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大規模ECサイト構築のシステム比較7選!失敗しない選び方と主要パッケージの特徴をプロが解説

EC構築

「年商50億円以上」を目指す大規模ECサイトを構築する場合、

大規模なECサイトのリニューアルや新規立ち上げは、企業の命運を握る巨大プロジェクトです。「アクセス集中でサーバーが落ちないか」「基幹システムとスムーズに連携できるか」「セキュリティは万全か」検討すべき課題はたくさんあります。

一方で、自社と合う方法で構築・運用ができたら、莫大な利益を生む可能性は高いです。

そこで本記事では、

  • 大規模ECサイト構築に耐えうる主要なシステム(パッケージ・プラットフォーム)7選
  • 大規模ECサイトにおすすめの構築方法
  • ベンダー選定におけるおすすめの比較ポイント
  • 大規模ECサイトで売上を伸ばした成功事例

などについて紹介します。数多くの大規模ECサイト構築の支援を行ってきた知見をもとにご紹介します。

1,000社以上の導入実績に基づき、ECサイト新規構築・リニューアルの際に事業者が必ず確認しているポイントや黒字転換期を算出できるシミュレーション、集客/CRM /デザインなどのノウハウ資料を作成しました。
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この記事の監修者

この記事の監修者
樽澤寛人 マーケティング部 部長

神戸大学在学中にEC事業を立ち上げ、自社ECサイトの構築から販売戦略の立案・実行、広告運用、物流手配に至るまで、EC運営の全工程をハンズオンで経験。売上を大きく伸ばしたのち、事業譲渡を実現。
大学卒業後はW2株式会社に新卒入社し、現在は、ECプラットフォーム事業とインテグレーション事業のマーケティング戦略の統括・推進を担う。一貫してEC領域に携わり、スタートアップから大手企業まで、あらゆるフェーズのEC支援に精通している。

目次
  1. 01|大規模ECサイト構築における「3つの絶対条件」
  2. 02|大規模ECサイトに向いている構築方法2つとその違い
  3. 03|【プロが厳選】大規模ECサイト構築の主要プレイヤー7選
  4. 04|大規模ECサイトを構築するパッケージ・ベンダーの選び方7つ
  5. 05|プロジェクト担当者が知っておくべき「大規模ECの失敗あるある」
  6. 06|大規模ECサイトを構築して売上を伸ばした成功事例
  7. 07|まずは大規模ECサイト構築に向けて要件をまとめよう
  8. 08|まとめ:大規模ECサイトの構築は慎重に検討しよう
  9. 09|大規模ECサイトに関するよくある質問(FAQ)

大規模ECサイト構築における「3つの絶対条件」

一口に「ECサイト」と言っても、月商数百万円規模のサイトと、年商100億円を超える大規模サイトでは、求められるインフラ強度や機能の複雑さが次元の違うレベルで異なります。

小規模サイトなら「使いやすさ」や「デザイン」が優先されることもありますが、大規模プロジェクトにおいて、決して妥協してはいけないのは、ビジネスを止めないための「堅牢なシステム基盤」です。ここでは、大規模ECサイト構築における3つの絶対条件を解説します。

1. 圧倒的な「拡張性」と「可用性」

大規模ECサイトの最大の特徴は、トラフィック(アクセス数)とデータ量の膨大さにあります。平常時は問題なく稼働していても、ビジネスチャンスであるはずの瞬間にシステムがボトルネックになってはいけません。

例えば、テレビCM放映、インフルエンサーによる紹介、ブラックフライデーなどの大型セール時には、平常時の数倍~数十倍のアクセスが数秒間で集中します。従来の固定的なサーバー構成では、この負荷に耐えきれずサイトがダウン(サーバー落ち)してしまいます。サーバーが落ちれば、その瞬間の売上だけでなく、顧客の信頼も失います。

そのため、アクセス負荷に応じて、サーバーの台数やスペックを自動的に拡張・縮小させる「オートスケーリング機能」が実装されているか、またその実績値(秒間何アクセスの処理実績があるか)を確認しましょう。

また、大規模事業者の場合、EC単独で完結することはなく、基幹システム(ERP)や実店舗のPOSシステム、倉庫管理システム(WMS)、CRMツール、MAツールなど、社内の膨大なデータとリアルタイムで連携する必要があります。単にCSVで連携するだけでなく、APIによるリアルタイム連携が可能かどうか、大量の注文データが流れても遅延や不整合を起こさないことなど、API基盤が整備されているかが選定の鍵となります。

2.強固なセキュリティ対策を実施している

大規模ECサイトは、サイバー攻撃の標的になりやすい傾向があります。保有している個人情報(クレジットカード情報など)が膨大であるため、万が一の情報漏洩は、数億円規模の損害賠償やブランドイメージの失墜など、企業の存続に関わる致命傷となり得ます。最近だと、サイバー攻撃を受けた通販大手の「アスクル」は10月下旬からの1カ月の売り上げが前の年と比べて9割以上、減少したと発表しています。

これらセキュリティ事故を防ぐために、WAF(Web Application Firewall)やIPS(不正侵入防止システム)が標準装備されていることを確認しましょう。さらに、24時間365日の有人監視体制があるかどうかもチェックすべきです。また、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証や、プライバシーマーク、あるいはPCI DSS(クレジットカード業界のセキュリティ基準)など、第三者機関による認証を取得しているベンダーを選びましょう。

3. 「陳腐化させない」アップデート性

大規模システムの構築期間は、要件定義からリリースまで1年~2年かかることも珍しくありません。従来のフルスクラッチ開発や、売り切り型のパッケージ導入では、リリースした瞬間からシステムの老朽化が始まります。数年後には「機能が古い」「新しい決済手段に対応できない」「セキュリティパッチが当たっていない」という状態になり、莫大な費用をかけてリニューアルを繰り返すことに陥りがちです。

この課題を解決するために、コアシステムをベンダー側で定期的にアップデートしてくれるかを確認しましょう。これにより、自社で開発コストをかけずとも、最新のマーケティング機能やセキュリティ対策を享受し続けることが可能になります。「資産」としてシステムを持つのではなく、「進化するサービス」を利用するという視点が、現代の大規模ECには求められています。

大規模ECサイトに向いている構築方法2つとその違い

大規模ECサイトには「高いカスタマイズ性」と「安定的なインフラ」が必須であるとお伝えしました。これらの条件を満たす主な構築方法が「パッケージ」と「フルスクラッチ」です。

「パッケージ」とは、ECサイトの運営に必要な機能がパッケージングされているシステムのことです。既存のシステムを元に独自の機能を追加するケースが多く、コストを抑えつつ柔軟にカスタマイズできるのが特徴です。

一方「フルスクラッチ」とは、既存のプログラムを流用せずゼロからECサイトを構築する方法のことを指します。独自のサイト要件を実現しやすいというメリットがありますが、そのぶん膨大なリソース(コスト・時間・人員など)が必要です。

どちらもあらゆるニーズに対応できる構築方法ですが、主にコストの面で大きな違いがあります。両者のメリット・デメリットについて、以下で詳しく見ていきましょう。

以下のお役立ち資料ではECサイト構築を比較表で紹介しています。
是非合わせてご覧ください。

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ECサイトの構築を検討している方必見!
計9社の定期・総合通販カートシステム比較表「費用面・機能面・サポート面」
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パッケージのメリット・デメリット

■ パッケージの主なメリット

  • 独自のカスタマイズがしやすい
  • 拡張性が高い&外部連携しやすい
  • セキュリティ対策に強い
  • ベンダーのサポートを得られる

■ パッケージのデメリット

  • システムのアップデートが必要

フルスクラッチと比べてパッケージは総合的なコストパフォーマンスに優れており、大規模ECサイトを構築したい多くの企業に選ばれています。ベンダーが構築するため、導入のハードルが比較的低いだけでなく、近年ではフルスクラッチにも劣らないほど機能の充実化が進んでいます。またカスタマイズ性も高いので、大規模ECサイトでも問題なく構築・運用が可能です。

デメリットとしては、システムの耐用年数が一般的に3〜5年であることです。そのため定期的なアップデートが必要で、場合によってはその都度費用がかかります。ただし、無償で対応していたり自動バージョンアップが行われたりするケースもあるので、各ベンダーに確認してみてください。

また下記の記事では、ECパッケージについて紹介しています。

関連記事:ECパッケージ比較15選|規模・販売形態別に最適ECシステムを紹介

フルスクラッチのメリット・デメリット

■ フルスクラッチのメリット

  • カスタマイズの自由度がもっとも高い
  • 構築後も柔軟な対応ができる
  • 社内で高速PDCAを実現できる

■ フルスクラッチのデメリット

  • 膨大なコストがかかる
  • 高い専門スキルをもった人材が必要

フルスクラッチはゼロからシステムを自社開発するため、自由に機能を実装できる一方、膨大なコストがかかるため導入できる企業が限られます。パッケージと比べて優れている点は「自由度の高さ」です。他のECサイトにはない独自の機能を実装しやすいため、理想のECサイトを実現しやすく、他社との差別化も図れます。しかし、構築には数千万円単位での費用がかかるだけでなく、時間や人員も必要です。リソースに不安がある企業にはハードルが高い方法といえます。

また下記の記事では、ECフルスクラッチについて紹介しています。
関連記事:ECサイトのフルスクラッチとは?費用からメリット・デメリット・失敗事例まで解説!

大規模ECサイトの構築なら「パッケージ」がおすすめ

大規模ECサイトをつくる場合、基本的にはパッケージでの構築がおすすめです。

フルスクラッチと比較すると、「より短期間で構築しやすい」や「開発・運用コストを抑えやすい」、「社内に専門的な人材がいなくても構築可能」などといったメリットがあるため、潤沢なリソースがない企業でも比較的導入しやすいです。もし独自の開発要件がかなり多く、かつ開発を内製できるリソースがある場合はフルスクラッチが向いているかもしれません。

ですが、実際にはパッケージによるカスタマイズで十分対応できるケースも多いです。そのため、大規模ECサイトを構築する際には、フルスクラッチよりも総合的なコストパフォーマンスに優れたパッケージを選ぶのがおすすめです。以下、ECサイト構築/リニューアル前に確認すべきをポイントをチェックリスト式にまとめた資料となります。ご活用ください。

【プロが厳選】大規模ECサイト構築の主要プレイヤー7選

ここでは、中堅~大規模ECサイトの構築実績が豊富な、国内の主要システム・パッケージベンダー7社を紹介します。それぞれの強みや特徴を把握し、自社の要件に合う候補を絞り込みましょう。

① W2 Unified(W2株式会社)

W2 Unifiedは、マイクロソフトのゴールドパートナー認定を受けた、セキュリティと拡張性を兼ね備えたオールインワン型のECプラットフォームです。ECサイト構築に必要な決済やデザイン設定、マーケティング機能などを標準搭載しながら、世界最高水準のセキュリティと平均売上成長率354%を実現する実績を持っています。

W2 Unifiedの最大の特徴は、パッケージシステムの利便性とスクラッチ開発の柔軟性を両立させたハイブリッド方式を採用している点です。一般的に大規模サイトの構築では、自由度を求めてフルスクラッチ開発を検討する企業も少なくありません。しかし、機能の網羅性や開発スピード、運用負荷を考慮すると現実的ではないケースが多く存在します。W2 Unifiedであれば、完成されたパッケージを基盤とすることで開発スピードを担保しつつ、事業独自の要件に合わせて必要な機能を柔軟に追加・調整することが可能です。これにより、やりたいことを素早く実現できる内製のようなスピード感と、パッケージならではの安定性を同時に手に入れることができます。

また、大規模ECサイト特有の膨大なデータ処理能力も強みの一つです。数百万点におよぶ商品データの管理や、秒単位で発生する大量の受注処理、さらには実店舗とECを横断するリアルタイムな在庫管理など、他社システムでは対応が困難な高度な要件であっても実装できる技術基盤があります。この処理能力の高さが、事業規模の拡大を目指す企業に選ばれる大きな理由となっています。

さらに、システムを提供するだけでなく、事業の成長を共に描くパートナーとしてのサポート体制も充実しています。W2には大手EC事業者やITベンダー出身の経験豊富なエンジニアが多く在籍しており、開発リソースを自社で確保しています。そのため、プロジェクトごとの柔軟な人員配置が可能で、急な機能追加やトラブル対応が必要になった際も開発を止めることなくスムーズに進行できます。単なるシステム納品業者としてではなく、5年後や10年後を見据えた事業成長を共に構想し、技術面から伴走できる体制が整っている点も大きな特徴と言えるでしょう。

セキュリティと安定稼働を最優先しつつ、自社独自のビジネスモデルに合わせてシステムを柔軟に進化させていきたい中堅から大規模規模の企業に最適なプラットフォームです。

  \W2 Unifiedの詳細はこちら!/           ▲まずは無料資料ダウンロード

② ecbeing(株式会社ecbeing)

ecbeing公式Webサイト

国内トップクラスの導入実績数。豊富なノウハウが強み 長年にわたり国内ECパッケージ市場を牽引してきた実績があります。

開発体制が厚く、BtoBからBtoCまで幅広い業種に対応可能。マーケティング支援部隊も強力です。豊富な導入実績(事例)を重視し、安定したプロジェクト進行を求める企業に向いています。

③ EC-ORANGE(株式会社エスキュービズム)

EC-ORANGE公式Webサイト

オープンソースベースで自由度の高いカスタマイズ オープンソース(EC-CUBE)をベースに独自開発されたパッケージです。ソースコードが開示されているため、ベンダーロックインのリスクが低く、自由自在なカスタマイズが可能。実店舗連携(POS連携)など、リアル×デジタルの融合に強みがあります。独自の業務フローがあり、システム側を徹底的に合わせたい企業に向いています。

④ EBISUMART(株式会社インターファクトリー)

「システムが古くならない」クラウドコマースプラットフォーム SaaS型でありながらカスタマイズが可能という特徴を持つシステムです。週に一度のペースでシステムが自動更新されるため、常に最新の環境を利用できます。インフラ管理の手間を削減できます。インフラ保守の負担を減らしつつ、ある程度の独自機能を追加したい企業に向いています。

⑤ EC-CUBE(株式会社イーシーキューブ)

国内シェアNo.1のオープンソースウェア 誰でも無料で利用できるオープンソースソフトウェアとして有名ですが、大規模向けには提携パートナーによる開発支援(EC-CUBE Enterprise等)が推奨されます。

コストを抑えたスモールスタートから、プラグインによる機能拡張まで柔軟に対応。開発できるベンダーの数が多いのも特徴です。社内に強力なエンジニアチームがいる、または特定の制作会社と強いパイプがある企業に向いています。

⑥ eltexDC(株式会社エルテックス)

eltexDC公式Webサイト

ECとカタログ通販の統合管理に強み ECサイト構築だけでなく、コールセンターシステムなど通販業務全般をカバーします。

複数のサイトやカタログ通販、実店舗の顧客・在庫・ポイント情報を一元管理することに長けています。カタログ通販やテレビショッピングなど、Web以外のチャネルも統合管理したい企業に向いています。

⑦ コマース21(株式会社コマースニジュウイチ)

大規模・大量トラフィックに特化したフルカスタマイズパッケージの枠にとらわれない、スクラッチ開発に近い自由度を提供します。

ソースコード提供型のライセンスモデルで、大規模サイト特有の複雑な要件定義や、大量トランザクション処理の実績が豊富です。パッケージの標準機能では対応できない独自の要件が多く、完全オリジナルなシステムを構築したい超大規模企業に向いています。

大規模ECサイトを構築するパッケージ・ベンダーの選び方7つ

自社に合ったECプラットフォームやベンダーを選ぶためのおすすめのチェックポイントを7つ紹介します。

  1. ECサイト構築の実績は十分か
  2. 自社が求めている機能を搭載しているか
  3. 高いカスタマイズ性と技術力があるか
  4. 安定的なインフラ環境を構築できるか
  5. ECサイトは運用しやすいか
  6. サポート体制が十分か
  7. 構築・運用にどのくらいコストがかかるか

それぞれ一つずつ紹介します。

①ECサイト構築の実績は十分か

ベンダーの企業サイトでは、過去にどんなECサイトを構築してきたのか制作事例が紹介されています。

そのなかに自社が求めるECサイトと近い事例がないか、実績件数は十分かなど、事前に確認しておくのがおすすめです。

また、理想のECサイトがあった場合、紹介されている企業のサイトを実際に訪問してみましょう。ユーザー目線でサイトの使いやすさや見やすさを体験することで、より深い視点に立ってベンダーを比較できます。

②自社が求めている機能を搭載しているか

自社にとって必要な機能が搭載されているかどうかは、ベンダー選定における重要な基準の一つです。

「機能が豊富に搭載されているか」や「求める水準に性能が達しているか」などをぜひチェックしてみてください。

また、集客機能・販促機能だけをチェックするのではなく、商品管理・配送など日々のバックヤード業務を効率化する機能がないか確認するのもおすすめです。

なお、求める機能が標準搭載されていない場合、カスタマイズで追加できることもありますが、そのぶん追加コストがかかりやすいので注意しましょう。

③高いカスタマイズ性と技術力があるか

パッケージ自体に高いカスタマイズ性があり、それを活かす技術力をベンダーが備えていれば、独自の機能や要件を満たしたECサイトの実現に大きく近づけます。

例えば、

  • 日々の業務を効率化するカスタマイズ(自社基幹システムとの連携など)
  • 実店舗との連携に対応するカスタマイズ(顧客管理の一元化など)

といったカスタマイズを実現できるかは、ベンダーの技術力によるところが大きいです。

技術力の低いベンダーであれば、開発を渋られてしまうケースも。

一方、実力のあるベンダーなら、過去に事例のない機能でも積極的に開発協力をしてくれます。また、他社ではカスタマイズとして提供しているレベルの機能も標準搭載しているケースが多いです。

④安定的なインフラ環境を構築できるか

膨大なデータを取り扱う大規模ECサイトを構築する以上、安定的なインフラ環境を構築することは必須条件です。

  • アクセス集中による大量のトラフィックに耐え得るサーバー環境か
  • 第三者のサイバー攻撃や不正アクセスを防ぐセキュリティを導入しているか
  • 過去にセキュリティ事故はなかったかどうか

などは事前に確認しておきましょう。

また、インフラ管理がどこに帰属しているのかを把握しておくことも重要です。

インフラの管理・運用はベンダーが自社運用しているケースと、外部委託しているケースがあります。予期せぬトラブルが発生しても、前者ならシステムとサーバーの管理が一本化されているので迅速な対応が可能です。

⑤ECサイトは運用しやすいか

構築後の運用のしやすさは、日々の業務効率に大きく影響します。

特に「管理画面の操作性や業務の自動化」は重視すべきポイントです。もし可能であれば、事前にベンダーからデモ画面をもらって使いやすさを把握しておくのがおすすめです。

また、サイト運用はルーチン化できる作業が多いため、自動化できると作業時間が大幅に削減できます。

・日々の発送業務をワークフロー化し、ボタン一つで一括実行する
・セグメントに該当する顧客にのみメルマガを自動送信する
など、ルーチン作業は積極的に自動化できないか検討してみましょう。

ちなみに、弊社が提供する「W2 Unified(旧:w2Commerce)」は、特許取得中の独自機能「自動受注ワークフロー機能」を実装。なんと日々の業務工数を90%削減することに成功しました。

空いた時間を積極的な販促施策に充てることで、さらなる売上拡大を実現できます。

⑥サポート体制が十分か

パッケージでのサイト運営は、事業者の努力だけで成り立つものではありません。ベンダーによるサポートや協力が不可欠であり、伴走していく姿勢が必要です。

パッケージを利用するかぎりベンダーとは長い付き合いになるので、信頼できるサポート体制があるかよく見ておきましょう。

例えば、

  • 専任の担当者やサポート窓口はあるか
  • 電話でのお問い合わせに対応しているか
  • 事業の成長スピードに合わせて適切な改修・拡充を提案してくれるか

などは、導入後の運営に大きく影響します。

いくら導入前の営業やプレゼンが好印象でも、技術者やサポートがしっかりしていないと運営に支障をきたすおそれがあります。実際、導入後のサポートに不満を抱えてリプレイス(他システムに移行)してしまうケースも少なくありません。

ベンダー比較の段階で、サポート窓口の有無や、技術者の提案力などをよく確認しましょう。

⑦構築・運用にどのくらいコストがかかるか

最後に見るべきポイントはやはりコストです。パッケージは導入・運用・拡充・更新と、各フェーズでさまざまなコストが発生します。

比較する際にはかけるべきコストまで削らないよう、「トータルのコストパフォーマンス」で判断するのがおすすめです。

ちなみに、各フェーズでかかる主なコストは以下のとおりです。

構築時にかかるコスト

  • 初期費用
  • カスタマイズ費用

運用を維持するのにかかるコスト

  • 月額費用
  • 更新費用
  • 改修費用
  • アップデート費用

また、金銭だけでなく時間的コストの加味も忘れてはいけません。ちなみに、ECサイトの規模にもよりますが、パッケージでの構築には半年以上かかるのが一般的です。

なお、「長期的に売上を向上させてEC事業を成功させてほしい」という想いを込めて作成した資料があります。EC立ち上げ準備を17のカテゴリと「必須編」と「推奨編」に分けて79のチェックリスト形式しています。
ぜひEC事業を成功させるために本資料をご活用ください!

プロジェクト担当者が知っておくべき「大規模ECの失敗あるある」

システム選びと同じくらい重要なのが、プロジェクトの進め方や判断基準です。多くの大規模プロジェクトが、システムそのものの性能ではなく、選定基準や運用計画の甘さによって躓いています。ここでは、私たちが数多くの現場で見てきた失敗事例と、そこから導き出される正しい検討プロセスを解説します。

1.フルスクラッチ開発を選んでしまい、リリース後の運用が回らなくなる

「大規模サイトだから、自社独自の仕様を100%反映できるフルスクラッチ(完全独自開発)が良い」という判断は、多くの場合、リリース後に大きな足枷となります。

スクラッチ開発の最大のリスクは、システムの「維持・進化」に関する全責任を自社が負わなければならない点です。リリース後に新しい決済手段を追加したい、マーケティング機能を強化したいといった要望が出ても、すべてを内製で開発する必要があります。もし社内に十分なエンジニアリソースがなく、改修を外部ベンダーに依頼する場合、要件定義から見積もり、契約締結といったプロセスが都度発生します。これでは開発費用が嵩むだけでなく、市場の変化スピードに追いつけず、機会損失を生んでしまいます。

まずは、基本機能が充実しているパッケージシステムをベースにし、どうしても必要な部分だけをカスタマイズする「パッケージ+カスタマイズ」の手法で要件を満たせないか、十分に検討することをお勧めします。

2.「初期費用の安さ」だけで判断し、最終的な支払い総額が膨れ上がる

システム選定において最も陥りやすい罠が、ライセンス費用や月額利用料といった「表面的なコスト」だけで比較してしまうことです。

一見するとシステム利用料が安価なベンダーは魅力的に映ります。しかし、標準で搭載されている機能数が少ない場合、それを補うために膨大な追加開発が必要になります。結果として、開発費用が数千万円単位で積み上がり、トータルの支払額は当初の想定を遥かに超えてしまうケースが後を絶ちません。

一方で、初期のシステム利用料が多少高く見えても、大規模ECに必要な機能が標準で網羅されているベンダーであれば、追加開発は最小限で済みます。結果的に、構築費用の総額を安く抑えられるだけでなく、開発期間の短縮にもつながります。コストを比較する際は、初期費用だけでなく、必要な機能を実装し終えた時点での「開発費込みの総額」をしっかりと見定めることが重要です。

3.要件定義の肥大化により、プロジェクトが頓挫する

各部署からの要望をすべて叶えようとして「あれもこれも」と機能を盛り込みすぎると、開発期間が延び、コストが倍増するだけでなく、システム自体が複雑になりすぎて使いにくくなるという本末転倒な事態を招きます。

大規模プロジェクトを成功させるコツは、「MVP(実用最小限の製品)」の発想を持つことです。リリース時に絶対に実装すべき機能と、フェーズを分けて後から実装すべき機能を明確に切り分け、拡張性の高いシステムを選んで段階的に成長させていく姿勢が求められます。

大規模ECサイトを構築して売上を伸ばした成功事例

※引用:https://www.angers-web.com/

それでは、実際に大規模ECサイトを構築・運用して売上を伸ばした事例を見ていきましょう。

セレクチュアー株式会社は、インテリア雑貨やキッズ用品など、ライフスタイル系のアイテムを広く取り扱う「アンジェweb shop」を運営しています。

もともとはECモールを中心に売上を伸ばしていた同社ですが、「他社との差別化・ブランディングの難しさ」や「システム拡張性の低さ」などから、自社のファンを増やすことが難しい状況でした。

そこで、販売の主軸をモールから自社ECへ移すことを決意。そして自社ECの中でも、搭載機能が豊富でカスタマイズ性が高く、セキュリティも強固な「W2 Unified」を導入しました。

導入直後はモールの売上が大半だったものの、徐々に売上を拡大し、EC事業全体の売上が前年比180%を達成。

成功の要因として、機能を拡充させたことにより、効果的な施策を打ち出しやすくなったのが大きかったとのこと。

例えば、

  • お客様をセグメントごとに分けた効果的なアプローチ
  • リピート購入しやすい仕組みづくり
  • コンテンツの一環としてオウンドメディアを立ち上げ

など、独自の施策を次々と実現していきました。

また、自由度の高い販促施策を見込み客に的確に打ち出せたことにより、ファンの獲得にも成功しました。

このように、大規模ECサイト構築による成功事例は他にも多くあります。
詳しくは弊社の導入事例集にまとめているので、ぜひ無料ダウンロードしてみてください。

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導入効果が一目でわかる!
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まずは大規模ECサイト構築に向けて要件をまとめよう

実際に大規模ECサイトを構築するにあたって大切なのが、「要件をまとめること」です。

なぜなら、後になって大きな仕様変更や方針転換などが起こると、大規模な構築ゆえに多大な影響を受けるおそれがあるからです。

また、要件が決まっていないと、そもそも自社に合ったツールを選びにくく、「コストが余計にかかってしまう」や「リリースが大幅に遅れる」、「プロジェクト自体が白紙に」なんてことにもつながりかねません。

そのため、以下のような要件をあらかじめ社内で固めておくのがおすすめです。

①目的やコンセプト
・ECサイトを作る理由や背景
・中長期的な売上目標
・克服したい課題

②システム要件
・必要な機能の洗い出し
・販売形態(単品購入・定期購入など)
・カスタマイズでつけたい独自機能

③サイト要件
・サイト全体の設計図
・ページの構成やレイアウト
・デザインのイメージ

④実行計画
・進行スケジュール
・予算
・チーム体制

また、社内で事前に認識をすり合わせておくとパッケージを比較・検討しやすくなります。

特に予算やスケジュールについては、関係部署をまじえて合意を取っておくと、よりスムーズに進行できます。

以下、ECサイト構築/リニューアル前に確認すべきをポイントをチェックリスト式にまとめた資料となります。ご活用ください。

まとめ:大規模ECサイトの構築は慎重に検討しよう

改めて、本記事の内容をまとめます。

  • 大規模ECサイトの構築には高いカスタマイズ性と安定的なインフラ環境が必要
  • 大規模ECサイトを構築するなら、フルスクラッチより「パッケージ」がおすすめ
  • 各パッケージの比較ポイントは、実績・機能・技術力・安定性・サポートなど
  • パッケージの中でも平均売上成長率354%を誇る「W2 Unified」がおすすめ

大規模ECサイトの構築において、本記事が参考になれば幸いです。

ただ一方で、多額のコストをかけてECサイトを構築したにもかかわらず、なかなか成果が出ずに悩んでいる企業は少なくありません。ECサイト構築には数多くのやるべきことがあり、手順を間違えるとその後の運営や成果に大きなダメージを与えるおそれがあります。

大規模ECサイトに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 大規模ECサイトとは具体的にどのような規模を指しますか?

一般的に「大規模ECサイト」とは、年間売上10億円以上・商品点数数十万〜数百万点・会員数数十万人以上のサイトを指します。複数ブランドや複数チャネルを統合し、在庫・受注・顧客データを一元管理できる仕組みを持つのが特徴です。

Q2. 大規模ECサイトを構築する際に重要なポイントは何ですか?

「拡張性」「安定性」「データ統合」の3点が重要です。トラフィック増にも耐えるインフラ、複数システムとの連携性、運営を効率化するCMS・OMS・CRMなどを含めた全体設計が欠かせません。初期設計段階から運用を見据えた構築が成功の鍵です。

Q3. 大規模ECサイトにはどのようなシステム・機能が必要ですか?

代表的な機能は、商品・在庫管理、受注・決済処理、会員管理、CRM連携、レコメンドや検索エンジンなどのマーケティング機能です。さらに複数ブランド・店舗・モールを横断して統合運用できるプラットフォームが求められます。

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