
食品ECは失敗しやすい?3つの課題と解決策・成功事例を紹介
- 食品でECに進出したいが、どんな課題があるかわからない
- 食品のECは難しいと聞くが、実態が知りたい
このようなお悩みを、EC構築システムを提供している当社でもよく聞きます。
事実、爆発的に市場規模が拡大しているEC業界の中で、「相性が悪く、失敗しやすい」と言われているのが「食品」です。
その主な要因としては「生鮮食品が扱いにくい」「実店舗の方が利便性が高い」などが挙げられます。たしかに他の商材に比べると、食品ECで成功するのは難しいといえるかもしれません。
しかし、「商圏が一気に日本全国に広がり、販路を拡大できる」のもまた事実です。
食品ECで成功するにはいろいろ方法がありますが、まずは失敗しないことが大事。そのため、知っていれば避けられる可能性のある「よくある落とし穴(課題)」と「その解決策」を知っておくのがおすすめです。
そこでこの記事では、食品ECが抱える課題と解決策などを紹介していきます。
食品ECの利用率や市場規模の実態

まず、そもそも食品ECは本当に失敗しやすいのでしょうか?
結論からいうと、EC業界の中でも食品のEC化率はとても低く、成長率も微増にとどまっている状況です。
以下の表は、物販系分野におけるBtoC-EC市場規模(法人が個人に売るネットショップ)を、2019年時点で大きい順に並べたものです。
分類 | 2018年 市場規模(億円) |
2018年 EC化率(%) |
2019年 市場規模(億円) |
2019年 EC化率(%) |
衣類・服装雑貨等 | 17,728 | 12.96% | 19,100 | 13.87% |
生活家電、AV機器、PC・周辺機器等 | 16,467 | 32.28% | 18,239 | 32.75% |
食品、飲料、酒類 | 16,919 | 2.64% | 18,233 | 2.89% |
生活雑貨、家具、インテリア | 16,083 | 22.51% | 17,428 | 23.32% |
書籍、映像・音楽ソフト | 12,070 | 30.80% | 13,015 | 34.18% |
化粧品、医薬品 | 6,136 | 5.80% | 6,611 | 6.00% |
その他 | 3,038 | 0.85% | 3,228 | 0.92% |
※経済産業省「令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる 国際経済調査事業 (電子商取引に関する市場調査)」(2020年)をもとに、当社が独自に作成
経済産業省によると、「物販系における国内BtoC-ECの市場規模」は2019年で10兆515億円にのぼり、その中でも「食品、飲料、酒類」の市場規模は3番目の大きさを誇ります。
それにもかかわらず、実際にEC化に至っている割合はなんとたった「2.89%」。
市場規模が近しい他分野のEC化率を見てみると、
- 「衣類・服装雑貨等」は13.87%
- 「生活家電、AV 機器、PC・周辺機器等」は32.75%
- 「生活雑貨、家具、インテリア」は23.32%
となるように、相対的にかなり低い数値です。
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ちなみに2018年のEC化率は「2.64%」であり、前年比0.25ポイントの微増にとどまっています。
近年では「D2C(メーカーが消費者にECで直接販売する方法)」が新しい潮流となっており、ECサイトを新たに立ち上げるケースが増えています。
そのような中でも、市場規模のわりにEC化率が低いことは「EC化が難しい」といえる一つの要素といえそうです。とはいえ、「EC化の成功/失敗」を測る要因が非常に多いためこのデータだけで「EC化が難しい」と言い切るのは難しいもの。
そこで次は「食品のEC化」が難しい要因について、ご紹介していきます。
以下の記事ではEC化率について詳しく解説しています。
ぜひ合わせてご覧ください。
【2023年版】EC市場におけるEC化率とは?日本と世界の違いや今後の予測などを解説
食品ECが失敗しやすい主な原因3つ

では、なぜ食品のEC化が進まないのかというと、以下の要因が考えられます。
- 生鮮食品の取り扱いが難しい
- 配送や手数料など事業者の負担が大きい
- ユーザーにとって実店舗の方が利便性が高い
以下で詳しく解説していきます。
1. 生鮮食品の取り扱いが難しい
何よりも「鮮度」が重視される生鮮食品において、
どれを買うか選ぶには「商品を手に取って状態を確認する」というステップが
必須と考えるユーザーは多いです。

※出典:全国スーパーマーケット協会「通信販売での食品購入実態」
しかし、ECでは実物を手に取って選ぶことができません。これは「肉や野菜など状態に個体差が出やすい食品」を購入したいユーザーにとっては、大きな不安要素となりえます。
ただ、近年はネットスーパーの利用や宅配の利用も増えてきました。食品を通信販売で買うことに消費者が慣れてきており、口コミの良い一部のお店にユーザーが殺到している事実もあります。
「ECで購入したお客様に対し、状態の良い商品を、しっかりとした梱包で配送し、真摯に対応する」といった、ごくあたりまえの営みを続けていくのがますます重要です。
2. 配送や手数料など事業者側の負担が大きい
大手通販会社では「配送料無料」が当たり前となっていますが、いち事業者がこれを実現しようとすると、大きな負担としてのしかかります。ユーザーにとっては無料でも、実際には事業者が「配送業者に対して手数料を肩代わり」する必要があるからです。
それに加え、保管設備の維持、在庫管理、ピッキング、配送手配など、さまざまなバックエンド作業でそれぞれ固定費や変動費が発生します。
特に食品ECでは保管状況に応じて、廃棄が大量に発生しやすいために冷凍が必要になったりと、費用がかかりやすいです。さらには、配送方法も常温・冷蔵・冷凍などの指定が必要になるので、手間がかかります。
保管方法や配送方法そのものは変えられないにしても、人件費削減のためにも「商品管理の効率化」が重要です。
3. ユーザーにとって実店舗の方が利便性が高い
ECの最大の強みといえば「ポチる」だけで欲しい物が手に入るその利便性ですが、食品に関しては実店舗の方が利便性が高いといえます。
なぜなら、先ほどの鮮度の確認の話だけでなく
- 生活圏内にリアル店舗がたくさん存在する
- 配達を待たずその場で手に入る
など、ユーザーの潜在的なニーズを満たす要素があるからです。これは実店舗の最大の強みであり、ECでの実現はなかなか難しいといえます。
しかし、実店舗では「在庫のロス増加」「販路の減少」など深刻な問題が浮き彫りとなってきました。
では、食品ECに良い点がないのか、活路がないのかといえばそうではありません。
以下のお役立ち資料では食品ECの失敗についてさらに詳しく解説しています。
ぜひ合わせてご覧ください。
食品ECならではの強み・メリット

もちろん食品ECにも実店舗にはないメリットがたくさんあります。
例えば、
- 商圏が一気に日本全国に広がり、販路を拡大できる
- 24時間365日販売できる
- 「棚」に限りがないので、ニッチな商品を取り揃えられる
- 商品情報や背景にあるストーリーを直接ユーザーに伝えられる
ということです。
1. 商圏が一気に日本全国に広がり、販路を拡大できる
食品ECを展開することで、今までターゲットにすることが難しかったユーザーを取り込むことが可能になり、商圏を一気に日本全国へと拡大できます。また、場所だけでなく時間も問わず、幅広い層にアプローチすることが可能です。
2. 24時間365日販売できる
食品に限らないECのメリットですが、「商品ページを用意すれば24時間365日販売を受けつけられる」というのはとても大きな強みです。特にさまざま事情で開店時間や開店日数を減らさざるを得ないような店舗にとっては、大きなメリットとなります。
3.「棚」に限りがないので、ニッチな商品を取り揃えられる
こちらも食品に限らないECのメリットですが、実店舗と違って「お客様に見せるための棚」にほぼ制限がありません。そのため、倉庫の中身をすべてお客様に見せられます。
すると「多くは売れないものの、確実に定期的に少数売れる利幅の大きい商品」などを提供できます。一つ一つの売上は小さくても、利幅の大きい商品を多数売ることができれば、高利益体質になる可能性もあります。
4. 商品情報や背景にあるストーリーを直接ユーザーに伝えられる
商品情報をはじめ、「生産者の思い」や「商品の背景」に至るまで、企業がもつストーリーを直接ユーザーへ伝えることも可能です。
メッセージ性の強いものは購買意欲をかき立てるため、強力なメリットであると言えるでしょう。スーパーで、「生産者の○○さん」が紹介されている野菜と、産地しか分からない野菜が並んでいるときに、つい前者を選びたくなる心理と同じです。
その他、食品ECで売上UP施策14個を以下の資料で紹介しているので、この記事と合わせてぜひご覧になられてはいかがでしょうか。
食品ECの構築で課題を解決!

ここまで述べてきた食品ECの課題を解決しつつ、強みを活かすには「食品向けカートシステム」を使うのがおすすめです。
成功するのが難しい言われる食品ECにおいても、以下のような機能が実装されたカートシステムであれば、事業者とユーザーどちらのニーズも満たすことが可能になります。
❶冷蔵・冷凍の配送対応
徹底した管理が必要となる冷蔵・冷凍食品、飲料において、ユーザーのニーズに合わせた配送日程や配送方法を細かく設定することができる機能。これによって生鮮食品の取り扱いも可能に。
❷CS機能によるオフライン連携
ECサイト以外からの注文にも対応した機能。電話や紙からの申し込みなど、「オフライン販売」による情報のデータを一元管理できます。顧客分析や業務の効率化が可能に。
❸定期配送・サブスク対応
ECならではの強みである「定期購入」に対応した機能。定期や頒布会機能により、指定した間隔で自動決済、受発注が可能になり、安定した売上やLTVの向上を実現。もちろん単品購入も可能です。
カートシステムを使った食品ECでは、これらの機能によってユーザーのニーズを満たしつつ、さらに「実際に行くことのできないお店の食品が買える」という付加価値を与えることができます。
以下のお役立ち資料では食品ECの売上UP施策をご紹介しています。
ぜひ合わせてご覧ください。
食品向けカートシステムなら「W2Repeat Food」がおすすめ

前述した機能をすべて兼ね備えた食品向けカートシステムを選ぶなら、「W2Repeat Food」がおすすめです。
他のカートシステムより「W2Repeat Food」が選ばれる理由は、以下の通りです。
❶機能が豊富でカスタマイズの自由度が高く、制限が少ない
デザイン性が高いだけでなく、カートとしての機能も充実。ポイントや会員ランク、ステップメールや定期販売機能など、ECサイトの売上向上に欠かせない販促機能をなんと1000も実装。さらにオフライン販売にも力を入れるなど、他システムにはない要件を満たしています。
❷セキュリティが強力
大手企業が最も懸念するのがセキュリティ問題。W2Repeat Foodでは、世界最高水準のセキュリティといわれるMicrosoft社の「MS資格」など多数取得。また、セキュリティ会社が提供している脆弱性診断テストも実施済みです。
❸導入支援・運用を徹底サポート
はじめてのシステム導入は分からないことだらけ。そこでW2Repeat Foodでは、高い提案力をもつパートナーとしてECサイト構築をサポート。導入後もカスタマーサクセスチームによる徹底したサービスが受けられます。
さらに詳細を知りたい方は、「W2Repeat Food」をご確認ください。きっとあなたのニーズに応える機能が充実しているはずです。
また、食品・飲料業界導入事例をご紹介します。ぜひ合わせてご覧ください。
食品ECで売上を伸ばした成功事例

旬の野菜や果物、肉、米、水産品など、多岐にわたる食品を取り扱う「全国農協食品株式会社」様では、実際にW2のプラットフォームを導入し売上2倍達成に成功しました。
もともとは紙カタログの頒布会による予約販売をメインに行っていたものの、お客様の「オンラインで頒布会を実現したい」という要望から、徐々にオンラインへの移行に至ったそうです。
その結果、紙書類の送付にかかっていた費用や作業時間を大幅に削減することに成功。さらには売上も2倍にまで伸びました。
W2Repeat Foodでは、このように大幅に売上アップに成功した事例が多数存在します。なんと売上成長率354%を実現した実績も。
その他の事例やより詳しい製品情報情報についてはぜひ下記からご覧ください。
まとめ:食品ECサイトを構築して売上拡大を目指そう
改めてここまでの要点をまとめます。
- さまざまな要因から食品ECは「実店舗に勝てない」「失敗しやすい」と言われている
- しかし「時間と場所を問わず商圏を日本全国に拡大できる」「商品のストーリーを直接ユーザーに伝えられる」などのメリットがある
- 食品向けのカートシステムを使えば、課題を解決しつつ強みを生かした食品ECの展開が可能
- W2Repeat Foodなら、すでに売上アップした成功事例が多数存在する
一般的に「成功するのが難しい」と言われる食品ECですが、必要な機能が備わったカートシステムを使って正しい運営を行えば、今まで以上に売上アップを図ることが可能です。
このご時世で「実店舗だけでの販売に限界を感じている」「販路を確保したい」などの課題を抱えている事業者は、食品向けのカートシステム導入を検討してみてはいかがでしょうか。
また、食品ECのECカートシステムの選定で失敗した企業の事例を詳しく知りたい場合は、以下の資料もぜひ参照ください。