
Webサイトでリピート通販を始めるのであれば、まずは立ち上げからさまざまな工夫が必要です。
システムの選び方や収益化の道筋について、ポイントが分かりづらいですね。
また、リピート通販のメリットとデメリットの両方を把握しておくことも大事です。
この記事では、リピート通販で安定して収益を得るための方法を解説します。
リピート通販のメリット・デメリット・向いている商材を確認
まずは、リピート通販のメリットとデメリットを学びましょう。
適している商材を知っておくと、よりビジネスはスムーズに進めることができます。
以下、具体的に説明していきます。
「リピート通販」「単品リピート通販」とは何か
そもそもリピート通販とは、顧客に繰り返し商品を購入してもらうことを前提としたビジネスの仕組みです。
つまり「定期通販」ですね。
定期購入では「1カ月ごと」、「2カ月ごと」など、決められたインターバルで一定の量を顧客に買ってもらう必要があります。
最初に契約してもらった時点で期間中の売り上げが見込めるのが特長です。
定期購入では、商品が1種類、または少数に絞られていることも珍しくありません。
こうした形態を「単品リピート通販」と呼びます。
ただ、実際には単品リピート通販を「単品通販」と呼ぶ人がいるなど、明確なルールがあるわけではありません。
また、何品までに絞られていたら単品扱いになるのかも規定はなく、定義は明確ではありません。
通販サイトや運営者の感覚で、ビジネスの呼び名は変わります。
なお、単品リピート通販の対極にあるのが「総合通販」です。
Amazonなどの大手ショッピングサイトなど、充実したラインナップの中から顧客が自由に商品を選ぶ方式です。
こうしたサイトでは顧客が商品を買う時期、個数などが決まっているわけではなく、品揃えが訴求ポイントになっています。
リピート通販のメリット
なぜリピート通販が増えているのかというと、「売上を予測しやすい」からです。
顧客と契約を結んだ時点で、確実に一定期間の売り上げを見込むことができます。
少なくとも解約されたり商品が生産停止になったりしない限り、安定した売り上げが入ってくる仕組みです。
また、商品の種類がごく少ないため以下のようなメリットもあります。
- 現場がオペレーションしやすい
- 覚えるべき作業を減らせるのでスムーズに販売を行える
- 保管場所など管理が大変でなく費用が抑えられる
さらに「価格競争を避けられる」のも強みです。
人気商品を取り扱っていると、他のサイトと顧客を奪い合うことになるので、どうしても価格で勝負しなければなりません。
しかし、リピート通販であればオリジナル商品で契約者を募ることができます。
他社にはない魅力さえ打ち出せれば、無理に価格を下げなくても売り上げを確保できます。
リピート通販のデメリット
最大のデメリットは「商品がヒットしなかったときの痛手」です。
少数の商品に依存しなければならないので、マーケティングが失敗すると大打撃を受けます。
市場調査と企画開発の精度を常に高め続けなくてはなりません。
また、新開発のオリジナル商品を訴求する場合など、マーケティングの難易度が高いのも注意したいポイントです。
既存のデータがあてにならず、暗中模索になってしまうことも少なくありません。
さらに後述するものの、リピート通販は「同じ人に何度も買ってもらう」ことがマーケティングの基本です。
これまで「多くの人に買い物をしてもらう」という考え方で商売をしてきた人であれば、切り替えが難しく苦労することも考えられます。
リピート通販に向いている商材
サイトに向いている商材が分かれば、マーケティング活動をしやすくなります。
リピート通販であれば、定期的に購入されやすい消耗品、たとえば食品や飲料、美容品などが該当します。
また、顧客のこだわりが強い商品でもあるので上手に魅力を伝えられればリピーターを獲得できます。
美容・健康商材を定期購入する層では継続的に使用することで効果を発揮します。
そのため、1、2回だけ買って終わるケースが少ないといえます。
顧客が満足さえすれば、リピート契約に結びつけやすいのです。
そのほか、競合他社の少ない「オリジナル商品」を開発するのもひとつの方法です。
どこでも買える商品なら通販を利用する必然性が低いため、独自性を押し出すのは得策でしょう。
ただ、単品リピート通販では少数の商材に収益を頼らなくてはなりません。
商材選びを慎重に行うことは必須です。
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ありがちなリピート通販失敗例!マーケティング方法を間違えない
リピート通販に多い失敗として、「特性への無理解」が挙げられます。
ビジネスの基本は、自社の強みや特徴を自覚しながら的確に訴求を行っていくことです。
リピート通販の良さを把握しないまま、的外れなマーケティング手法に固執していても売上は伸びません。
たとえば、「RFM分析」はリピート通販向きではないといえます。
RFM分析は最新購入日、購入頻度、降雨入金額といった要素を基にして顧客を分類していく手法です。
通常のビジネスでは、顧客層を絞り込む際に役立ちます。
しかし、リピート通販では購入頻度や購入金額にばらつきがないので、分類する条件になりえないのです。
このように、リピート通販では有名なマーケティング手法をそのまま流用しても期待する効果が期待できないことが珍しくありません。
むしろ、不正確なデータが算出されてしまってビジネスに支障をきたすリスクすら生まれます。
リピート通販においては、「LTV」というポイントを重視してみましょう。
リピート通販で成功するには?最も大事な指標LTVについて
「LTV」はリピート通販を成功させるうえで非常に重要な概念です。
マーケティング活動に役立てられるので、概要から算出方法から収益の増加まで繋がるため重要性を知っておきましょう
LTVとは?重要性と計算方法
そもそもLTVとは、Life Time Value(ライフタイムバリュー)の略称です。
直訳すれば「生涯売上」となります。
すなわち、LTVは1人の顧客が生涯において、企業やサービスに対してもたらす利益を数値化したものです。
LTVを算出すれば、契約者1人につき、企業側がどれだけの収益を得られるのかを知る明確な指標とすることができます。
LTVの計算方法は主に2種類です。
まず、「年間売上高÷年間顧客数」によって割り出す方法です。
リピート通販に特化しているサイトであれば、総売上を顧客数で割ればそのままLTVとなります。
もうひとつは「平均客単価×平均購買頻度(年間)」によって求めるパターンです。
継続的に商品を購入してくれているなら、単価に購入回数をかけるだけでLTVを知ることは可能です。
LTVが重要なのは、リピート通販が同じ商品を何度も顧客に購入してもらうことで成り立っているビジネスだからです。
その前提がある以上、RFM分析のように顧客を区別して、それぞれの特性を掘り下げていくようなマーケティングは非効率的です。
リピート通販は長期的に売り上げを重ねていって収益化するスタイルなので、LTVのほうがより適切な考え方となります。
LTVを活用する方法
計算式によってLTVを求めた後、「新規顧客獲得にかける費用」を決めることに数字を利用しましょう。
新規顧客をつかまえるためのコストは無視できるものではありません。
人件費や宣伝費、場合によってはツールの導入費用もかかってきます。
1件の注文にかかった費用(CPO)がLTVを上回ってしまうと、そのビジネスは赤字になってしまいます。
LTVがはっきりしていることで、サイト運営者はビジネスを黒字に収めるための費用の上限を設定できるようになるでしょう。
適切な予算を割り当てながら、集客に力を注げます。
すなわち、CPOをできるだけ低くしてLTVを高めていくことがリピート通販を収益化させる基本的な考え方です。
また、LTVを深く分析していけば、ビジネスを進めながら新しい発見が生まれます。
「メインターゲットは若年層だと思っていたのに、実際には中高年のLTVのほうが高かった」といった気づきを得られるでしょう。
特定のイベントについて、「開催中のLTVに変動があった」などの影響も見つけられます。
こうした成果や教訓を踏まえたうえでマーケティング戦略を建て直せば、リピート通販の成長につなげることができるでしょう。
LTVを上げるためのコツ
関わる要因の中から効果が大きいものの数字を上げたり下げたりすれば、LTVを高くすることは可能です。
たとえば、LTVは商品の単価に左右されます。
1個あたりの料金設定を高くすれば、LTVを上げられるかもしれません。
ただ、これまで安価で販売してきた商品を急に値上げしてしまうと、顧客の不満を買いサービスからの離脱にもつながりかねません。
解約者が続出してしまうこともありえます。
そこで、値上げをする代わりに商品のグレードも高めるなどの工夫が必要になるのです。
次に、「購入頻度を増やす」のもひとつの方法です。
具体的には、購入頻度が落ちた顧客に対し、リマインドメールを送るなどの手段が挙げられます。
解約をしていない限り、再び商品を買ってくれる可能性は残されているので、根気強く働きかけましょう。
特に宣伝する商材がないのであれば、日ごろの感謝をメールやDMで送ることもひとつの方法です。
単にサイトの存在を忘れていただけの場合、何気ないきっかけで思い出してくれる顧客も少なくありません。
そのほか、サイトのサポートを改善することもLTV向上に関係します。
電話サポートを設けたり、商品を余らせてしまった顧客には1カ月定期購入を休止できるようにしたりするなど、消費者目線のサービスがあるとLTVの数値に好影響をもたらします。
リピート通販の立ち上げ準備に必要なもの
リピート通販を始めるのであれば、当然ながら「商品」が必要となります。
競合他社と訴求ポイントが被らないよう、独自のメリットを打ち出せる商品を選びましょう。
さらに他にもこれらのものが必要になります。
・通販サイト
・カートシステム
・物流システム
上記のシステムはサイトの仕様や商品の数、ジャンルによって変わります。
単品リピートで少数の商品だけを扱うのであれば、複雑な仕組みがなくても事足りるでしょう。
一方、カートシステムも顧客の使い勝手に直結します。
操作が難しいと、商品をカートに入れてから「面倒なのであきらめよう」と考える顧客が出てくるからです。
顧客の流入元として、LPも重要ですね。
そして、万全を期すなら「コールセンター」を置くことも肝心です。
顧客からの意見を吸い上げ、業務改善を行うために役立ちます。
ただ、自社で運営するのが手間になるなら外注するのも効率的です。
そのうえで、物流システムも確立させておかなくてはなりません。
発送の遅れは顧客を囲い込むうえで致命的な欠点となります。
指示をスムーズに出せるよう、しっかりとした物流システムを構築しておきましょう。
カートシステムは何を選べば良い?
まず、カートシステムとは「Web上で商品を販売できる仕組み」を指す言葉です。
ネットユーザーがサイト内で商品を選び、購入に進める状態へと至ることを「商品をカートに入れる」と称します。
カートシステムは決済から物流までの連携をするのに必須のシステムです。
そして、選ぶポイントとして顧客にとって決済がしやすいように多種多様の決済が可能なカートシステムにすることが大事です。
ちなみに、リピート通販向けのカートシステムもリリースされています。
リピート通販では切り売りのショッピングと違って、自動決済や次回配送の手続き、顧客管理などさまざまな機能が求められます。
通常のカートシステムではリピート通販に必要な機能を備えていないこともあるため、リピート通販専用のシステムをおすすめします。
また、カートシステムを探す際には、コストだけでなく機能性に注目しましょう。
決済機能や安全性など、顧客が不安を感じずに使える構造となっているかが肝心です。
さらに、万が一のサポート体制も重要になります。
運営者が使いやすいシステムを提供しており、なおかつアフターフォローも信用できるベンダーに相談しましょう。
LTVに注目してリピート通販を成功させよう
リピート通販は特定の商品だけに絞ってビジネスを展開できるスタイルです。
そのため、そのほかの通販サイトに比べるとコストを安く抑えられます。
価格競争にも巻き込まれず、自社の独自性を打ち出しながら商品を展開できるでしょう。
リピート通販で確実に収益を上げていくには、LTVの向上に努めながら顧客満足度を高めることが肝心です。