある可能性がある。

編集部コメント

例えば、「〇月〇日に注文した〇〇の代金が未払いです」というメールが届いた場合、購入者が正規の連絡だと思い込んでしまう可能性は通常のフィッシングメールに比べ高くなると思われます。こうした詐欺によって購入者が被害に遭うと、商品を販売したショップへの不信感にもつながりかねません。 被害を防ぐためにも、購入者に正規の連絡と偽メールの見分け方を周知しておくことが重要です。例えば、正規のメール送信元ドメインの確認や、メールでパスワード・カード番号を聞かれていないかなどといった予備知識をあらかじめ備えておきましょう。

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後払いを導入するEC事業者が見直したい3つのポイント

今回のサービス停止は、約10日半に及んだ。報道によると、その間に別の支払い方法での再注文を案内した通販サイトもあった。また、払込票の発行が遅れることを告知したサイトもあったという。

こうした事態に備えて、EC事業者が見直したいポイントは次の3つだ。

  • 決済手段の冗長化:決済が止まったときに案内できる支払い方法を用意する。例えば、後払いが主力なら、別の後払いサービスとの併用も選択肢になる。
  • 購入者への案内文の準備:停止時の告知や再注文の案内は、ひな形を作っておく。あわせて、不審な連絡への注意喚起文も用意しておきたい。
  • 問い合わせ窓口の整理:自社で答える範囲と、決済会社へ案内する範囲を分けておく。そのうえで、カスタマーサポートで共有しておく。

編集部コメント

後払い決済は、カードを持たない層を取り込むうえで欠かせない手段です。だからこそ、今回の件で後払いの価値が下がるわけではありません。しかし、1つの決済サービスに頼りきる構成のリスクははっきりしました。つまり、決済は「導入して終わり」ではないということです。止まったときにどう売上を守るかまで含めて、設計しておきたいですね!


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