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EC業界分析 Part.1

EC業界ってどんな業界?~AmazonやZOZOTOWNだけじゃない!~

目次
  1. 01|はじめに
  2. 02|EC業界とは
  3. 03|EC業界の現状
  4. 04|EC業界の将来性
  5. 05|おわりに

1. はじめに

皆さん、こんにちは!W2新卒採用チームです!
EC業界について、皆さんはどのくらい知っているでしょうか?
コロナ禍においても成長を見せているEC業界ですが、実は学生の皆さんにはあまり詳しく知られていないことが多いんです。
そんな隠れ優良業界のEC業界について、解説していきます!

「EC業界、聞いたことはあるけどどんな業界なんだろう?」
「ECってこれからどうなるの?」
など、興味がある、けど細かいことは置いといてざっくり知りたい!
という方は必見です!

2. EC業界とは

そもそもECとは?

EC(Electronic Commerce)とは電子商取引のことです。具体的には「ネット上における商品の売買」のことを指します。そのため、EC業界とは、電子商取引にかかわるツールやサービスを提供している業界です。大きく分けて、店舗管理、販売戦略、集客・販促、顧客対応の合計4つの分類に業界を分けることができます。

ECに関わる業態とプレーヤー企業の例

一概にEC業界と言っても様々な業態があり、それぞれ役割が異なっています。以下に代表的な5つの業態を紹介しますね。

  1. 1.EC専門事業者
    実店舗が存在せず、ECサイト(ネットショップ)のみで商品やサービスを販売・提供している会社です。店舗が存在しないため家賃や人件費を抑えることができ、利益を上げやすいのが特徴です。初期費用を抑えられることから個人事業主なども参入しやすい分野となっています。
    例:LOWYAオイシックス・ラ・大地など

  2. 2.ECプラットフォーム事業者
    ECのシステムを開発・販売している会社のことです。自社ECサイトの運営をする会社にシステムを提供します。
    例:W2株式会社ecbeingBASEなど

  3. 3.モール型事業者
    自社ECサイトとは異なり、自社では商品を販売せず、モール内で商品を販売する事業者を募集して、オンライン上の売り場を提供する事業者です。皆さんにとっては一番身近なECサービスかもしれませんね。
    例:Amazon.co.jp楽天市場Yahoo!ショッピングZOZOTOWNなど

  4. 4.ECツール事業者
    ECサイトでの売上向上、業務効率化のためのECツールを提供する事業者です。WEB接客ツールや越境ECのサポートツールなどを提供しています。比較的ベンチャー気質のある企業が多い印象です。
    例:KARTE転送コムCROSS MALLなど

  5. 5.卸売業者
    商品の仕入れを担当する事業者。実店舗への商品卸がメインではありますが、最近では個人事業主もECサイトを持つようになったことから、ECサイト向けに力を入れている卸売業者も存在しています。EC事業を行う上では欠かせない業界です。

EC業界のビジネスモデル

EC事業者の主なビジネスモデル4つについて、解説します。

1.BtoC(Business to Consumer)
BtoCとは、企業が消費者と商取引をする形態のことです。「ECサイト」といえば主にBtoCを指すことが多く、Amazonや楽天市場などで企業から商品を購入するのもBtoCに含まれます。
例:Amazonで商品を販売・購入する、Spotifyで音楽を聴く、など。

2.BtoB(Business to Business)
BtoBとは、「メーカーとサプライヤー」「卸売業者と小売業者」のように、企業間で商取引をする形態のことです。
BtoBの中でも、
・すでに取引のある企業しか入れない「クローズ型」
・法人の新規顧客の獲得を目指す「スモール型」
の2種類があり、ECサイトを運営する目的によって使い分けられています。サイトの数自体は少ないですが、比較的単価が大きく、市場も年々伸びています。
例:Mマート(飲食店、ホテル、給食など事業者を対象にした食材卸売ネット市場)など

3.CtoC(Consumer to Consumer)
CtoCとは、消費者間で商取引をする形態のことです。「フリマサービス」とも呼ばれ、個人が中古品や処分したいものをネット上に掲載し、それを個人が購入するといったものです。リユース市場を土台としており、BtoBやBtoCと比べて小規模ですが、シェアリングエコノミーの浸透もあり今後も成長が見込まれます。
例:メルカリで物を売る・買う、など

4.DtoC(Direct to Consumer)
DtoCとはメーカーが消費者と直接商取引することをいいます。仲介会社を一切介さないことで、販売手数料や中間マージンをカットできるうえ、スピーディな商取引ができる、消費者と直接コミュニケーションが取れる、というメリットがあります。
例:ドモホルンリンクルsnaq.meなど

3. EC業界の現状

EC業界の市場規模とEC化率

EC業界の市場規模は年々拡大しています。BtoCのEC事業は物販系、サービス系、デジタル系分野の3つに分けられています。3分野を合計したBtoCのEC市場規模は以下のグラフのようになっていて、2022年時点での市場規模は22 兆 7,449 億円です。

グラフ①
(出典:経済産業省 令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書)

中でも注目すべきは物販系の市場規模の推移です。2020年からのコロナウイルス感染症拡大の影響が弱まった2022年においても、増加する形となっています。EC化率は9.13%となっており、今後も上昇する見込みです。
グラフ②
(出典:経済産業省 令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書)

4. EC業界の将来性

EC業界の市場規模予測

野村総合研究所のITナビゲーター2021年版では、2026年に29.4兆円になると予測されています。参考までに、2019年時点での食品製造業が約29兆円(※1)でほぼ同じ、2021年時点でのコンビニエンスストアの市場規模が11兆円(※2)ですので、およそ3倍ほどの規模ですね。ここからはEC業界にとって追い風となっている要因を見ていきましょう。

(出典:野村総合研究所 ITナビゲーター2021年版)
※1 参照:経済産業省│工業統計調査
※2 参照:JFA|コンビニエンスストア業界における地球温暖化対策の取組み

EC業界のこれから

1.スマホ経由でのEC利用の増加

スマホの普及率向上とPCの保有率低下により、スマホの存在感は年々増してきています。ECも当然その影響を受けており、2022年、BtoCのEC市場での取引額におけるスマートフォン経由率は約56%に相当し、半分以上がスマホ経由での購入となっていることがわかります。
スマホ利用者にとってECの利便性を向上しているのがスマホアプリの存在です。PC上ではECサイトを利用する際、メールにて事業者からの連絡を受ける場合がほとんどですが、アプリの場合はプッシュ通知機能を用いて連絡を行うことができます。通知が来たことに気が付きやすく、そのままアプリ内でサービスが利用できるのは非常に便利ですよね。

グラフ④
(出典:経済産業省 令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書)

2.SNSサービス
SNSを買い物の情報源として活用することも広まってきています。写真や動画の投稿がメインのInstagramではすでにEC機能が備わっているなど、SNSとECの連携が進んで、顧客の購買体験の価値向上につながっています。
SNS媒体によって年代別利用率が違うことから、ターゲット層にあったSNSを利用することで効果的なマーケティングが行えます。最近ではTiktokをはじめとするスマホ画面に適した縦型ショート動画の人気が高く、ECに活用する事例も増えてきています。
グラフ⑤
(出典:総務省「令和 3 年通信利用動向調査」)

3.サブスクリプションサービス
サブスクリプションサービスとは、定額の利用料金を消費者に定期的に請求し、サービスを提供するビジネスモデルです。もともと動画配信、音楽配信、サプリメントの定期購入などがメインであったサブスクリプションサービスですが、2022年のBtoCEC市場では化粧品、ファッション、架電、家具、自動車など、サービスの幅がぐんと広がりました。中には、単に定期購入を行うのではなく、個別にカスタマイズ、セレクトされた商品が届くサービスなど、形態も多様化しています。ものを所有する必要がなく、初期費用を抑えて商品を試すことができる点などが便利ですね。

4.オムニチャネル
オムニチャネルとは、実店舗やネット店舗、SNSなどあらゆる販売経路(チャネル)を統合・活用する販売戦略のことです。
特に実店舗を持つ小売業界、食品やアパレルなどにおいて、オムニチャネル化が進んでいます。
今では多くの人がスマホやSNSを利用し、店舗やECサイトなどさまざまなチャネルを渡り歩くようになり、購入までの経路やタイミングが多様化しています。消費者が買いたいと思ったタイミングで買える仕組みが求められるようになっているんですね。これからはさらにオムニチャネル化が進み、競争の激しい小売業界を筆頭に、徐々に各ECサイトでも導入が進んでいます。
今後のECトレンドに関しては後日、別の記事にて解説予定なのでそちらもあわせて読んでみてくださいね。

5.ID決済
ID決済とは、アカウント情報を連携させてスムーズに決済ができる仕組みのことです。具体的なサービスとしては、PayPay・Amazon Pay・楽天Pay・LINE Payなどがあります。決済時に情報を入力する手間が不要で、ユーザーにとって利便性が高くなっているうえ、クレジットカード情報の入力なども不要で、セキュリティ面の不安も払拭できます。EC事業者にとっては決済手数料の負担が懸念になりますが、ID決済を利用するユーザー数は急成長しており、導入による効果が期待されています。実際、Amazon Payを導入したことにより、成約率が8.7倍に伸びたという事例もあります(参考:Amazon「導入事例 vol.6:SHOPLIST様」2017年3月)。

EC業界の課題

1.物流問題
EC市場規模拡大に伴い、再配達率の増加が問題視されています。また、働き方改革法案によってドライバーの時間外労働が制限されることで、1人当たりの走行距離が短くなり、長距離での輸送ができなくなることが懸念されています。これは物流の2024年問題とも呼ばれており、EC業界にも影響を及ぼすことは間違いないでしょう。

2.情報セキュリティへの根強い不安
総務省が行った「令和 3 年通信利用動向調査」では、インターネット利用における不安の内容として、「個人情報やインターネット利用履歴の漏洩」(90%)、「コンピュータウイルスへの感染」(63%)などが挙げられています。特に「架空請求やインターネットを利用した詐欺」に不安を感じているという回答が増加傾向にあり、偽サイトに誘導しクレジットカード情報等が抜き取られるフィッシングや、SMS 等を利用した架空請求により金銭をだまし取る詐欺などでの被害が、手口の巧妙化と共に増加していることが背景としてあげられるでしょう。
また、実際にクレジットカードの不正利用による被害額はおおむね増加傾向にあります。若い世代になるにつれて薄まっては来ているものの、ネットショッピングに対する抵抗や不安感は根強く残っているのです。
グラフ⑥
(出典:総務省「令和 3 年通信利用動向調査」)

5. おわりに

いかがでしたでしょうか?
EC業界はこれからさらに成長が見込まれ、変化し続けている業界です。
ITやECのスキル、知識を身につけたい、EC業界面白そうだな、と思った人はぜひ弊社の選考に話を聞きに来てみてくださいね!

おまけ:ECクイズ!

Q.以下の用語1~6の意味をA~Fの選択肢の中からそれぞれ選んで答えよ。

1)O2O 2)オムニチャネル 3)越境EC 4)OMO 5)ライブコマース 6)メタバースEC

A)オフラインでのユーザー行動をデジタル化し、オンラインに統合することで、UX(顧客体験)を向上させるマーケティング戦略。

B)SNSなどでライブ配信をしながら視聴者と配信者がコミュニケーションを取り、購買や来店促進を行う手法。

C)インターネット上に作られた仮想空間の店舗で、様々な人が行き来し、コミュニケーションをとりながら購買できる仕組み。

D)実店舗の集客手段としてオンラインでのサービスを提供すること。逆の場合もある。

E)主に海外の消費者に向けてインターネットを介した商取引をすること。

F)ECサイトと実店舗の全てのデータベースが統合され、店舗やスマートフォンなど全ての接点から、自由に買い物や返品ができる仕組み

いくつわかったでしょうか?
答えと解説はPart.2の記事で掲載予定です!お楽しみに!

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