「SKU」という言葉を初めて目にしたとき、JANコードや品番と何が違うのか、混乱した経験はありませんか。在庫管理やEC運営の現場では当たり前のように使われる言葉ですが、正確な意味を説明できる人は意外と多くありません。
SKUとは、在庫を管理するうえで、これ以上細分化できない最小の単位を指す言葉です。同じ商品でも色やサイズが違えば、それぞれ別のSKUとして数えます。この考え方を正しく理解していないと、発注ミスや誤出荷、在庫数の把握違いといったトラブルにつながりかねません。
本記事では、SKUの意味と由来から、JANコード・品番・PLUコードといった混同されやすい用語との違い、具体的なSKU数の数え方、SKUコードの設計方法、そして在庫管理上のメリットまでを解説します。
この記事でわかること
「Stock Keeping Unit(ストック・キーピング・ユニット)」の略で、在庫を管理するうえで、これ以上細分化できない最小の管理単位を指します。同じ商品であっても、色・サイズ・容量などのバリエーションが異なれば、それぞれ別のSKUとして数えます。日本語では「在庫管理単位」や「最小管理単位」と訳されます。
JANコードは、メーカーや流通業者が共通して使う、外向きの商品識別コードです。同じ商品であれば、どの店舗でも同一のコードになります。一方SKUは、自社の在庫を管理しやすいように、事業者が独自に設定する内部向けの管理単位です。「外向きの共通番号がJANコード、社内管理用の最小単位がSKU」と整理すると分かりやすくなります。
商品のバリエーション(色・サイズ・容量など)を掛け合わせて数えます。例えば、色が3パターン、サイズが5パターンある商品であれば、3×5で15SKUとなります。同じ商品でもメンズ・レディースでラインを分けている場合は、15SKU×2ライン=30SKUというように、さらに掛け合わせて計算します。
SKUとは
SKU(エスケーユー)とは、「Stock Keeping Unit(ストック・キーピング・ユニット)」の略称で、在庫を管理するうえで、これ以上細分化できない最小の管理単位を指す言葉です。日本語では「在庫管理単位」や「最小管理単位」と訳されます。
小売業や物流の現場では、商品は「アイテム」という大きな括りだけでなく、色・サイズ・容量・パッケージといった細かいバリエーションごとに、SKUという単位で管理されます。例えば「Tシャツ」というアイテムが1種類あったとしても、白・黒の2色展開でS・M・Lの3サイズがあれば、実際には2×3=6種類のSKUが存在することになります。
物流現場では、アイテム単位ではなくSKU単位で在庫を管理することが基本です。「Tシャツの在庫が何枚あるか」ではなく、「白のMサイズが何枚、黒のLサイズが何枚あるか」というレベルまで分解して把握しなければ、正確な在庫状況はつかめません。
SKUと「個数」の違い
SKUを理解するうえでつまずきやすいのが、「種類の数」と「個数」の違いです。
SKUは商品の「種類」を数える単位であり、在庫として保管されている「個数(ピース)」とは異なります。例えば、「1,000SKU・30,000ピース」という表現は、1,000種類の商品を、合計30,000個保管している状態を表します。同じ1,000SKUであっても、1種類あたり平均30個ずつ保管しているのか、人気商品に在庫が偏っているのかによって、倉庫運営の難易度は大きく変わります。
倉庫運営や在庫管理の現場では、SKU数(何種類の商品を扱っているか)と、ピース数(合計で何個の在庫を抱えているか)の両方を把握することで、棚割りの設計や作業負荷の見積もり精度が高まります。SKU数が多いほど、商品ごとの管理の手間は増える一方、ピース数が多いほど、保管スペースや入出庫作業の負荷が増えるという、それぞれ異なる意味を持つ数字である点を押さえておきましょう。
SKUと混同されやすい用語との違い
SKUの周辺には、JANコード・品番・PLUコード・SKUコードという、似たような場面で使われる言葉が並んでおり、混同されやすいのが実情です。それぞれの違いを整理します。
| 用語 | 正式名称・別名 | 発行元・管理者 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| SKU | Stock Keeping Unit | 自社(事業者ごとに独自設定) | 在庫管理上の最小単位という「考え方」そのもの |
| SKUコード | - | 自社(事業者ごとに独自設定) | SKUという単位に割り振る、実際の英数字コード |
| JANコード | Japanese Article Number(国際的にはEAN・GTIN) | GS1(国際的な商品コード管理機関)を通じてメーカー等が取得 | 同一商品であれば、どの店舗・事業者でも共通のコード |
| 品番 | - | メーカー | 商品シリーズを識別する管理番号。色・サイズまでは区別しないことが多い |
| PLUコード | Price Look Upコード | 自社(主に店舗のPOSシステム) | 価格情報と紐づいた、主に店舗のレジで使われるコード |
SKUとJANコードの違い
最も混同されやすいのが、SKUとJANコードの違いです。JANコードは、メーカーや流通業者が共通して使う、外向きの商品識別コードです。GS1という国際的な商品コード管理機関を通じてメーカー等が取得し、同じ商品であれば、どの店舗で販売されていても同一のコードになります。国際的には「EANコード」「GTIN」とも呼ばれ、世界100カ国以上で使われている共通規格です。
一方SKUは、自社の在庫を管理しやすいように、事業者が独自に設定する内部向けの管理単位です。同じ商品であっても、企業によって付け方が変わります。「外向きの共通番号がJANコード、社内管理用の最小単位がSKU」と整理しておくと、混乱を防げます。
実務上は、JANコードが商品ごとに1つ割り振られているのに対し、SKUは色・サイズといったバリエーションまで含めて細分化されるため、1つのJANコードに対して複数のSKUが存在するケースもあれば、逆に自社独自の商品でJANコードを取得していない場合はSKUのみで管理するケースもあります。
SKUと品番の違い
品番は、メーカーが商品シリーズを識別するために付ける管理番号です。品番だけでは、色やサイズといったバリエーションまでは区別できないことが多く、品番をそのままSKUとして使ってしまうと、サイズ違いや色違いが在庫上で同一視され、誤出荷の原因になります。
実務では、品番にカラーコードやサイズコードを組み合わせて、SKUを構成する運用が一般的です。品番は「商品シリーズを表す土台」、SKUは「そこにバリエーション情報を加えた、在庫管理の実単位」と捉えると理解しやすくなります。
SKUとPLUコードの違い
PLUコードは「Price Look Up」の略で、主に店舗のPOSレジで、商品の価格情報を参照するために使われるコードです。店舗が商品の値付けを管理するために利用する場面が中心で、在庫のバリエーション管理を主目的とするSKUとは、使われる目的が異なります。
SKU数の数え方【具体例つき】
SKU数の数え方の基本ルールは、「商品をこれ以上同じ枠でくくれない単位まで細分化し、その一つひとつを1SKUと数える」ことです。色・サイズ・容量・パッケージ・販売単位といった切り口で商品を分解し、バリエーションの掛け算でSKU数を算出します。
計算例:アパレル商品の場合
あるスニーカーが白・黒・グレーの3色展開で、サイズが23cm〜27cmの5種類あるとします。この場合、3色×5サイズ=15通りの組み合わせが発生するため、このスニーカーは15SKUを持っていると数えます。
さらに、同じスニーカーをメンズ用・レディース用でラインナップを分けている場合は、15SKU×2ライン=30SKUへと増えます。取り扱うアイテムが複数あれば、アイテムごとにこの計算を行い、合計したものが自社全体のSKU数になります。
計算例:食品・化粧品の場合
容量違いのある商品(例:シャンプーの詰め替え用・本体・ミニサイズ)も、それぞれ別のSKUとして数えます。ギフトセットのように複数商品を組み合わせた商品も、単品とは別の1SKUとして扱うのが一般的です。
SKU数を把握しておく意味
SKU数を正確に把握しておくことは、在庫管理システムの選定や、倉庫の棚割り設計、作業負荷の見積もりに直結します。「何種類の商品を、どれくらいの量、どこに配置するか」という設計は、SKU数の多寡によって大きく変わるため、事業拡大や新商品の投入を検討する際は、SKU数がどれだけ増えるのかをあらかじめ試算しておくことが重要です。
SKUコードの作り方・設計のポイント
SKUという「考え方」に対して、実際に商品を識別するために割り振る英数字の文字列を「SKUコード」と呼びます。SKUコードの作り方に、業界共通の決まった規格はなく、各社が自由に設計できます。
とはいえ、無秩序に番号を割り振ってしまうと、後から在庫を検索・照合する際に手間がかかります。一般的には、以下のような要素を組み合わせて設計されます。
- カテゴリ:商品の種類(例:トップス=TS、ボトムス=BT)
- ブランド・品番:商品シリーズを識別する情報
- カラー:色を表す略号
- サイズ:サイズを表す略号
- 連番:同一条件の商品が複数ある場合の管理番号
例えば「24SS-JK-NV-M-005」というSKUコードであれば、「2024年春夏コレクション・ジャケット・ネイビー・Mサイズ・5番目の型番」を意味する、というように、コードを見ただけで商品特性をある程度把握できる設計にしておくと、日々の運用がスムーズになります。
ただし、自社専用の番号体系であるがゆえに、他社のコードと偶然重なるリスクがある点には注意が必要です。取引先との情報連携や、複数のモールへ出品する際には、SKUコードに加えてJANコードを併用するのが現実的な運用方法です。
SKU管理のメリット
SKU単位で商品を管理することには、主に3つのメリットがあります。
発注・受発注業務の効率化
SKUごとに固有のコードで管理していれば、「男性用半袖TシャツLサイズを50枚、女性用Mサイズを30枚」といった詳細な発注も、コードと数量を指定するだけで正確に伝えられます。口頭や自然文での発注に比べて、発注側・受注側双方の手間とミスを減らせます。
誤出荷の防止
色やサイズが異なる商品を同じ管理単位で扱ってしまうと、出荷時に取り違えるリスクが高まります。SKU単位で明確に区別しておくことで、ピッキングや出荷検品の際に、正しい商品を正確に届けやすくなります。
商品単位での販売データ分析
SKUごとに売上や在庫の動きを記録しておくことで、「同じTシャツでも、どの色・どのサイズがよく売れているか」といった、商品単位での詳細な販売データを把握できます。この情報は、次のシーズンの仕入れ計画や、売れ筋・死に筋の判断材料として活用できます。
SKU管理を実務に活かすには
SKU数が少ないうちは、Excelなどの表計算ソフトでも管理は可能です。しかし、取り扱う商品数やバリエーションが増えるにつれて、手作業での管理には限界が訪れます。SKU数が数百、数千と増えていく段階では、在庫管理システムやOMS(注文管理システム)を導入し、SKU単位でのリアルタイムな在庫把握・受発注連携を仕組み化することが現実的な選択肢になります。
在庫管理システムの選び方やメリットについて詳しく知りたい方は「ECサイトの在庫管理システムとは?利用メリットやおすすめ10社を徹底解説!」を、複数の販売チャネルを横断して受注・在庫・商品情報を一元管理するOMSについて詳しく知りたい方は「OMS(注文管理システム)とは?機能や導入のメリット・デメリットについて解説」をあわせてご覧ください。
まとめ
SKUとは、在庫を管理するうえでこれ以上細分化できない最小の単位であり、同じ商品でも色やサイズが異なれば、それぞれ別のSKUとして数えます。「種類」を数えるSKUと、「個数」を数えるピースは異なる指標であり、両方を把握することで、より精度の高い在庫管理が可能になります。
JANコードは外向きの共通コード、SKUは社内管理用の最小単位という違いを押さえておくと、周辺用語との混同を防げます。SKU数は、色×サイズといったバリエーションの掛け算で算出でき、SKUコードの設計には、カテゴリ・ブランド・カラー・サイズ・連番といった要素を組み合わせるのが一般的です。
SKU単位での管理は、発注業務の効率化、誤出荷の防止、商品単位での販売データ分析という3つのメリットをもたらします。取り扱うSKU数が増えてきた段階では、在庫管理システムやOMSの導入も選択肢として検討してみてください。
SKUに関するよくある質問
Q. SKUは何と読みますか?
A. 「エスケーユー」とアルファベットをそのまま読むのが一般的です。「Stock Keeping Unit」の略称であり、特別な日本語の読み方があるわけではありません。
Q. SKU数が多いことは、良いことですか、悪いことですか?
A. 一概にはいえません。SKU数が多いということは、それだけ幅広い品揃えを提供できていることを意味しますが、同時に管理の手間やシステムの複雑さも増えます。売上に貢献していないSKUを整理する「SKUの絞り込み」も、在庫管理上は重要な視点です。
Q. SKUコードに、決まった作り方のルールはありますか?
A. 業界共通の決まった規格はなく、各社が自由に設計できます。ただし、カテゴリ・カラー・サイズといった情報をコードに含めておくと、検索や照合がしやすくなり、運用の負担を減らせます。
Q. 自社オリジナル商品にJANコードがない場合、SKUだけで管理してもよいですか?
A. 自社内で完結する運用であれば、SKUのみで管理しても問題ありません。ただし、複数のECモールへの出品や、他社との取引で商品情報を連携する場合は、共通のJANコードがあった方がスムーズに情報をやり取りできます。必要に応じて、JANコードの取得も検討するとよいでしょう。
この記事の監修者
神戸大学在学中にEC事業を立ち上げ、自社ECサイトの構築から販売戦略の立案・実行、広告運用、物流手配に至るまで、EC運営の全工程をハンズオンで経験。売上を大きく伸ばしたのち、事業譲渡を実現。
大学卒業後はW2株式会社に新卒入社し、現在は、ECプラットフォーム事業とインテグレーション事業のマーケティング戦略の統括・推進を担う。一貫してEC領域に携わり、スタートアップから大手企業まで、あらゆるフェーズのEC支援に精通している。




























