【2026年】生成AIの利用率データまとめ|個人・企業・年代別の推移と市場規模
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【2026年】生成AIの利用率データまとめ|個人・企業・年代別の推移と市場規模

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「生成AIの利用率」を調べると、数字が合いません。ある記事は「日本の利用率は58.8%」と書き、別の記事は「約5割」、さらに別の記事は「4割台」と書いています。どれも出典のある数字なのに、なぜずれるのか。企業になると、「86.4%が利用」という数字と、「活用している企業は34.5%」という数字が並んで出てきます。

社内の資料や提案書に載せるとき、どれを使えばよいのか迷います。理由は、数字の優劣ではなく、数えているものが違うことにあります。「使ったことがある」人なのか、「いま使っている」人なのか。15〜69歳なのか、20〜69歳なのか。誰を分母にしたのか。この3点がわからないまま並べても、比べたことにはなりません。

この記事は、総務省の令和8年版情報通信白書(2026年7月公表)を軸に、民間の個人向け調査、Microsoftの利用ログ、企業向けの調査、市場規模の予測を、同じ形の表に並べ直しました。各数字には、対象、サンプル数、数えている内容を添えています。白書の58.8%は年代ごとの率の平均にあたるため、人口で重みづけし直した試算(約54%)も載せました。

後半には、EC・買い物でのAI利用率の章を設けました。調査ごとに分母が違う数字をそろえて読み、AI経由で購買が起きる流れにEC事業者がどう備えるかまで進めます。ECの市場全体はEC市場規模、AIが買い物を代行する流れはエージェンティックコマースで扱っています。

この記事でわかること

調査の定義によって、約4割から6割まで分かれます。総務省の令和8年版情報通信白書では、15〜69歳の58.8%が「使っている(過去使ったことがある)」と答えました。民間の調査では、ICT総研が54.7%(直近1年以内)、モバイル社会研究所が51%、NRCが48.5%(利用経験)と42.9%(現在利用)、エクスクリエが40.6%(月1回以上)です。

白書の日本は、15〜19歳が91.7%、20代が78.2%、60代が33.5%です。2025年度の国別は、日本58.8%、米国75.6%、ドイツ75.6%、中国93.6%。日本は前年度の26.7%から約2.2倍に増え、4か国でもっとも伸びましたが、「ほぼ毎日」使う人の割合は4か国で最も低くなっています。

白書は、日本企業の86.4%が何らかの業務で生成AIを使っているとしています。一方、帝国データバンクの調査で「活用している」企業は34.5%です。答えた企業の範囲と質問が違うため、2つの数字は同じ物差しでは比べられません。違いの内訳は、企業の章で説明します。

OpenAIは、2026年2月に週間利用者が9億人に達したと公表しています。日本では、ヴァリューズの推計で、2026年5月の月間利用者が約2,670万人です。世界の週間、日本の月間、アンケートでの利用経験は、数え方が3種類あり、並べて増減を語ることはできません。

どこまでを市場に含めるかで数字が変わります。世界の生成AI市場は、Statistaの数字で2025年に669億ドル、2031年に4,421億ドルです。国内は、IDC Japanが生成AIを含むAIプラットフォーム市場を2025年3,083億円、2030年2兆3,851億円と予測しています。

博報堂買物研究所の調査では、買い物(サービス利用を含む)で生成AIを使っている人は、20〜69歳の全体の24.6%でした。Iteraの調査では、直近1年に商品・サービス選びで生成AI・AI検索を使った人が34.0%です。EC事業者が確かめたいデータと、AI経由の購買への備えは、後半の章にまとめました。

目次
  1. 01|生成AIの利用率は何割か:個人向け主要調査の早見表
  2. 02|日本の生成AI普及率の推移:白書は2023年度の9.1%から、2025年度の58.8%へ
  3. 03|年代別の利用率:15〜19歳の91.7%から、60代の33.5%まで
  4. 04|国際比較:日本は米国・ドイツに近づいたが、30〜40代の差が大きい
  5. 05|利用頻度とサービスの中身:テキスト生成が中心で、毎日使う人はまだ少ない
  6. 06|職種別の使う頻度:マーケティング・広報は65.1%、カスタマーサポートは27.4%
  7. 07|ChatGPTの利用者数:世界の週間、日本の月間、アンケートの3つの数え方
  8. 08|企業の生成AI利用率:86.4%と34.5%は、なぜ違うのか
  9. 09|生成AI・AIの市場規模:数字ごとに、含む範囲が違う
  10. 10|EC・買い物でのAI利用率:24.6%、34.0%、約28%は、分母が違う
  11. 11|AI経由の購買への対応:流入、商品情報、AIの回答の3つを確かめる
  12. 12|W2 Commerce:AI経由の購買に備えるEC基盤と、拡張プラグイン
  13. 13|利用率の数字を使うときの選び方:場面別の早見表
  14. 14|生成AIの利用率に関するよくある質問
  15. 15|まとめ:次にとる行動

生成AIの利用率は何割か:個人向け主要調査の早見表

日本の個人を対象にした主な調査を、1つの表にまとめました。「数えている内容」の列が、数字を読むときのいちばんの手がかりです。

調査(公表時期) 対象・規模 数えている内容 数字 区分
総務省 令和8年版 情報通信白書(2026年7月) 15〜69歳、日本1,236人(各年代206人)。2026年1〜2月 業務や日常生活で、生成AIサービスを一つでも「使っている(過去使ったことがある)」 58.8% 利用経験
ICT総研(2026年2月公表) Webアンケート、インターネット利用者2,024人。年齢の範囲は非公表 直近1年以内に何らかの生成AIサービスを利用 54.7%(前回は29.0%) 直近1年
NTTドコモ モバイル社会研究所(2026年4月公表) 15〜69歳、7,223人。人口構成に割り付け。2026年2月 対話・相談、検索・テキスト生成、動画・画像・音楽生成のどれか1つ以上を利用 51%(2025年2月は27%) 質問文は非公表
NRC デイリートラッキング(2026年4月公表) 20〜69歳、毎日約150件。人口構成にウェイト。2026年3月 利用したことがある/現在利用している 48.5%/42.9% 利用経験/現在利用
エクスクリエ(2026年5月公表) 15〜69歳、5,825人(スクリーニング調査) 月1回以上の利用 40.6% 月1回以上
ビデオリサーチ ACR/ex(2026年、速報) 12〜69歳、12,026人。2026年4〜6月 直近1か月の利用 60%(2025年4〜6月は38%) 直近1か月
Microsoft AI Economy Institute(2026年) 15〜64歳。利用ログからの推計 その四半期に生成AI製品を使った人の割合 22.5%(2026年1〜3月) 利用ログ推計

数字は22.5%から60%まで、2.7倍近い幅があります。同じ日本の個人なのに、これだけ開く理由は、表の「数えている内容」と「対象・規模」の列に出ています。58.8%と48.5%は「使ったことがある」で、近い質問です。ICT総研の54.7%は期間を直近1年に区切った数字です。「いま使っている」に絞ると、NRCでは42.9%に下がります。月1回以上ならエクスクリエの40.6%で、ビデオリサーチの直近1か月は12歳から対象のため、さらに別の物差しです。Microsoftの22.5%は、アンケートに答えた人ではなく、利用ログから推計した人数割合なので、アンケートとは並べずに別の物差しとして扱います。

数字がずれる4つの理由

数字がそろわない理由は、調査の設計にあります。表から読み取れるのは、次の4点です。

ひとつめは、数える内容です。「過去に使ったことがある」は、1回試しただけの人も含みます。「月1回以上」や「直近1か月」は、いまも使い続けている人に近づきます。ふたつめは、対象の年齢です。白書は15〜69歳、NRCは20〜69歳、ビデオリサーチは12〜69歳です。白書では若い年代ほど利用率が高いため、どこから対象にするかで全体の数字が動きます。白書は2025年度から15〜19歳を対象に加えており、2024年度までの数字と厳密には比べられません。

みっつめは、抽出と集計の方法です。白書は、各年代に同じ人数(日本は206人ずつ)を割り付けており、全体の58.8%は6つの年代の率の平均にあたります。実際の人口は50代や40代が多く、15〜19歳が少ないため、人口の構成で重みづけすると数字は変わります。この試算は、年代別の章に載せました。

よっつめは、調査の時期です。NRCの利用経験率は、2025年12月に45.4%、2026年3月に48.5%でした。わずか3か月で3.1ポイント動いています。2026年1〜2月に行った白書の数字と、同年3月のNRCの数字は、ほぼ同じ時期の調査として並べられますが、4〜6月のビデオリサーチの数字は、それより新しい時点のものです。

日本の生成AI利用率を調査ごとに並べた棒グラフ。ビデオリサーチ60%、総務省白書58.8%、ICT総研54.7%、モバ研51%、NRC48.5%と42.9%、エクスクリエ40.6%、Microsoft22.5%

日本の生成AI普及率の推移:白書は2023年度の9.1%から、2025年度の58.8%へ

総務省の白書で、日本の「使っている(過去使ったことがある)」は、2023年度が9.1%、2024年度が26.7%、2025年度が58.8%でした。2年で約6.5倍です。ただし2025年度は、15〜19歳が対象に加わっています。白書は20歳以上に限った値も示しており、それは52.2%でした。2024年度と対象をそろえて比べると、増加幅は32.1ポイントではなく、25.5ポイントです。

同じ「推移」でも、調査ごとに比べた時点が違います。比べられる組み合わせを表にしました。

調査(数え方) 比べた時点 数字の推移 増加幅
総務省 白書(利用経験) 2023年度→2024年度→2025年度 9.1%→26.7%→58.8% 2024年度→2025年度で+32.1ポイント(20歳以上のみで比べると+25.5ポイント)
モバイル社会研究所(どれか1つ以上を利用) 2025年2月→2026年2月 27%→51% +24ポイント(2025年の集計の定義は非公表)
ビデオリサーチ(直近1か月) 2025年4〜6月→2026年4〜6月 38%→60% +22ポイント
NRC(利用経験) 2023年3月→2025年12月→2026年3月 3.4%→45.4%→48.5% 2025年12月→2026年3月で+3.1ポイント
ICT総研(直近1年) 前回→2026年2月 29.0%→54.7% +25.7ポイント(前回の時期は非公表。回答者は4,290人で、今回と別の標本)
Microsoft(利用ログ推計) 直近3四半期 16.7%→19.1%→22.5% 2026年1〜3月までの3四半期で+5.8ポイント

12か月前と比べているのは、白書(20歳以上のみ)、モバイル社会研究所、ビデオリサーチの3つです。増加幅は+25.5、+24、+22ポイントで、定義も対象年齢も違う調査なのに、20ポイント台前半から半ばにそろっています。ICT総研の+25.7ポイントも同じ範囲ですが、前回の調査時期がわからないため、1年間の伸びとしては扱っていません。NRCの直近3か月の+3.1ポイントは、年間のペースを見るには短い期間です。同じ調査の次回以降の数字で確かめることになります。

Microsoftの利用ログ推計は、動き方が別です。アンケートの利用率が1年で20ポイント台伸びたのに対し、ログでは3四半期で5.8ポイントでした。アンケートの「使ったことがある」と、ログの「期間中に使った人」は測っているものが違うため、伸びの大きさを並べて比べることはできません。

日本の生成AI利用率の推移の折れ線グラフ。総務省白書は2023年度9.1%から2025年度58.8%、NRCは2023年3月3.4%から2026年3月48.5%、モバ研は27%から51%、ビデオリサーチは38%から60%

年代別の利用率:15〜19歳の91.7%から、60代の33.5%まで

白書の日本は、年代が上がるほど利用率が下がります。15〜19歳が91.7%、20代が78.2%、30代が56.3%、40代が49.0%、50代が44.2%、60代が33.5%で、最高と最低の差は58.2ポイントです。人口の構成と並べて、全体の数字がどう決まっているかを確かめます。

年代 白書の利用経験率(日本) 人口(万人、2025年10月1日概算値) 人口構成比(15〜69歳)
15〜19歳 91.7% 547 6.8%
20代 78.2% 1,278 15.8%
30代 56.3% 1,316 16.3%
40代 49.0% 1,594 19.7%
50代 44.2% 1,841 22.8%
60代 33.5% 1,495 18.5%
全体(6つの年代の単純平均) 58.8% 8,071 100%
全体(人口で重みづけした試算) 約53.7% 8,071 100%

白書の58.8%は、各年代を206人ずつ集めた調査の、6つの年代の率を平均した値です。実際の15〜69歳の人口では、15〜19歳が6.8%しかいない一方、利用率の低い50代と60代で41.3%を占めます。各年代の率に人口を掛けて合計し、8,071万人で割ると、約53.7%になりました。白書が20歳以上のみで示す52.2%も、同じ方法で重みづけすると約51.0%です。

この試算は、年代ごとの率を、その年代の人口全体に当てはめた概算です。白書の調査はインターネット調査で、回答するモニターが対象のため、日本の全人口を代表した値とは限りません。それでも、重みづけした約54%は、NRC(20〜69歳)の48.5%、モバイル社会研究所の51%、ICT総研の54.7%と並ぶ水準になります。日本の個人全体を1つの数字で言うなら、5割前後が無理のない読み方です。

年代別の数字には、標本の大きさも関わります。日本は各年代206人で、50%前後の率なら、単純無作為抽出を仮定した目安で±7ポイント程度の幅があります(試算。モニター調査の実際の誤差とは一致しません)。NRCの利用経験は20代が69%、60代が37%で、白書の78.2%と33.5%と比べて、20代で約9ポイント、60代で約3.5ポイントの差です。NRCの20代は、男性が70%、女性が68%で、性別による差はほとんど見られません。年代別の数字は、数ポイントの違いを読みすぎないほうが安全です。

日本の年代別の生成AI利用経験率と人口構成比。15〜19歳91.7%から60代33.5%まで下がり、単純平均58.8%に対して人口で重みづけすると約53.7%

国際比較:日本は米国・ドイツに近づいたが、30〜40代の差が大きい

白書は、日本、米国、ドイツ、中国の4か国で、同じ質問を使って生成AIの利用経験を聞いています。2025年度の国別の数字は次のとおりです。

国 2024年度 2025年度 増加幅
日本 26.7% 58.8% +32.1ポイント
米国 68.8% 75.6% +6.8ポイント
ドイツ 59.2% 75.6% +16.4ポイント
中国 81.2% 93.6% +12.4ポイント

日本は2024年度、4か国で最も低く、米国との差は42.1ポイント、ドイツとの差は32.5ポイントありました。2025年度は、どちらとも16.8ポイントまで縮まっています。日本の増加幅の一部は、15〜19歳が対象に加わったことによるものです。それでも、4か国のなかで日本の伸びがもっとも大きいことに変わりはありません。

年代別に並べると、差の出どころがわかります。

年代 日本 米国 ドイツ 中国
15〜19歳 91.7% 81.7% 98.1% 96.2%
20代 78.2% 91.3% 94.2% 98.1%
30代 56.3% 87.5% 88.5% 96.2%
40代 49.0% 79.8% 74.0% 96.2%
50代 44.2% 62.5% 53.8% 88.5%
60代 33.5% 51.0% 45.2% 86.5%

15〜19歳は、日本の91.7%が米国の81.7%を10.0ポイント上回っています。20代では米国を13.1ポイント下回り、差は30代で31.2ポイント、40代で30.8ポイントまで開きます。50代と60代の米国との差は、18.3ポイントと17.5ポイントに戻る形です。ドイツとの差も30代の32.2ポイントが最大で、50代は9.6ポイントまで縮みます。日本全体の数字を米独から離しているのは、30〜40代の利用の少なさでしょう。中国は、全年代で86%を超えています。

各年代の標本は、日本が206人、米独中が104人です。50%前後の率なら、単純無作為抽出を仮定した目安で、日本が±7ポイント、米独中が±10ポイント程度の幅になります(試算)。30〜40代の30ポイント前後の差は、この幅を上回っています。

利用ログで見ると、日本は世界の平均を上回る

アンケートとは別に、Microsoft AI Economy Instituteは、利用ログから、15〜64歳のうちその四半期に生成AI製品を使った人の割合を、国ごとに推計しています。2026年1〜3月の世界全体は17.8%で、直近の4四半期でみると、15.1%、16.3%、17.8%、18.8%(2026年4〜6月)と上がりました。上位は、UAEの70.1%、シンガポールの63.4%、ノルウェーの48.6%、アイルランドの48.4%、フランスの47.8%です。米国は31.3%で21位でした。

日本は22.5%で48位です。16.7%だった時点の56位から、順位を8つ上げました。世界全体の17.8%は上回っていますが、平均との比較は、含まれる国の構成にも左右されます。アンケートの白書では、日本と米国の差が16.8ポイントでしたが、ログの推計では8.8ポイントです。日本の22.5%が白書の58.8%より低いのは、「過去に使ったことがある」と「その四半期に使った」では、数えている内容も方法も違うためで、どちらかが誤りということではありません。

利用頻度とサービスの中身:テキスト生成が中心で、毎日使う人はまだ少ない

白書は、「使ったことがある」という利用経験のほかに、使う頻度とサービスの種類も聞いています。サービスの種類ごとの利用経験率を、日本の前年度と、4か国の2025年度で並べました。

サービスの種類 日本 2024年度 日本 2025年度 米国 2025年度 ドイツ 2025年度 中国 2025年度
何らかのサービス 26.7% 58.8% 75.6% 75.6% 93.6%
テキスト生成 24.0% 55.0% 65.4% 66.0% 88.3%
画像・動画 7.5% 16.3% 41.0% 47.6% 55.8%
音声 4.2% 6.5% 29.3% 28.0% 44.1%
音楽 3.1% 5.8% 29.3% 26.0% 33.7%
コード 5.3% 7.0% 35.4% 25.0% 33.5%
その他 3.9% 8.4% 36.2% 38.6% 39.6%

日本は、テキスト生成が24.0%から55.0%へ約2.3倍になり、画像・動画も7.5%から16.3%へ約2.2倍に増えました。米国との差を見ると、テキスト生成は10.4ポイントにとどまる一方で、画像・動画は24.7ポイント、音声は22.8ポイント、コードは28.4ポイントです。日本の利用の伸びはテキスト生成に集中しており、画像、音声、コードの用途は、米独中に比べて少ない状態です。

使う頻度でも、日本は少なめです。白書によると、利用経験者のうち「ほぼ毎日」使う人は、日本が約3割で、米国、ドイツ、中国の4割超を下回りました。「週に少なくとも1回」を加えても、日本は4か国で最も低くなっています。日本の年代別では、20代の「ほぼ毎日」が約4割で最も高く、30代と15〜19歳は3割程度です。これらは利用経験者が分母の数字です。回答者全体に直すと、58.8%の約3割で、およそ18%、2割弱にあたります(約3割を30%として計算した試算)。

使う場面は、モバイル社会研究所の調査(15〜69歳)で、プライベートが46%、仕事・学業が38%でした。利用の理由と、使わない理由も、白書に載っています。利用経験者が挙げた理由の上位は、「利用にかかるお金が無料又は安い」の53.9%、「時間や手間を省いてくれ、作業の効率が上がる」の42.8%、「多様な発想や視点を示してくれる」の34.1%でした。「使っていない」と答えた人がテキスト生成AIを使わない理由は、「自分の生活や業務に必要ない」が42.4%、「使い方がわからない」が38.8%で、後者は日本が4か国で最も高くなっています。

職種別の使う頻度:マーケティング・広報は65.1%、カスタマーサポートは27.4%

仕事での使い方は、職種による違いも大きなものです。ラグザスの調査(2026年7月21〜22日、インターネット調査)は、東京都と大阪府に住む20〜59歳のうち、企業に勤めて職種が比較対象に当てはまる2,319名を分析しています。「毎日」または「週に数回」使う人の割合は、次のとおりでした。

職種 「毎日」または「週に数回」使う人の割合
人事・採用 65.1%
マーケティング・広報 65.1%
企画・商品企画・事業企画 59.9%
エンジニア・情報システム 57.4%
カスタマーサポート・コールセンター 27.4%

上位は人事・採用とマーケティング・広報の65.1%で、最も低いカスタマーサポート・コールセンターの27.4%とは、約2.4倍、37.7ポイントの差があります(倍率と差は当社試算)。営業や一般事務・営業事務なども3割前後と、リリースに書かれています。ECの運営に近い職種で見ると、マーケティング・広報の担当者は頻繁に使い、問い合わせ対応の現場は少ない、という並びです。調査の対象は2都府の20〜59歳のインターネット調査で、全国の就業者の姿とは限りません。職種全体の平均は、リリースに書かれていません。

ChatGPTの利用者数:世界の週間、日本の月間、アンケートの3つの数え方

「ChatGPTの利用者数」は、数え方が3種類あり、同じ表に混ぜて増減を語ると誤解が出ます。

数字 出典 数え方 区分
8億人(2025年10月)→9億人(2026年2月) OpenAI(2026年2月27日にTechCrunchが報道) 世界の週間利用者。有料購読者は5,000万人 企業の発表
12億人(2026年9月) 国内のニュースサイト2件 開発者向けイベントでの発表とされる週間利用者 報道(OpenAIの原文は未確認)
約2,670万人(2026年5月) ヴァリューズ(2026年10月公表) 日本の月間利用者。国内250万人規模の行動ログからの拡大推計(実測値ではない)。2024年6月は336万人 推計
34.5%(利用経験)、25.5%(現在利用) NRC(2026年3月、20〜69歳) アンケート。人口構成にウェイト 調査
約2,600万人(利用経験)、約1,900万人(現在利用) 上のNRCの率に、20〜69歳の人口7,524万人を掛けた数字 人口に当てはめた概算 当社試算

世界の週間利用者は、2025年10月の8億人から2026年2月の9億人へ、約4か月で1億人増えました。12億人という数字は、OpenAI自身の原文が確認できていないため、報道として扱います。

日本の数字は、ヴァリューズの推計が2026年5月の月間利用者を約2,670万人としています。2024年6月の336万人から、約7.9倍です。同じ時期の月間利用者は、Geminiが約1,190万人、Claudeが約253万人でした。NRCのアンケートの率を人口に当てはめた試算では、ChatGPTを現在使っている人が約1,900万人、使ったことがある人が約2,600万人です。ヴァリューズの月間約2,670万人は、この2つの試算に近い規模ですが、対象の年齢や数え方が違うため、ぴったり合うものではありません。引用するときは、「何の人数か」を添える必要があります。

サービスごとの割合も、NRCに載っています。ChatGPTは、利用経験が34.5%、現在利用が25.5%でした。Geminiは27.4%と23.6%で、Copilotの現在利用は12.3%です。利用経験に対する現在利用の比は、ChatGPTが約74%、Geminiが約86%にあたります。同じ人を追跡した継続率ではなく、2つの率の比です。使ったことのある人のうち、いまも使っている人の割合は、Geminiのほうが高い計算になります。

ChatGPTに限らない生成AI全体の利用者数は、ICT総研が2026年末に3,553万人、2029年末に5,160万人と推計しています。推計の方法と基準の母集団は公表されていません。

ChatGPTの利用者数の3つの数え方。世界の週間利用者9億人、日本の月間利用者約2,670万人、アンケートでの日本の利用経験34.5%と現在利用25.5%

企業の生成AI利用率:86.4%と34.5%は、なぜ違うのか

企業の利用率は、個人以上に数字の幅が広くなります。総務省の白書は日本企業の86.4%が何らかの業務で生成AIを使っているとし、帝国データバンクは「活用している」企業を34.5%としました。IPAの調査には、従業員101人以下で16.6%という数字もあります。調査の設計を、表に並べました。

調査 対象企業・回答者 数えている内容 数字
総務省 白書(日本、2026年1〜2月) 従業員10人以上で、2025年までにデジタル化に着手した企業の、全社の戦略を把握する管理職以上。515社(大企業353社、中小162社) 自社の何らかの業務で生成AIを利用している(活用方針の設問で「わからない」と答えた企業を除いて算出) 86.4%
同(活用方針) 同じ 「積極的に活用する」または「活用する領域を限定して利用する」方針 68.9%(2024年度は49.7%)。大企業74.0%、中小企業58.1%
帝国データバンク(2026年3月17〜31日、5月公表) 23,349社に調査し、10,312社が回答 生成AIを「活用している」 34.5%
IPA DX動向2026(2026年4〜6月、7月公表) 国内企業の経営層、情報システム部門、DX推進部門など。1,799社 AIの導入(生成AIを含むAI全般) 従業員1,001人以上で8割近く、101人以下で16.6%
PwC Japan 生成AIに関する実態調査2026 春 6カ国比較(日本は2026年2月12〜19日、6月10日公表) 日本は売上高500億円以上の企業・組織に所属し、生成AI導入に何らかの関与がある課長職以上の932名。海外は各国の課長職以上で同様の関与がある人(米国670名、英国412名、中国412名、ドイツ309名、韓国309名) 生成AIの「活用・推進度」(活用中と推進中を合わせた値。分母の定義は本文に明記がない) 日本87%、米国90%、英国89%、中国91%、ドイツ89%、韓国93%

86.4%と34.5%には、52ポイント近い差があります。どちらかが誤りということではなく、次の違いが重なった結果です。

  • 対象の範囲:白書は、従業員10人以上で、すでにデジタル化に着手した企業です。回答した515社のうち、大企業が353社で68.5%を占めます。帝国データバンクは、大企業、中小企業、小規模企業をすべて含みます。
  • 回答者:白書は、全社の戦略を把握する管理職以上に限られます。
  • 質問の内容:白書は「何らかの業務で利用している」、帝国データバンクは「活用している」です。「何らかの業務」には限られた部署での利用も入りますが、「活用している」がどこまでを含むかは、帝国データバンクの質問文で確かめる必要があります。
  • 「わからない」の扱い:白書の86.4%は、活用方針の設問で「わからない」と答えた企業を除いた割合です。除かなければ、数字はこれより低くなります。

白書の86.4%は、「デジタル化に取り組む規模の企業で、管理職が把握している範囲で、何かの業務には使っている」割合と読めます。規模や業種を問わず集計した帝国データバンクの数字は、小規模企業までを含む分、企業全体の姿には白書より近いと言えそうです。ただし、回答した企業が全国の企業を代表しているとは限りません。

PwC Japanの6か国比較では、日本の「活用・推進度」が87%で、白書の86.4%と近い値でした。対象は売上高500億円以上の企業・組織の課長職以上で、生成AI導入に何らかの関与がある人です。活用中に加えて推進中も含む値のため、白書の「何らかの業務で利用している」とは数え方が違います。それでも、大企業で、導入に関わる立場の人に聞くと、日本でも86〜87%になります。海外5か国は89〜93%で、日本との差は最大でも6ポイントです。

差が出たのは、成果の手応えです。「期待を大きく上回る効果が出た」と答えた割合は、日本が9%で、米国の38%、英国の32%を大きく下回りました。この割合の分母は本文に明記がなく、活用・推進中の層に限った値かどうかは確認できていません。利用の広がりが同じ水準でも、効果の実感には国による差がある結果です。

帝国データバンクの調査を、規模と業種で分けた数字を見ると、差の理由がさらにわかります。

区分 生成AIを「活用している」企業の割合
従業員1,000人超 63.6%
大企業 46.5%
中小企業 32.4%
小規模企業 28.0%
業種:サービス 47.8%
業種:金融 38.6%
業種:不動産 34.9%
業種:運輸・倉庫 27.5%
業種:建設 26.4%

従業員1,000人超の63.6%から小規模企業の28.0%まで、規模だけで35.6ポイントの差があります。白書の活用方針でも、大企業が74.0%、中小企業が58.1%と、同じ向きの差が出ています。IPAの導入率も、1,001人以上で8割近く、101人以下で16.6%と、約5倍の開きです。調査ごとに数えている内容が違っても、規模が大きい企業ほど生成AIを使っている、という傾向は一致しています。

大同生命保険の中小企業調査(2026年3月の報道)では、生成AIを「活用したことがない」が60%、「活用しているが頻度は少ない」が18%、「日常的に活用している」が13%でした。調査の社数と時期は、報道に書かれていません。「頻度は少ない」と「日常的」を足すと31%(当社試算)で、帝国データバンクの中小企業32.4%と近い水準です。

白書は、使い道も示しています。日本企業の業務類型別の活用は、議事録・メール作成補助が約7割で最も高く、営業・販売が約6割、社内ヘルプデスクが約5割でした(分母は白書の本文に明記がありません)。議事録・メール作成補助は、効果を実感した割合も約7割と、ほかの類型より高くなっています。組織的な取組が「ない」企業は27.0%(利用を禁止している企業を除く)でした。白書は、この割合が中小企業で特に高い傾向にあるとしています。

生成AI・AIの市場規模:数字ごとに、含む範囲が違う

「生成AIの市場規模」は、検索すると総務省の白書と調査会社の数字が上位に並ぶ状況です。白書の第Ⅱ部は、世界の数字をStatista、国内の数字をIDC Japanから引いています。金額が大きく違って見えるのは、含む範囲と通貨、時点が違うためです。

予測 範囲 金額 倍率(試算)
Statista(白書が引用、2026年2月取得) 世界の生成AI市場。組織が生成AIアプリケーションを開発・展開するためのソフトウェア、ハードウェア、サービス 2024年379億ドル→2025年669億ドル→2031年4,421億ドル 2025年→2031年で約6.6倍
Statista(同上) 世界のAI市場全体 2025年2,442億ドル→2031年1兆54億ドル 約4.1倍。生成AIの割合は27.4%(2025年)→44.0%(2031年)
IDC Japan(2026年3月、白書が引用) 国内のAIプラットフォーム市場。AIライフサイクルソフトウェア、AIソフトウェアサービス、サーチ&ナレッジディスカバリーソフトウェアの3区分 2025年3,083億円→2026年5,266億円→2027年8,316億円→2028年1兆2,393億円→2029年1兆7,444億円→2030年2兆3,851億円 2025年→2030年で約7.7倍
IDC Japan(2026年3月公表) 国内のAI市場(支出額) 2025年2兆3,725億円→2029年6兆8,897億円 約2.9倍。年平均成長率36.0%(2024〜2029年)
IDC Japan(2025年5月公表) 国内のAIシステム市場 2024年1兆3,412億円(前年比+56.5%)→2029年4兆1,873億円 年平均成長率25.6%
IDC Japan(2024年11月公表) 国内の生成AI市場。要約、検索、翻訳、顧客対応、音声・画像生成など、42のユースケースが対象 2024年1,016億円→2028年8,028億円 約7.9倍。年平均成長率84.4%(2023〜2028年)

国内の2025年だけを見ても、AIプラットフォーム市場が3,083億円、AI市場(支出額)が2兆3,725億円と、7.7倍の差があります。前者は3つのソフトウェア区分に絞った市場で、後者はAI関連の支出額のため、数えている範囲が違います。表のうち、生成AIに絞った国内の予測は、2024年11月に公表されたIDC Japanの1,016億円と8,028億円です。2026年3月の公表は、AIプラットフォーム市場とAI市場全体の支出額が対象になっています。

世界の数字では、生成AIの割合に注目できます。Statistaの数字では、世界のAI市場に占める生成AIの割合が、2025年の27.4%から2031年の44.0%へ上がります。AI市場全体が約4.1倍になる間に、生成AIは約6.6倍になる計算です。ただし、ドル建ての世界の数字と、円建ての国内の数字は、為替や定義が異なるため、日本の割合を割り出すことはできません。

市場規模を資料や記事に載せるときは、4点を添えると誤解が減ります。誰の予測か(調査会社)、どこまでを含むか(範囲)、何年の数字か、円かドルか、の4つです。同じ「生成AI市場」でも、世界の669億ドル(2025年)と国内の1,016億円(2024年)は、範囲も通貨も年も違うため、1つの文のなかで並べると、日本の割合を示したように読まれます。

生成AIの市場規模の数字の整理図。世界の生成AI市場は2025年669億ドル、国内の生成AI市場は2024年1,016億円、国内のAIプラットフォーム市場は2025年3,083億円で、範囲と通貨と年が異なる

EC・買い物でのAI利用率:24.6%、34.0%、約28%は、分母が違う

ECや買い物でのAI利用は、調査が複数あり、数字もばらつきます。全体の何割が買い物に使うのかを見る数字と、生成AIを使う人のうち何割が買い物に使うのかを見る数字が、別々に出ているためです。まず、調査対象の全体を分母にした数字を並べます。ECの市場全体の規模はEC市場規模で扱っています。

調査(公表時期) 対象 数えている内容 数字
博報堂買物研究所「AIショッパー調査」(2026年6月、調査は2月20〜24日) 20〜69歳、スクリーニング調査20,000名 買物(サービス利用を含む)で生成AIを利用している 全体の24.6%
Itera「LLMOチェキ」(2026年9月29日にネットショップ担当者フォーラムが報道、調査は9月1日) 18〜70歳、2,000名のスクリーニング調査と見られる 直近1年以内に、商品・サービス選びで生成AI・AI検索を使った 34.0%(何度も使った19.2%、1〜2回14.8%)
エクスクリエ(2026年5月) 15〜69歳、5,825名のスクリーニング調査 生成AIを月1回以上使う40.6%のうち、買い物に活用する69.9% 約28%(当社試算)

博報堂の24.6%は「全体」と書かれていますが、人数は明記がなく、スクリーニング調査の20,000名が母数と読めます。Iteraの34.0%は、調査概要から2,000名のスクリーニング調査の値と見られますが、記事はどちらの調査の値かを明記していません。エクスクリエの約28%は、公表された2つの率を掛けた試算です(40.6%×69.9%)。

3つの数字は、買い物で使う人が全体の2割台から3割台にいることを示しています。差が出る理由は、数える内容です。博報堂は「買物で利用している」、Iteraは「直近1年に商品・サービス選びで生成AIまたはAI検索を使った」で、AI検索も含みます。年齢の範囲も、20〜69歳、18〜70歳、15〜69歳と違います。

頻度でも絞れます。博報堂の調査では、買物で生成AIを使う人のうち、週1回以上が41.7%でした。24.6%に41.7%を掛けると約10%で、買い物で週1回以上生成AIを使う人は、全体のおよそ1割になります(当社試算)。

次に、生成AIを使う人を分母にした数字です。

調査(公表時期) 対象 数えている内容 数字
エクスクリエ(2026年5月) 生成AIを月1回以上使う1,190名 買い物で生成AIを活用している 69.9%。買い物で活用する832名のうち、購入・利用した人は61.3%
グランネット(2026年9月) 20代以上の就業者500名のうち、生成AIの利用者 購買前の比較検討でAIを使った経験 66.3%(2025年は52.6%)。意思決定に影響したのは65.2%(187名への質問)
PLAN-B(2026年6月) 生成AIで調べものを週数回以上行う10〜60代500名(全体の26.8%) 生成AIとの対話をきっかけに、商品の購入を決めたことがある 54.1%(2025年は150名の調査のため、増加の+11.4ポイントは参考値)
Itera(2026年9月29日報道) EC・通販でAIを活用した経験のある300名 自分では知らなかった商品・ブランド・ショップを、AIから提案された 45.7%。そのうち76.6%がさらに調べ、33.6%が購入(記事はAI活用者全体で約15.3%と算出)

生成AIを使う人に限ると、買い物にも使った人や、買い物の判断に影響を受けた人は、5割台から7割近くいます。全体に直した数字が約28%(エクスクリエの率から計算した試算)や24.6%(博報堂)にとどまるのは、生成AIを使う人が、日本の個人の5割前後に限られるためです。PLAN-Bの対象は、調べものを週数回以上行う人に限った500名で、生活者全体の割合ではありません。

別々の調査をつないだ目安ですが、日本の個人を100人とすると、生成AIを使ったことがある人が約5割(白書58.8%、重みづけの試算で約54%)、月1回以上使う人が約4割(エクスクリエ40.6%)、買い物にも活用する人が約3割(試算約28%)、買い物で週1回以上使う人が約1割(試算約10%)です。調査も対象年齢も違うため、同じ集団の内訳ではなく、規模感をつかむための並べ方です。

日本の個人100人あたりの生成AI利用の目安。使ったことがある人が約54人、月1回以上が約41人、買い物にも活用が約28人、買い物で週1回以上が約10人

買い物では何に使い、どこまで任せるのか

利用率の次に見たいのは、買い物のどの場面で使われ、AIの回答がどれくらい信頼されているかです。博報堂とIteraの調査を、聞いた内容ごとに並べました。

調査 聞いた内容 回答の上位
博報堂(AIショッパー1,276名) 買物で生成AIを使う場面 専門用語やスペックの意味を解説する66.6%、複数商品の性能や機能を比較する64.7%、生活の悩みの解決策を見つける62.1%、近くで在庫がある店や効率的なルートを知る49.5%
Itera(EC・通販でAI活用経験者300名) AIを活用した商品のジャンル 家電・ガジェット39.6%、旅行・ホテル31.5%、飲食店28.0%、健康食品22.4%、化粧品20.3%
博報堂 買物時に信頼する情報源 自分で調べた・体験して得た情報71.0%、企業の公式サイト・アプリ58.7%、価格比較サイト58.1%、生成AIの回答51.7%、ECサイトのレビュー48.6%、一般人のSNS・動画サイト上のレビュー41.5%、ブログ・noteなど個人発信の情報38.0%
Itera AIの回答と他の情報が食い違ったときに信用するもの 公式サイト42.0%、ECサイトのレビュー26.3%、生成AIの回答8.3%
博報堂 生成AIに任せたい買物のプロセス(「ほとんど任せたい」と「少しは任せたい」の合計) 欲しい商品の情報収集89.4%、どんな商品を買うべきかあたりを付ける84.9%、複数の購入候補から1つに絞り込む81.8%、購入をやめる判断67.7%、最終的に商品を決断する60.0%
博報堂 生成AIの活用による変化 買物にかける時間は減った28.9%、増えた19.2%。買物への納得感は増えた34.9%、減った11.1%
Itera AIの回答を受けた行動 購入をやめた、または別の商品に変えた50.3%。AIの回答をそのまま判断材料にした17.0%

博報堂のプレスリリースは各設問の分母を明記しておらず、AIショッパーへの質問と見ています。

場面では、スペックの解説と比較が6割台で並びます。商品ページや比較サイトで行ってきた「内容を理解し、他の商品と比べる」作業を、AIが手伝う場面です。近くで在庫がある店を知りたい人も49.5%おり、店舗の在庫の情報が必要になる場面もあります。

信頼の面では、生成AIの回答(51.7%)は、自分で調べた情報(71.0%)や、企業の公式サイト・アプリ(58.7%)より低い位置です。Iteraでは、AIの回答と他の情報が食い違ったとき、公式サイトを信用する人が42.0%、生成AIの回答を信用する人は8.3%でした。AIが商品を紹介しても、確認に使われるのは公式サイトやレビューです。確認先に選ばれている以上、そこに載せる情報の正確さと新しさが問われます。

任せたい範囲は、情報収集から絞り込みまでが8割を超えています。最終的な決断は60.0%と下がりますが、購入をやめる判断は67.7%が任せたいと答えました。Iteraでも、AIの回答で購入をやめた、または別の商品に変えた人が50.3%います。AIの回答は、買う理由の提示だけでなく、候補から外す場面にも関わっています。

時間の変化は、減った人が28.9%、増えた人が19.2%で、増えた人も2割近くいます。納得感は、増えた人が34.9%、減った人が11.1%でした。AIが探す時間を短くする場合もあれば、確かめる範囲を広げて時間が増える場合もあるでしょう。EC事業者は、AIの回答を受けた後に、自社の商品ページで確かめる人がいる流れを考えておく必要があります。

AIが比較、絞り込み、購入の判断まで担う流れは、エージェンティックコマースで扱っています。AIコマース全体の考え方は、AIコマースとは?の記事が参照先です。

AI経由の購買への対応:流入、商品情報、AIの回答の3つを確かめる

利用率の次に、EC事業者が知りたいのは、AIから自社のサイトに人が来て、買うのかどうかです。日本で、EC事業者のAI経由の流入や売上を集計した公開データは、今回調べた範囲では確認できませんでした。海外の資料から、規模の目安になる数字を拾います。

資料 数字 読むときの注意
Euromonitor(2026年1月29日) 生成AIプラットフォームからECサイトへの流入が、2025年1月から12月にかけて302%増加(約4倍)。他の経路は23%増 流入データの地域とデータの出所は明記がない
Digital Commerce 360(日本語版は2026年9月24日、ネットショップ担当者フォーラム) 大手ECサイトのAI経由の流入は、2026年初に各社とも全体の2%未満、7月に約5%。AI経由のECトラフィックは、2026年7月に前年同月比で62%増 取材した米国のEC事業者4社が中心。「AI経由」の定義は示されておらず、流入元URLなどからの推定
同(個社の事例) La Joya Jewelry:AI経由の成約率は13%超で、通常は約3%。Edible Brands:AI経由の成約率は5%超で、サイト全体の平均(10%超)より低く、客単価は5.50ドル高い 2社の事例。AI経由の成約率が高い事例と、低い事例の両方がある。La Joyaの比較基準は、記事のなかで表現が一致しない

流入の伸びは大きく、水準はまだ小さい、というのが表の読みです。302%の増加は約4倍ですが、増えた先の水準は、取材した米国の大手EC事業者で全体の約5%でした。個社では、Beroが5%未満、Povisonが約5%、La Joyaが5〜6%、Edible Brandsが10%未満と、差があります。成約率も、AI経由のほうが高い事例と、低い事例が混ざっています。AI経由の訪問者は1回の訪問あたりの売上が一般より53%高いとされていますが、比べた相手と期間が書かれていません。

日本の個人の2割台から3割台が買い物に生成AIを使っていても、その人たちが自社サイトに来ているかどうかは、サイトごとに違います。次の3つを、自社のデータで確かめます。

自社サイトへのAI経由の流入を数える

最初の作業は、アクセス解析の流入元に、生成AIサービスからの訪問が出ているかを見ることです。Digital Commerce 360の記事では、AI経由の計測は流入元URLの解析などに基づく推定で、Beroは、現在のアクセス解析ツールでは正確に追うことが難しいと述べています。正確な数字は得られなくても、月ごとの増減と、成約率、客単価をサイト全体の平均と並べれば、自社でAI経由が売上に結びついているかの目安になります。

商品ページの情報を、比べられ、確かめられる状態にする

買い物でAIが使われる場面の上位は、スペックの解説(66.6%)と、複数商品の比較(64.7%)でした。確認先として選ばれるのは、企業の公式サイト(信頼する情報源の58.7%、AIの回答と食い違ったときに信用する42.0%)と、ECサイトのレビュー(48.6%、26.3%)です。スペック、サイズ、成分、価格、在庫、配送と返品の条件が、最新で正確に載っているかを、商品ページごとに確かめます。レビューは、数と中身の両方が、確認先としての価値を左右します。

AIの回答に、自社の商品が出てくるかを見る

絞り込みまでAIに任せたい人が81.8%、購入をやめる判断を任せたい人が67.7%います。自社の商品カテゴリや競合の名前で生成AIに質問し、回答に自社の商品が出るか、書かれている内容が正しいかを、定期的に見ておきましょう。誤った情報が出ていた場合は、自社の公式サイトに正しい情報が載っているかが、確認の出発点です。

W2 Commerce:AI経由の購買に備えるEC基盤と、拡張プラグイン

W2は、コマースプラットフォーム「W2 Commerce」で、BtoC、定期販売、BtoB、海外ECに対応しています。OMO・オムニチャネルに対応した総合ECプラットフォームが「W2 Commerce Unified」、D2Cやリピート通販に向けたものが「W2 Commerce Repeat」です。

AIや分析に関わる部分は、拡張プラグインのページに6つ載っています。AI経由の購買への対応で挙げた3つに合わせて、並べ直しました。

確かめること 関連するW2の拡張プラグイン ページの記載
AI経由の流入や引用の状況を見る。AI検索に引用されやすくする Media-DRIVER、Co-Media Media-DRIVER:GEO/LLMO、AI記事制作、サイテーション分析、シェア・オブ・ボイス、センチメント、クエリ・ファンアウト。Co-Media:LLMO対策、生成AI検索に引用されやすい構造の最適化
商品情報とレビューの質を整える UGC intelligence、Data Insight UGC intelligence:AIレビュースコアリング。Data Insight:施策の提案と、売上・利益への影響の試算
自社サイトのなかでも、探しやすく、薦めやすくする Finedee、Reco-Media Finedee:自然言語のAI検索、0件ヒットの解消。Reco-Media:3層ハイブリッドのAIレコメンド

表の内容は、拡張プラグインのページに書かれている範囲です。機能の詳細、料金、導入の条件は、W2への確認が必要です。AIエージェントが利用者に代わって購入する仕組みへの対応は、このページに記載がありません。

買い物の場面で「近くで在庫がある店」を知りたい人は、博報堂の調査で49.5%でした。W2は、スマレジとの連携で、EC商品ページに店舗在庫を表示するボタンを追加できると、2024年2月のリリースで発表しています。実店舗とつなぐ場合は、OMO・オムニチャネルに対応したW2 Commerce Unifiedが入口です。現在の提供状況は、W2に確認してください。AIで見つけた商品を購入した後の継続は、定期購入やリピート通販を担うW2 Commerce Repeatの領域です。自社の課題に合わせた開発は、AIカスタマイズ開発 AI buddyが用意されています。ECでのAI活用の全体像は、ECサイトのAI活用完全ガイドにまとめています。

利用率の数字を使うときの選び方:場面別の早見表

ここまでの数字を、使う場面から逆引きできる形にしました。

使う場面 使いやすい数字 添える条件
日本の個人全体を、ひとことで言う 5割前後(白書58.8%、人口で重みづけした試算約54%、民間調査48.5〜54.7%) 「使ったことがある」。白書は15〜69歳で、年代ごとの率の平均
いま使っている人の割合 42.9%(NRC、現在利用、20〜69歳、2026年3月) 「現在利用している」。仕事での利用を含む
継続して使う人の割合 40.6%(エクスクリエ、月1回以上、15〜69歳) 月1回以上
年代別 15〜19歳91.7%、20代78.2%、30代56.3%、40代49.0%、50代44.2%、60代33.5%(白書) 各年代206人。±7ポイント程度の幅がある
海外との比較 日本58.8%、米国75.6%、ドイツ75.6%、中国93.6%(白書、2025年度) 日本は「ほぼ毎日」の割合が4か国で最も低い
企業 大企業74.0%、中小企業58.1%(白書、活用方針)。活用している企業34.5%(帝国データバンク) 対象企業の範囲と、質問の内容を添える
市場規模 世界の生成AI市場:2025年669億ドル(Statista)。国内の生成AI市場:2024年1,016億円(IDC Japan) 誰の予測か、範囲、年、通貨
EC・買い物 買物で生成AIを利用24.6%(博報堂)、直近1年に商品・サービス選びで使った34.0%(Itera) 全体が分母か、生成AIの利用者が分母か

使い方は3つに絞れます。1つめは、数字の前に、数えている内容を一言で添えることです。「利用率58.8%」とだけ書くと、いま使っている人の割合に読まれます。2つめは、調査名、時期、対象を添えることです。3つめは、分母を書くことです。EC・買い物のように、全体が分母の数字と、利用者が分母の数字が混ざる場合は、特に必要になります。

例えば、「日本の15〜69歳の58.8%が、生成AIを使ったことがある(総務省 令和8年版情報通信白書、2026年1〜2月調査)」と書けば、読み手は数字の意味を取り違えません。人口の構成で重みづけすると約54%になる点と、民間の調査が48.5〜54.7%である点を添えれば、「5割前後」という幅も伝わります。

生成AIの利用率に関するよくある質問

Q. 日本の生成AI利用率は、結局何%と書けばよいですか?

「使ったことがある」なら、5割前後です。総務省の白書の58.8%を使う場合は、15〜69歳の6つの年代の率の平均であることを添えます。人口で重みづけした試算は約54%で、民間の調査は48.5%から54.7%でした。いま使っている人ならNRCの42.9%、月1回以上ならエクスクリエの40.6%と、数えている内容で数字を選びます。

Q. 総務省の情報通信白書の生成AI利用率は、どこで見られますか?

令和8年版の情報通信白書では、第Ⅰ部 特集の個人における生成AIサービスの利用経験のページに、日本の個人の数字が載っています。国別は米国、ドイツ、中国との比較のページ、年代別は年齢階層別のページです。企業の数字は企業の業務での利用のページ、市場規模はAIの動向のページを見ます。調査の設計は付注に書かれています。

Q. 生成AIの利用率は、10代、20代、60代でどれくらい違いますか?

白書の日本は、15〜19歳が91.7%、20代が78.2%、60代が33.5%です。NRCの利用経験は20代が69%、60代が37%でした。年代ごとの標本は、白書が206人ずつで、数ポイントの差は誤差の範囲に収まる可能性があります。

Q. 日本の生成AI利用率は、海外より低いのですか?

白書の2025年度では、日本が58.8%、米国とドイツが75.6%、中国が93.6%でした。差は30〜40代で大きく、30代では米国との差が31.2ポイントです。15〜19歳は、日本の91.7%が米国の81.7%を上回っています。Microsoftの利用ログの推計では、日本は22.5%で48位ですが、世界全体の17.8%は上回っています。

Q. 企業の生成AI利用率は、何%ですか?

白書は、何らかの業務で生成AIを利用している日本企業を86.4%としています。対象は、従業員10人以上でデジタル化に着手した企業の管理職以上です。帝国データバンクは、活用している企業を34.5%としており、規模別では従業員1,000人超が63.6%、小規模企業が28.0%でした。

Q. ChatGPTは、日本で何人が使っていますか?

数え方で変わります。ヴァリューズの推計では、2026年5月の月間利用者が約2,670万人です。NRCのアンケートの率に20〜69歳の人口を掛けた試算は、現在利用が約1,900万人、利用経験が約2,600万人でした。世界の週間利用者は、OpenAIの発表で、2026年2月に9億人です。

Q. 生成AIの市場規模は、いくらですか?

範囲によって違います。世界の生成AI市場は、Statistaで2025年に669億ドル、2031年に4,421億ドルです。国内の生成AI市場は、IDC Japanが2024年に1,016億円、2028年に8,028億円と予測しました。国内のAIプラットフォーム市場は、2025年の3,083億円から2030年に2兆3,851億円です。

Q. EC・買い物で生成AIを使う人は、何割いますか?

全体に対する割合では、博報堂の調査で24.6%、Iteraの調査で34.0%、エクスクリエの率からの試算で約28%です。生成AIを使う人に限ると、買い物にも使う人は、エクスクリエで69.9%、グランネットで購買前の比較検討に使った人が66.3%でした。

Q. AI経由でECサイトに来る人は、増えていますか?

海外の資料では増えています。Euromonitorは、生成AIからECサイトへの流入が2025年1月から12月で約4倍になったとし、Digital Commerce 360は、米国の大手ECサイトでAI経由の流入が2026年7月に約5%だったと伝えています。日本の集計は確認できなかったため、自社のアクセス解析で流入元を見るのが確実です。

まとめ:次にとる行動

日本の生成AI利用率は、「使ったことがある」で5割前後、いま使っている人で4割台、月1回以上で約4割です。年代では15〜19歳の9割台から60代の3割台まで開き、海外と比べると、30〜40代の差が大きくなっています。企業は、対象の範囲と質問によって、86.4%から34.5%まで数字が分かれました。市場規模は、世界の生成AI市場と、国内のAIプラットフォーム市場で、範囲も通貨も違います。EC・買い物では、全体の2割台から3割台が使い、生成AIの利用者に限れば、5割台から7割近くです。

次にとる行動は、次の3つです。

  1. 使う数字に、数えている内容を添える:「使ったことがある」「現在利用」「月1回以上」のどれか、対象の年齢、調査名と時期を、資料の1行に書く
  2. 自社ECの流入元で、AI経由を数える:生成AIサービスからの訪問、成約率、客単価を、サイト全体の平均と並べて月ごとに見る
  3. 商品ページを、比べられ、確かめられる状態にする:スペック、価格、在庫、配送と返品の条件、レビューを最新にし、AIで見つけた人が確かめに来たときに迷わないようにする。サイト基盤の相談はW2 Commerceへ

業界を問わないAI活用事例はAI活用事例、実店舗とECをつなぐ場合はW2 Commerce Unified、リピート通販に取り組む場合はW2 Commerce Repeatの紹介ページをご覧ください。

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この記事の監修者

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樽澤寛人 マーケティング部 部長

神戸大学在学中にEC事業を立ち上げ、自社ECサイトの構築から販売戦略の立案・実行、広告運用、物流手配に至るまで、EC運営の全工程をハンズオンで経験。売上を大きく伸ばしたのち、事業譲渡を実現。
大学卒業後はW2株式会社に新卒入社し、現在は、ECプラットフォーム事業とインテグレーション事業のマーケティング戦略の統括・推進を担う。一貫してEC領域に携わり、スタートアップから大手企業まで、あらゆるフェーズのEC支援に精通している。

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