
CentOS 7のサポート終了期限はいつ?EC運営の影響についても合わせて解説
多くの企業が利用している「CentOS 7」のサポート終了のお知らせが最近発表され、多くの話題や注目を集めています。
導入している企業や個人事業主の方は
「サポート終了期限は?」
「サポート終了したらどうなるの?」
「移行するとしたらどのような選定基準があるの?」
といった課題に頭を悩ませていると思います。
本記事では、サポートが終了するCentOS 7の終了期限や理由、使い続ける事のリスクや、移行する際の選定基準などを解説いたします。
特にEC運営をしている方に向けて解説しているので、EC担当者の方はぜひ今後の参考にしてみてはいかがでしょうか。
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CentOS 7のサポート終了が発表。期限は?

CentOS 7の終了期限はいつなのでしょうか。まずは、CentOS 7の終了期限と、サポートが終了する理由や背景について解説します。
CentOS 7のサポート終了期限は?
CentOS 7のサポート終了期限は2024年6月30日になります。
サポート終了の意味として、サーバーがアップデートせず、CentOS 7に不具合が見つかっても修正されないことを指します。
CentOS 7のサポート終了する理由は?
結論、「CentOS Streamの開発に注力するから」になります。
元々、CentOSとは、商用LinuxディストリビューションであるRed Hat Enterprise Linux (RHEL)のソースコードを基に作られた無償のディストリビューションになり、CentOS 7以外にも、CentOS 6やCentoOS 8といったシリーズが展開されていました。
しかし、2020年末、開発元であるRed Hat社はCentOS Linuxの代わりに「CentOS Stream」という新しいモデルのディストリビューションを発表しました。
この新しいモデルのディストリビューションは従来のモデルと比べ、よりRHELに近く、エコシステムなOSになることから、開発に注力される方針になったことに伴って、CentOS 6が2020年、2019年に世に出たばかりで2029年までサポート予定のあったCentOS 8が2021年に終了されました。
CentOS 7は2014年にリリースされ、最後のCentOS Linuxシリーズとして、RHELのアップデートやセキュリティパッチの取り入れといったサポートをしていたのですが、2024年に終了することになりました。
CentOS Linuxを愛用していたコミュニティにとって、サポートがいきなり終了する発表が出た事や、今後の方針は懐疑的なものであることから、今でもまだ様々な議論を呼んでいます。
CentOS 7を使い続けてEC運営をするリスク

そもそもOS(オペレーティングシステム)はEC運営において、主にサーバーの安定性やパフォーマンス、強固なセキュリティ維持を務める重要な役割になります。
その重要な役割を担っているCentOS 7のサポートが終了した後でも使い続けた場合、
EC運営にどのようなリスクをもたらすのでしょうか。
以下から3つご紹介します。
運用コストの増加
サポートが終了するということは、新たなセキュリティパッチやアップデートが提供されなくなります。そのため、企業は外部に依頼して個別のセキュリティ対策を講じる必要があり、これが追加の運用コストを発生させます。
また、OSの老朽化が進んでいくことで、システム障害やダウンタイム(停止して稼働していない時間のこと)のリスクが高まるので追加の保守費用がかかります。
よって、古いOSを使い続ける事は、長期的に追加の運用コストやビジネスリスクを増加させることになるため、注意が必要になります。
セキュリティリスクの増加
サポート終了後はセキュリティパッチやバグ修正が提供されなくなることで、新たに発見された脆弱性への対応ができず、サイバー攻撃に侵されるリスクが懸念されます。
また、顧客のクレジットカード情報や個人情報といったデータ漏洩リスクが高まります。
EC運営において、顧客の信頼を得ることは重要になりますが、セキュリティ事故が発生すると、顧客の信頼を失うのはもちろん、企業そのものが倒産する可能性があります。
その他、セキュリティが不十分なサイトは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンにランキングが下げられる可能性もあります。
よって、CentOS 7のサポート終了後は、セキュリティリスクが著しく高まるため、他のサポートされているOSへの移行を検討することが賢明です。
システムの互換性問題
システムの互換性問題とは、新しいソフトウェアやアプリケーション、セキュリティツールが最新のOSに対応しているため、古いバージョンのOSを利用しているとこれらのツールが正常に動作しない可能性があるということです。
例えば、新しい決済システムやカスタマーサポートツール、マーケティングオートメーションツール、クラウドシステムなどが、CentOS 7に対応していない場合、これらを利用するためにはOSのアップグレードが必要になります。
また、新しい技術やトレンドが生まれた際に、古いシステムではそれを取り入れることが難しくなります。例えば、AIや機械学習を用いた分析ツールやカスタマイズされた要件の提供が困難になる可能性があります。
この3つのリスク以外にも、サーバーや基盤システムの安定性欠如、パフォーマンスの低下といったリスクもあるので、現在CentOS 7を利用している方はOSの移行をおすすめします。
CentOS 7を移行する時のOSの選び方4選

先ほどは、2024年6月30日以降もCentOS 7を使い続けた場合、リスクを伴うEC運営になるとご紹介しました。
そのリスクを回避するためにも、OSの移行が必要になってきますが、どういう基準で新しい後継のOSを選定すればよいでしょうか。
以下からCentOS 7を移行する時のOS選び方4選をご紹介します。
RHELの互換性
CentOS 7から他のOSへの移行を考える際、重要な選定基準の一つが「RHEL(Red Hat Enterprise Linux)の互換性」です。
もし、企業が独自の内部ツールやアプリケーションをRHEL上で開発し、それらが特定のライブラリやカーネルのバージョンに依存している場合、RHELと互換性のあるOSへの移行は、これらのツールやアプリケーションの再設計や大幅な修正を避けるために不可欠です。
また、システム管理者や開発者はRHELベースのシステムに慣れているため、互換性のあるOSへの移行は学習コストの低減にもつながります。
したがって、RHELとの互換性を重視することは、既存のインフラとの整合性を保ちつつ、学習コストを最小限に抑える上で重要な要素となります。
OS利用時の費用
CentOS 7の大きな利点の一つが、企業や個人が無料で利用できることでした。
しかし他のOSの中には有償のものもあることや、様々な移行コストがかかることがあるので、考慮する必要があります。
具体的に考える費用面としてはライセンス料、サポートコスト、移行コストがあります。
例えば、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)への移行の場合、RHELはサブスクリプションベースの商用製品であり、ライセンス料が発生します。これは、無料で利用できたCentOSとは大きく異なり、特に小規模事業者やスタートアップにとっては大きなコスト増につながる可能性があります。
一方で、無料の代替OS、例えばUbuntuやDebianなどを選択する場合は、ライセンス料はかからないものの、これらのOSに移行するための技術的な労力や時間、移行後のシステムの安定性やセキュリティ面でのサポートを外部ベンダーに依頼する場合のコストが考慮事項となります。
また、EC運営においては、ECカートシステムと移行後のOSシステムが正しく連携して動作するかの開発やテストに関わるコストも重要です。既存のECカートシステムを新しいOSに適応させる過程での時間やリソースの投資は、長期的な運用コストの増加を意味することがあります。
以上のように、OS移行に際しては、直接的なライセンス料だけでなく、移行プロセスや長期的な運用に関わる費用も総合的に考慮することがポイントです。
OSの安定性
安定性とは、OSが長期間にわたり安定に動作し、システムダウンタイムやエラーが最小限に抑えられることを意味します。特にEC運営では、サーバーの安定性は事業の継続性と直結するので重要な選定基準となります。
安全性を保つのに必要なのは、定期的なセキュリティアップデートや長期サポート(LTS)版の提供により、安定性が確保できます。
もし、安定性がないOSを選定してしまうと、システムダウンタイムやセキュリティリスクを引き起こし、売り上げ損失やユーザーの信頼損失につながるため、安定したOSを選ぶことがポイントです。
このため、長期的な安定性を提供するOSの選択は、ECサイトの継続的な成長と成功に不可欠な要素と言えます。
サポートの有無
「サポートの有無」は非常に重要な基準です。EC運営では、万が一のトラブルが発生した時に迅速な対応が求められるため、信頼できるサポート体制の存在はビジネスの安定性に直結します。
EC運営者にとって、OSサポートの有無は、システムの信頼性と効率性を保つ上で不可欠です。サポートが整っていれば、予期せぬトラブルやセキュリティ脅威から迅速に対処することが可能になり、結果としてECサイトの運営を円滑に保つことに繋がります。
サポートのレベルや範囲を考慮して、新しいOSを選定することは、ECビジネスの持続的な成功にとって重要な要素です。
CentOS 7からのおすすめ代替OS3選
CentOS Stream

CentOS Streamとは、従来のCentOSとは異なり、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)の開発プロセスにより近い形で運用される「ローリングリリース」モデルを採用しているOSになります。
これは、RHELの次期メジャーリリースの前段階としての機能やアップデートが継続的に提供されることを意味します。そのため、最新の技術やセキュリティアップデートを速やかに受け取ることができるうえ、CentOS 7との互換性もあるためおすすめです。
ただし、懸念点としては、ローリングリリースモデルにより、より頻繁なアップデートと変更があることです。これは、一部の環境では予期せぬ問題を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
また、CentOS StreamはRHELの最終リリースバージョンよりも前の段階であるため、一部のECカートシステムや環境ではRHELとの互換性に問題が生じる可能性があります。
有償版RHEL(Red Hat Enterprise Linux)

有償版のRHELは、広く業界で信頼される商用Linuxディストリビューションで、高度なセキュリティ、堅牢な安定性、長期サポートが特徴です。
定期的なアップデートと厳密な品質管理により、ビジネスクリティカルなアプリケーションの運用に適しており、大規模な商用環境や重要なシステムでの使用におすすめと言えるでしょう。
また、開発元であるRed Hat社は強力なサポート体制を提供しています。技術的な問題が発生した際には、専門のサポートチームが迅速に対応してくれるため、運用面での安心感があります。さらに、RHELは広範なソフトウェアとの互換性を持っており、多くのエンタープライズレベルのアプリケーションがサポートされています。
ただし、懸念点としては、有償版RHELは無料のCentOSに比べてコストがかかることです。ライセンス料金は使用状況や必要なサポートレベルに応じて異なりますが、これが予算制約が厳しい環境には不利になり得ます。
また、有償版RHELは商用製品であるため、オープンソースプロジェクトに比べて開発の柔軟性が制限される可能性もあります。
Windows OS

Windows OSをCentOS 7の代替として選択することは、EC運営を行うにあたって特に最適な選択肢といえるでしょう。
Windows OSは、Microsoftによる安定したサポートと定期的なアップデートが提供されるため、セキュリティ面での信頼性が高いです。また、Windowsベースの環境では、多くの商用ソフトウェアやツールが利用可能で、互換性の面でも利点があります。
また、ご存じの通り、Windowsは広範囲に普及しており、ほとんどすべてのシステムと連携できるのが特徴です。
よって、ECカートシステムとの連携はもちろん、外部ツールとの連携なども問題なくスムーズに行えるため、長期的なEC運営をお考えの方はWindows OSがおすすめです。
懸念点として、Linux系OSと比べると、Windowsはライセンス料金が発生するため、運用コストが高くなる可能性があることや、LinuxベースのシステムからWindowsへの移行は、互換性の問題や移行作業の複雑さにより、技術的な課題が生じる可能性があります。
しかし、ライセンス料もそこまでかからないことや、移行作業も何も問題なく行えるケースの方が多いので、長期的に安心して使い続ける事ができるWindows OSをおすすめします。
CentOS 7のサポート延長という方法も!

先ほどはおすすめの代替OS3選をご紹介しましたが、この記事を見ている方の中には以下のように思われる方もいるかと思います。
「すぐにはリプレイスできないから、まだCentOS 7を活用し続けたい」
「OS選定に時間をかけたいため、少しの間だけでもCentOS 7を利用したい」
そのような方には1つの方法として、CentOS 7を利用し続けるという方法もあります。
実は、開発元であるRed Hat社のサポートは終了するのですが、ベンダー会社によるサポート延長プランが最近発表されました。
この延長支援サポートは、従来のサポートとほとんど内容は変わりません。
例えば、セキュリティの脆弱性が発見された場合はすぐにセキュリティパッチが発行されます。
注意点としては支援サポート料金や更新料はかかり、年間何百万も費用がかかることもあるので、できるのであればすぐにCentOS 7から他のOSに移行した方がよいでしょう。
ECサイトの移行はECパッケージがおすすめ

本記事のまとめとしては4つです。
1,CentOS 7のサポートサービスはは2024年6月30日で終了する
2,CentOS 7のサポート終了後に使い続けることは危険を伴う
3,長期的にEC運営を考えている方はWindows OSに乗り換えることがおすすめ
4,サポート延長をしてくれる会社もあるが、コストがかかるので移行をおすすめ。
また、一般的にオープンソース型のECサイト構築システムではLinux系のOSが利用されることが多いので、オープンソース型でECサイトを構築している方は、Windows OSに乗り換えることをおすすめします。
しかし、ECサイト構築システムがWindows OSの言語に対応していないことがあります。
もし、OSを変更するに伴ってECサイト構築システムのリプレイスを検討している方は、W2のECサイト構築システムがおすすめです。
W2のECサイト構築システムの特徴としては、800を超える導入実績とECの売上最大化と業務工数の最小化が同時実現可能なECパッケージだということです。
具体的には、売上を最大化するための機能を幅広く網羅しており、その数は1,000以上と業界トップクラス。たとえば「男性・累計購入回数2回以上・購入金額10,000円以上」のように細かくセグメントし、顧客グループに対して最適なコンテンツを配信することが可能な機能も搭載しております。
また、業務を効率化する独自機能も搭載しており、40分かかる日々の定型業務を1分で完了させることも可能です(業務工数90%削減)。
ECに関するノウハウも豊富なのでECサイト構築を検討している方だけでなく、運用代行業者を探している方、導入を検討している方も、まずは一度機能やサービスの詳細をご相談なられてはいかがでしょうか。
なお、CentOS 7を移行するにあたり、ECプラットフォームのリニューアルを検討している方向けに、2024年最新の主要ECカートシステム9社の料金・機能比較表を作成しました。
資料は無料でダウンロードできるので、ECサイトの立ち上げを検討している方はぜひあわせてご一読ください。