ECサイトのWeb広告9種類とEC業界の広告費用相場や運用ポイント5選を解説


ECサイトのWeb広告9種類とEC業界の広告費用相場や運用ポイント5選を解説
ECサイトにおいて、より多くの人に商品を購入してもらうためには、まずは多くの人にサイトを訪問してもらわなければなりません。
サイト訪問者数を増やすための方法の1つはSEOですが、SEOは効果が出るまでにある程度の時間がかかります。
また、競合サイトもSEO対策を行っていることが多く、検索順位を維持するためには、継続して費用や労力をかける必要があります。
もちろん長期的な視点で見るとSEO対策は重要ですが、効率的な集客を行いたい場合、Web広告の運用も併せて行うことが大切です。
そこで本記事では、ECサイト運営において活用すべき9つのWeb広告の特徴やメリット・デメリットとEC業界の広告費用相場、成果を出すための運用ポイント5選をご紹介します。
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ECサイトのWeb広告9種類の特徴やメリット・デメリット

EC事業で利用する広告は大きく分けて9つあります。
それらの広告の特徴と、メリット・デメリットは下記になります。
広告種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
リスティング広告 | 検索キーワードに連動してテキスト広告を表示。購買意欲が高いユーザーに直接アプローチでき、即効性が高い。 | ①購買意欲の高いユーザーへ直接アプローチ可能
②費用対効果が高く成果が測定しやすい |
①競合が多いキーワードは単価が高騰しやすい
②継続的な運用とメンテナンスが必要 |
ディスプレイ広告 | ウェブサイト上にバナー画像や動画を表示。ブランド認知向上と潜在顧客への幅広いリーチが可能。 | ①視覚的インパクトが強くブランド認知向上に効果的
②幅広いターゲットにリーチできる |
①クリック率が低く即効性に欠ける
②広告ブロッカーで表示されない可能性 |
Googleショッピング広告 | 商品画像・価格・店舗名を検索結果に表示。視覚的で購買意欲の高いユーザーに直接商品をアピールすることが可能。 | ①商品画像で視覚的にアピールできる
②購買意欲の高いユーザーに効果的にリーチ |
①商品データの管理が複雑で手間がかかる
②価格競争が激しく利益率が圧迫される |
リマーケティング広告 | 一度サイトを訪問したユーザーに再度広告を表示。高いコンバージョン率と効率的な広告運用が可能。 | ①既に興味を持ったユーザーへの再アプローチで効果的
②コンバージョン率が高く費用対効果が良い |
①頻繁な表示でユーザーに嫌悪感を与える可能性
②新規顧客の獲得には不向き |
SNS広告 | FacebookやInstagramなどのSNSプラットフォーム上に表示。詳細なターゲティングと拡散効果が期待できる。 | ①詳細なターゲティング設定が可能
②シェアやいいねで拡散効果が期待できる |
①プラットフォーム仕様変更の影響を受けやすい
②若年層以外へのリーチが限定的 |
アフィリエイト広告 | 成果報酬型の広告で、アフィリエイターが商品を紹介し売上に応じて報酬を支払う仕組み。 | ①成果報酬なので初期リスクが低い
②アフィリエイターの影響力を活用できる |
①報酬設定が低いと良質なアフィリエイターが集まらない
②ブランドイメージのコントロールが困難 |
メルマガ広告 | メールマガジン内に広告を配信。既存顧客や会員への直接的なアプローチが可能で開封率が高い。 | ①既存顧客への直接アプローチが可能
②配信コストが安く開封率が高い |
①スパム扱いされる可能性がある
②メール配信停止のリスクがある |
P-max | Googleの機械学習を活用した自動広告配信。複数の広告枠に最適化して自動配信する包括的なキャンペーン。 | ①機械学習で自動最適化されるため運用効率が高い
②複数の広告枠に同時配信できる |
①詳細な設定変更ができず運用の自由度が低い
②成果の要因分析が困難 |
記事広告 | メディアサイト上で記事形式で商品やサービスを紹介。自然な形で読者に訴求できる。 | ①自然な形で読者に訴求でき信頼性が高い
②SEO効果で長期的な集客が期待できる |
それぞれ詳しくご紹介します。 |
リスティング広告
リスティング広告は、検索エンジンの検索結果ページに表示されるテキスト形式の広告で、EC事業者にとって最も基本的で重要な広告手法の一つです。ユーザーが検索したキーワードに連動して広告が表示されるため、購買意欲が高いターゲットに効率的にアプローチできます。
リスティング広告はクリック課金制(CPC)を採用しており、実際にクリックされた場合のみ費用が発生するため、無駄な広告費を抑制できます。
また、リアルタイムでの効果測定が可能で、即座に成果を確認できる即効性の高い広告手法です。
メリットとして、購買意欲の高いユーザーへ直接アプローチできるため、コンバージョン率が高く、費用対効果が優れています。また、詳細な効果測定が可能なため、ROI(投資収益率)の算出が容易で、予算配分の最適化が可能なこともメリットとして挙げられます。
デメリットは、競合が多いキーワードでは単価が高騰しやすいことです。「化粧品」などの激戦キーワードでは1クリック数千円になることもあります。
そのため、継続的な運用とメンテナンスが必要で、特にキーワード選定やマッチタイプの設定を日々効果測定しながらPDCAを回す必要があります。
補足として、リスティング広告の出稿先としてはGoogleとYahoo!が一般的です。
もしどちらかしか出稿できないEC事業者は、Googleをおすすめします。
理由としては、利用率になります。
下記の画像は、日本国内において様々な検索エンジンの利用率推移をまとめた画像になります。

画像引用元:StatCounter「Search Engine Market Share Japan」
この画像からわかる通り、日本国内においてはユーザーのGoogle利用率が圧倒的であるため、Yahoo!よりGoogleをおすすめします。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、ウェブサイトやアプリ内に表示されるバナー画像や動画形式の広告で、視覚的なインパクトが強く、ブランド認知向上と潜在顧客への幅広いリーチを目的とした広告手法です。
特徴としては興味関心や行動履歴に基づいた詳細なターゲティングが可能であり、ターゲットとしている潜在顧客層へのリーチを実現できることです。
また、リマーケティング機能と組み合わせることで、一度サイトを訪問したユーザーに再度アプローチすることも可能です。
メリットは、視覚的インパクトが強いためブランド認知向上に効果的で、商品の魅力を画像や動画で直感的に伝えられることです。幅広いターゲットにリーチでき、月間数億インプレッションの露出も実現することが可能です。
デメリットとして、検索広告と比較してクリック率が0.5-1%と低く、即効性に欠ける傾向があります。広告ブロッカーの普及により20-30%のユーザーに表示されない可能性があり、ブランドイメージに合わない媒体に配信されるリスクも存在します。
また、広告の作成ルールが厳しいことが挙げられます。
広告の審査の際、画像ファイルの大きさや、画像内に入れる文章などについて細かなルールがあり、そのルールに従わなければ審査に落ちてしまい広告出稿できない可能性があることがデメリットとして存在します。
Googleショッピング広告
Googleショッピング広告は、商品画像・価格・店舗名・レビュー評価を検索結果に表示する広告形式で、視覚的で購買意欲の高いユーザーに直接商品をアピールできます。
Google Merchant Centerに商品データを登録することで、検索結果の上部に商品情報が表示され、ユーザーは価格比較を行いながら購入判断ができます。
リスティング広告と少し似ていますが、Googleショッピング広告は必ずテキストと画像がセットになって表示されることが大きな違いになります。
また、テキスト広告と異なり、商品の外観や価格が一目で分かるため、購買意欲の高いユーザーからのクリックを獲得しやすいです。
メリットとして、他の広告と比べるとコンバージョン率が高い傾向があることです。商品を視覚的に訴求できるため、クリックから購入に至る割合が他の広告に比べて高いとされています。また、検索結果に表示する商品を選定できるため、新商品や特定の季節商品ラインナップを効率的に宣伝できるのもメリットの1つです
デメリットは、商品データフィードの管理が複雑で、在庫情報・価格・商品情報の定期更新が必要な手間がかかります。
また、価格競争が激しく、同じ商品を扱う競合他社と直接比較されCPCが高くなる傾向があるため、費用対効果が合わない可能性があります。
商品データの品質が低いと広告が表示されず、Google Merchant Centerの審査やポリシー違反のリスクもあります。
リマーケティング広告
リマーケティング広告とは、一度サイトに訪問したユーザーに向けて広告を表示させ、再訪問を促す広告手法です。
サイトに設置したトラッキングタグにより、訪問者の行動履歴を追跡し、商品閲覧者やカート放棄者など、行動別にセグメント化して適切な広告を配信できます。
似た言葉に「リターゲティング広告」がありますが、基本的には同じ意味として扱われます。
リマーケティング広告のメリットは、既に興味を持ったユーザーへの再アプローチが可能なため、一般的な新規獲得広告と比較して3-5倍高いコンバージョン率を実現できます。
また、カート画面で放棄したユーザーへの再訴求では、20-30%の回復率を期待できます。コンバージョン率が高く費用対効果が良いため、CPAを50-70%削減できた事例も多数あるため大きな効果が見込めます。
しかし、デメリットとして一度訪れたユーザーへの広告という性質上、新規ユーザーの獲得には適していないことがあります。また、頻繁な広告表示でユーザーに嫌悪感を与える可能性があり、フリークエンシーキャップの設定が重要です。
近年では、プライバシー規制の強化により、iOS14.5以降やサードパーティCookie廃止の影響で、トラッキング精度が低下しているという課題もあります。
SNS広告
FacebookやTwitter、Instagramなど、さまざまなSNSが広告を導入しており、ユーザーのタイムライン上に広告を表示させることができます。
ユーザーの年齢、性別、興味関心、行動履歴などの豊富なデータを活用した精密なターゲティングが可能で、EC事業者にとって重要な見込み客獲得チャネルです。
以下からそれぞれのSNS広告媒体のメリットデメリットをご紹介します。
Facebookのメリット・デメリット
Facebookには、アカウント登録時にユーザー属性を収集する仕組みがあるため、職業や趣味といったパーソナル情報に合わせた広告出稿が可能というメリットがあります。
当然ながら、Facebookを利用している人にしか広告を届けられないことはデメリットといえるでしょう。
SNSごとに利用者層が異なるので、目的やターゲットに応じてSNSを選択することが大切です。
LINEのメリット・デメリット
国内最大シェアを誇るSNSであるLINEは、2024年9月時点で9,700万人が利用しています。[注1]
LINE広告は、日常的に使用されるLINEのトークリスト上部だけでなく、LINEマンガなどのファミリーアプリや、LINEと提携しているサードメディアにも広告を表示させることが可能です。
また、Facebookのようにユーザーの趣味などによって細かな属性分けができるので、届けたい層にダイレクトに広告を配信できます。
ただし、LINE独自の審査があり、審査には5日間ほどの期間が必要なことと、コンテンツや文言によっては審査を通過できないという点がデメリットといえるでしょう。
[注1]LINEヤフー株式会社:LINEの特徴やユーザーを知る
Instagramのメリット・デメリット
2019年に利用者数が3,300万人を突破したInstagramは、2020年も勢いを保ったままユーザー数を伸ばしていくと予想されます。[注2]
また、利用者のアクティブ率が高いことから、広告のインプレッションが伸びやすい媒体といえます。
利用者層としては10代から30代の若い層が多いため、若い年代に向けた商品を販売しているECサイトにとっては、Instagram広告は効果的といえるでしょう。
しかし、タイムライン上に広告が表示されることを不快に感じるユーザーも少なくなく、ビジネス色を前面に押し出した広告が嫌われる傾向にあります。
広告を出稿する際には、内容がInstagram向きであるかどうかなどに注意しましょう。
[注2]FACEBOOK Newsroom:Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破
Twitterのメリット・デメリット
Twitter上ではさまざまな企業アカウントが情報を発信しており、宣伝の場としてだけでなくユーザーとのコミュニケーションの場として活用されています。
拡散力が高く、ユーザーに面白いと思わせるものであれば一気に認知度が高まるケースもあります。
Twitterに限った話ではありませんが、特にTwitter上では、広告の情報が誤っていた場合や誇張が過ぎた場合など、小さなことでも炎上するリスクがあります。
広告費を払って炎上を招くことがないように、情報の正確さや誤解を招かない表現などについて確認しておくことが大切です。
SNSの活用について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
ECサイトにおけるSNS戦略6選!各SNSの特徴や効果的な集客方法をご紹介
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は、成果報酬型の広告で、アフィリエイターが商品を紹介し売上に応じて報酬を支払う仕組みです。初期費用を抑えながら、多数のアフィリエイターのネットワークを活用して商品を拡散できるため、EC事業者にとってリスクの低い広告手法として人気があります。
ディスプレイ広告と似ていますが、大きな違いは、ブログやサイトの運営者側がどの広告を掲載するかを自分で選べるという点です。
メリットは、成果報酬型なのでリスクが低く、売上が発生しない限り広告費は発生しません。基本的に売上の10%程度の報酬設定のため、確実に利益を確保できます。
また、アフィリエイターの影響力やSEOスキルを活用でき、個人ブロガーから大手比較サイトまで幅広いメディアで商品を紹介してもらえます。
デメリットは、報酬設定が低いと良質なアフィリエイターが集まらず、競合他社との報酬競争に巻き込まれる可能性があることや、ブランドイメージのコントロールが困難で、不適切な訴求や誇大広告により、ブランド価値を損なうリスクがあります。
また、アフィリエイターに依存するため、主力アフィリエイターの離脱により売上が大幅に減少する可能性があり、長期的な顧客関係の構築が困難です。
メルマガ広告
メルマガ広告は、メールマガジン内に広告を配信する手法で、既存顧客や会員への直接的なアプローチが可能で開封率が高い特徴があります。自社の顧客リストまたは外部のメルマガ媒体を活用して、ターゲットユーザーに直接商品情報を届けることができます。
メリットは、既存顧客への直接アプローチが可能で、購買履歴のある顧客に対しては高いレスポンス率を期待できます。
また、配信コストが1通あたり数円と安く、開封率が20-25%と高いため、費用対効果に優れています。
デメリットは、スパム扱いされる可能性があり、過度な配信頻度や不適切な内容により、ユーザーの信頼を失うリスクがあります。メール配信停止により顧客との接点を失うリスクがあり、一度配信停止されると再度関係を築くのは困難です。
また、メールボックスに埋もれやすく、開封されないメールが多数存在するため、件名や配信タイミングの最適化が重要です。
P-max
P-max(Performance Max)は、最近リリースされたGoogleの機械学習を活用した広告配信システムで、複数の広告枠に最適化して自動配信する包括的なキャンペーンです。
Google検索、YouTube、Gmail、Discover、Googleマップなど、すべてのGoogle広告ネットワークに同時に配信でき、機械学習により自動で最適化されます。
特徴として、従来の手動設定が不要で、目標コンバージョン単価や目標広告費用対効果を設定するだけで、AIが自動的に最適な配信を行うことができます。
メリットは、機械学習で自動最適化されるため運用効率が高く、広告の専門知識がなくても効果的な配信が可能です。また複数の広告枠に同時配信できるため、幅広いユーザーにリーチすることができます。
デメリットは、詳細な設定変更ができず運用の自由度が低く、キーワード除外や配信時間設定などの細かい調整が困難なことが挙げられます。成果の要因分析が困難で、どの配信面で成果が出ているか分からないため、改善施策の立案が難しいです。
また、機械学習の学習期間が必要で、初期段階では不安定な配信となる可能性があり、予算コントロールが困難な場合があります。
記事広告
記事広告は、メディアサイト上で記事形式で商品やサービスを紹介する広告手法で、自然な形で読者に訴求できます。一般的な記事コンテンツと同様の形式で商品を紹介するため、ユーザーに広告感を与えずに商品の魅力を伝えることができます。
特徴としては編集記事のような形式で商品を紹介するため、高い信頼性を獲得することができるため、SEO効果も期待でき、検索エンジンからの長期的な流入も見込める事です。
メリットは、メディアのブランド力を活用して商品の信頼度を向上させることができます。詳細な商品説明や使用方法を丁寧に説明でき、購買意欲の醸成に効果的です。
また、SEO効果で長期的な集客が期待でき、記事が検索上位に表示されることで継続的な流入を獲得できます。
デメリットは、制作コストが高く即効性に欠け、1記事あたり数十万円の費用がかかる場合があります。メディアとの調整が必要で手間がかかり、企画から公開まで1-2ヶ月の期間を要することが多いです。
また、メディアの編集方針により、商品の訴求内容が制限される場合があり、思うような表現ができない可能性があります。効果測定が困難で、直接的な売上への貢献度が見えにくい点も課題です。
ECサイトの広告費用の算出方法や費用相場

EC広告は広告費用と利益の関係性を意識して運用しなければなりません。
ただ、広告費用の算出方法は様々あり、業界業種によって異なることがあるため、費用の設定に苦戦する担当者もいらっしゃるかと思います。
以下では、様々な広告費用の算出方法と相場を解説します。
広告費用の算出方法
広告予算の算出には、売上目標や利益、広告のROI(投資収益率)を基にした複数のアプローチがあります。
売上目標に基づいて予算を設定する方法では、目標とする売上に対して一定の割合を広告費として割り当てます。
例えば、月間売上目標が500万円で広告費を売上の5%に設定すると、広告予算は25万円になります。また、商品の売価から販売コストを引いた損益分岐点を考慮して、利益を確保しつつ広告費を設定する方法もあります。
一方、LTV(ライフタイムバリュー)を考慮した予算設定では、顧客1人あたりが生涯にわたってもたらす平均利益を基に、広告費を算出します。
例えば、商品1個の利益が1,000円で、年間平均5回のリピートが見込める場合、月間50個販売すると仮定すると、広告予算の上限は25万円に設定できます。
目標CPA(コストパーアクション)を基に予算を計算する方法では、商品1つの販売にかけられる広告費を目標利益から逆算し、これに目標の販売個数を掛け合わせて予算を算出します。
さらにROIを基にした予算設定では、期待する利益に対して、どの程度の広告費を投じるかを計画します。例えば、100万円の利益を目指し、広告費を利益の半分に抑えたい場合、広告予算は50万円となります。
その他、予算算出のためには、CPC(クリック単価)やCVR(コンバージョン率)などの指標を考慮し、リアルな市場状況を反映した計算が求められます。
リスティング広告のCVRを1~3%、その他の広告で0.3~0.6%程度と見積もることが一般的です。
こうしたデータに基づいて、適切な広告予算を設定し、効率的な広告戦略を実行することが重要です。
広告費用の相場
以下の表はEC事業者向けの広告費用における平均的な相場をまとめた一覧表になります。
この表や先ほどの費用の算出方法を基にして、ぜひ効果的なWeb広告運用を実施してみてはいかがでしょうか。
EC事業者向け広告費用相場一覧表
広告種類 | 平均的な月の費用相場 | 平均CPC | 平均CPA |
リスティング広告 | 50万円〜300万円 | 100円〜1,000円 | 3,000円〜15,000円 |
ディスプレイ広告 | 30万円〜200万円 | 50円〜200円 | 5,000円〜25,000円 |
Googleショッピング広告 | 40万円〜250万円 | 80円〜400円 | 2,500円〜12,000円 |
リマーケティング広告 | 20万円〜150万円 | 60円〜300円 | 2,000円〜10,000円 |
SNS広告 | 30万円〜200万円 | 80円〜350円 | 3,500円〜18,000円 |
アフィリエイト広告 | 成果報酬型(売上の10-20%) | – | 売上の10-20% |
メルマガ広告 | 10万円〜80万円
※自社リスト配信では0円 |
30円〜150円
※自社リスト配信では0円 |
1,500円〜8,000円
※自社リスト配信では0円 |
P-max | 50万円〜300万円 | 90円〜450円 | 2,800円〜14,000円 |
記事広告 | 50万円〜500万円(1記事20-100万円) | – | 10,000円〜50,000円 |
ECサイト広告でより成果が生まれる運用ポイント5選

これからECサイトの広告を始めてより成果に繋げるためには、以下の運用ポイントを意識しましょう。
・ターゲットや商材に合った広告媒体を選定する
・複数の広告媒体を運用する
・アカウントの構成をシンプル化する
・広告バナーとLPのA/Bテストを行い続ける
・常に情報取集する
以下から詳しく解説します。
ターゲットや商材に合った広告媒体を選定する
EC事業者が広告運用で成果を出すためには、自社の商材特性とターゲット層に最適な広告媒体を選定することが重要です。例えば、20代女性向けのファッション商品であればInstagram広告やTikTok広告が効果的ですが、BtoBの業務用品であればGoogle広告やLinkedIn広告が適しています。
具体的な選定方法として、まず自社の顧客データを分析し、年齢層、性別、利用デバイス、購買行動パターンを把握します。次に、各広告媒体のユーザー属性と照合し、重複度の高い媒体を優先的に選定します。
また、商品単価も重要な要素で、高単価商品(10万円以上)はリスティング広告で検討期間の長いユーザーにアプローチし、低単価商品(5,000円未満)はSNS広告で衝動買いを促進する戦略が効果的です。
複数の広告媒体を運用する
複数の広告媒体を併用しながらの運用は、リスク分散と相乗効果の両方を実現する重要な戦略です。
単一媒体への依存は、アルゴリズム変更や競合激化により売上が大幅に減少するリスクがあるため、Google広告、Facebook広告、Yahoo!広告など3-5つの媒体を組み合わせた運用が推奨されます。
具体的な運用方法として、媒体ごとに役割を明確化することから始めます。
例えば、Google広告を新規顧客獲得、Facebook広告をブランド認知向上、リマーケティング広告を購買促進といった具合に、カスタマージャーニーに沿った媒体配置を行います。
また、クロスデバイス・クロスメディアでの顧客接触を最適化するため、アトリビューション分析を活用して各媒体の貢献度を把握することが重要です。
例えば、ユーザーがInstagram広告で商品を認知し、Google検索で比較検討した後、リマーケティング広告で購入に至るケースがある場合、各媒体の予算配分を最適化することで、全体的な広告効果を向上させることができます。
アカウントの構成をシンプル化する
これはテクニック面でのポイントになりますが、広告アカウントの構成は1つのキャンペーンになるべく1つの広告グループがおすすめです。
理由としては機械学習を最適化するためです。
従来の広告運用では、キーワードやターゲティングごとにキャンペーンを細分化するのが主流でした。
しかし、機械学習が発達するにつれてAIに広告配信を委ねることが多くなったことで、広告キャンペーンや広告グループを細分化しすぎると、AIがうまく機械学習できずに広告配信の結果が最大化されなくなってしまいました。
そのため、広告を配信する際はAIに効率よく集中的に機械学習させるためにアカウント構成をシンプルにすることがポイントになります。
広告バナーとLPのA/Bテストを行い続ける
EC事業者が継続的に広告成果を改善するためには、広告バナーとランディングページ(LP)のA/Bテストを体系的に実施し続けることが必要です。A/Bテストを定期的に行うことで、広告素材とクリエイティブの最適な組み合わせを見つけ出し、クリック率やコンバージョン率の向上につなげることができます。
具体的なテスト手法として、広告バナーでは画像・コピー・色彩・CTAボタンの4要素を順次テストします。例えば、商品画像とライフスタイル画像、価格訴求と機能訴求、赤色と青色のCTAボタンなど、1要素ずつ変更して効果を測定します。
LPでは、ヘッダー画像、商品説明文、価格表示方法、購入ボタンの配置・色・文言をテストし、コンバージョン率の向上を図ります。テスト期間では、分析結果が出るまで最低2週間程度実施し、クリック数が少ない場合は期間を延長します。また、季節性や曜日による変動を考慮し、同一条件での比較を心がけることが重要です。
成功パターンを見つけた後も、さらなる改善の余地がないか継続的にテストを行い、年間を通じて段階的にコンバージョン率を向上させることで、広告投資収益率(ROAS)の最大化を実現することが可能になります。
常に情報収集をする
広告は、プラットフォームの仕様変更、新機能のリリース、競合他社の動向、消費者トレンドの変化が日々発生するため、常に最新情報を収集し、迅速に対応することが成功の鍵となります。情
情報収集を怠ると、競合に遅れを取り、広告効果が低下するリスクがあります。
具体的な情報収集方法として、各広告プラットフォームの公式ブログや公式Twitter、業界専門メディア(AdverTimes、宣伝会議、MarkeZineなど)を定期的にチェックします。
また、Google広告やFacebook広告のヘルプセンターでは新機能の告知やベストプラクティスが公開されるため、週1回程度の確認を習慣化します。
さらに、業界のセミナーやウェビナーに参加し、最新のトレンドや成功事例を学ぶことも重要です。
これらの情報を基に、月1回程度の頻度で広告戦略の見直しを行い、常に最適化されたアプローチを維持することで、競争優位性を確保することができます。
まとめ

EC事業において、集客をする施策をいくつも存在しますが、最も効果的な手法の一つに広告を活用することが挙げられます。
そのため、広告を活用するEC事業者は大勢いますが、誤った媒体選定や予算配分、運用をしてしまうと効果的に集客をすることができないため、本記事を参考にして最適な運用をしてみてはいかがでしょうか。
また、広告の知識があまりない方は、EC業界に特化した広告代理店に運用代行を依頼することも成果を上げるための1つの手法です。
下記の資料では、広告代理店はもちろん、EC業界特化型の支援会社をいくつも紹介しています。
この機会にぜひご覧になられてはいかがでしょうか。
【保存版】スタートアップから大企業まで活用できるECパートナー選定基準マニュアル