自分で車を運転する時代はもう終わり?!自動運転のレベルについて解説
1. はじめに
今年5月、道路交通法が改正され、日本でも高速道路など一定の条件下で自動運転できる「自動運転レベル3」が解禁されました!
しかし、この「自動運転レベル」。どんなものか、皆さんわかりますか?「何ができるようになったの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
ということで今回は、「自動運転レベルの定義」について解説したいと思います。
2. 自動運転レベルとは?
まず、「自動運転」と聞いて、皆さんはどんなイメージを持ちますか? 車への関心が低い人は、映画やアニメで見るような、「ドライバーが何もしなくても走ってくれる車」をイメージするのではないでしょうか。
実は、このイメージも間違いではありません。自動運転レベルは0~5に分けられており、3,4,5と高いレベルになるとイメージ通りドライバーが何もしない、極端な話、ドライバーが不在でも、車が自動で走ってくれるようになるんです!
それでは、自動運転レベル0~5の違いや特徴について、説明してきます。
3. 自動運転レベル別
レベル0:ドライバーが全ての操作を行う
自動運転システムが介入せず、ドライバーが全ての運転制御を行う場合はこのレベル0になります。自動運転を搭載していない、いわゆる「普通の車」や、自動運転システムを搭載していても使用していない車はこれに当たります。
レベル1:システムがステアリング、もしくは加減速のどちらかをサポートする
車の関心が低い人には聞き慣れない言葉が出てきましたね。「ステアリング」とは車の進行方向を調整する、所謂「舵取り」を行う装置のこと。自動運転のステアリング操作では、車が車線を逸脱しないか検知し、逸脱しそうになったら進行方向を調整して車線から飛び出さないように制御します。
加減速については言葉の通り。先行車両にぶつからないよう、一定の距離を保つようスピードを調整するシステムです。レベル1は、ステアリングか加減速のどちらかを自動運転システムが行い、もう片方をドライバーが操作する技術を持った車を指します。
レベル2:システムがステアリング、加減速の両方をサポートする
レベル1ではステアリングか加減速のどちらかをドライバーが操作する必要がありましたが、レベル2ではどちらも自動運転システムが担ってくれます。
ただし、ステアリングの場合、車線が削れて見づらくなっていたりすると、逸脱しても検知できない場合があります。そのため、レベル2までの自動運転システムはあくまでもサポートであり、メインの運転はドライバーが行う必要があるのです。
…あれ? ドライバーが操作をするなら「自動運転」ではないのでは?
そう思った方もいるでしょう。実際に、レベル1とレベル2は「運転支援技術」と呼ばれ、正確には「自動運転」と呼ばれていません。自動運転は、今年日本で解禁したレベル3以降のことを指します。
レベル3:緊急時を除き、特定の場所でのみシステムが全ての操作を行う
このレベル3は、今までのレベルでは必要だった周辺環境の監視などが、特定の場所に限り不要となります。なんと、走行中にドライバーがスマートフォンを利用することもできるのです!
そんなレベル3が公道で利用できる特定の場所とは、ずばり高速道路。また高速道路であっても、「最高速度が60km/hのとき」且つ、「自動運転システムが不具合を起こしたときや、一般道路に入ったときに、ドライバーがすぐ運転を交代できる場合」に限ります。
このように条件が指定されているのは、もちろん事故を起こさないため。自動運転レベル3の車が走行しているときに起こった事故の責任は、システムの製作者ではなく、あくまでもドライバーにあります。そのため、緊急時にはドライバーが操作を行うなど、安全運転義務が課されているのです。
レベル4:特定の場所でのみシステムが全ての操作を行う
特定の場所の条件は、レベル3と同じです。レベル3と異なる点は、緊急時の対応もシステムが行うところ。つまり、高速道路で自動運転システムを使っている間、ドライバーは一切運転をする必要がないのです!
しかし、レベル4は現時点でどのメーカーも市販段階にありません。そんな中、スウェーデンの自動車メーカー・VOLVOが、「2022年に自動運転レベル4を搭載した新型車を発売する」と発表しました。2年後が楽しみですね!
レベル5:特定の場所などの制限がなく、システムが全ての操作を行う
4. 終わりに
ここまで、自動運転のレベルについての解説でした。いかがだったでしょうか?
映画やアニメで見る完全自動運転には、やはり憧れますよね。現在、自動運転レベル3を搭載した乗用車がすでに発売されています。
運転免許証を持っていて自動運転に興味の湧いた方は、ぜひ一度試乗してみてはいかがでしょうか?
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