リコーイメージングがブランド愛着を育むECサイトに刷新。 会員・社販・株主などの顧客属性ごとに商品の魅力が伝わる最適な購買体験を。
リコーイメージング株式会社
取材にご協力いただいた方
カメラ事業本部 営業・マーケティングセンター 鈴木様/軽部様
目的/課題
会員・社販・株主・一部の販売店など多様な属性の顧客に、関係性に応じた購買体験を1システムで提供したい。
多発するシステムトラブルへの対応でサービス改善に時間が割けない。
複雑な会員属性の管理や会員特典の出し分けによって運用負荷が高く、その改善とCRM強化を見据えたEC基盤への刷新が急務だった。
購入操作で顧客からの問い合わせが多く、対応工数が多くかかり他業務が滞っていた。
導入効果
会員ランクや属性フラグで区分管理を整理し、複雑だった商品表示や案内情報を直感的に扱えるようになり、運用負荷を大幅に軽減できた。
UI/UXの改善により問い合わせ対応工数が激減したことで、新たな施策の実行が可能になった。
画面速度やUIが改善され、商品が探しやすく魅力も伝わりやすい構成となり、必要な情報が届き迷わず購入できる購買体験を実現した。
リコーイメージング株式会社は、「PENTAX」「RICOH GR」などのブランドを展開し、カメラ・光学機器を通じて多くのファンに支持されているメーカーです。オンラインショップ「リコーイメージングストア」は、一般顧客向けに加え、有料会員様、社員向け社販、株主様販売、一部卸先向け販売まで、さまざまな購入者とつながる重要なチャネルとして位置づけられています。
海外製カートからW2 Unifiedへリプレイスした今回のプロジェクトでは、複雑化していた属性管理や会員様向け施策の運用を整理・再設計することで、「管理しやすい仕組み」と「購入しやすいUI/UX」の両立を実現しました。
取材では、リプレイスの背景やW2への評価、EC運用・顧客体験の変化、そしてECから“長く愛されるブランド”を育てていく今後の展望についてお話を伺いました。
1. 「PENTAX」「RICOH GR」を販売するリコーイメージングの取り組み
事業内容について教えてください。
弊社は、「PENTAX」「RICOH GR」を中心としたデジタルカメラや交換レンズ、双眼鏡などの光学機器を製造・販売しています。
カメラを実際に使うエンドユーザーだけではなく、カメラ量販店や家電量販店といった販売店も重要な顧客であり、直販のBtoCと販売店へ卸すBtoBの両面で事業を展開しています。
こうした事業構造の中で、2022年に「販売店経由の流通だけでなく、デジタルを通じたダイレクトな販売にも力を入れていく」という宣言を行いました。
その取り組みの一環として、自社ECである「リコーイメージングストア」を強化し、主要マーケットプレイスにも直営モールを展開することで、リコーイメージングとお客様が直接つながる機会を広げています。
特に自社ECでは、お客様の声をダイレクトに受け取れる点が大きな特長です。
お客様の声をものづくりに反映させることで、より魅力的な製品を継続的に提供していくことも、自社ECの重要な役割だと考えています。
また、デジタルな販売手法である自社ECを活用し、PENTAX、RICOH GRそれぞれの商品ブランドの世界観やコンテンツを充実させ、お客様との双方向コミュニケーションの場として活用していきたいと考えています。
2. 施策をすぐ形にできるプロダクトと伴走支援がW2を選ぶ理由に
数ある選択肢の中でW2を選定された理由について、まずはプロダクト面からお聞かせください。
プロダクト面でいうと、W2システムを選定した理由は2つあります。
会員管理やポイント・販売チャネルの切り分けなど、弊社がやりたいと思っていたことの多くが標準機能で大部分をカバーできたこと。そして、管理画面の利便性です。
弊社の自社ECの顧客は一般のお客様のほかに、有料会員様や社販を利用する社員、株主様、一部の販売店という複数の属性を持っています。
顧客属性に合わせて商品の魅力がしっかり伝わる自社ECにするために、「できる限り標準機能で運用し、カスタマイズを最小限に抑えられること」を重要視していました。
前システムでは、標準機能の不足をカスタマイズで補っていたため、改修のたびに検証や保守に多くの工数とコストがかかり、予期せぬ不具合対応も発生していました。
その結果、本来注力したいUX改善や施策立案に割けるリソースが圧迫されていた状況がありました。
こうした背景により「標準機能がどれだけ充実しているか」を重要な評価軸として検討した結果、最も合致していたW2のシステムだったので選定しました。
標準機能では対応できないところについては、W2側が柔軟にカスタマイズを検討し、過度な工数やコストをかけずに実現できることが確認できたのも、プロダクト面での大きな決め手となりました。
次に、管理画面の利便性に関しては、実際に6〜7名の運用担当者に操作してもらい決めました。
候補となった他の複数のECシステムをデモ環境で比較する中、W2の管理画面は「直感的で分かりやすい」と社内の評価が高く、全体として好意的なフィードバックが多かったです。
今後20〜30名規模のメンバーが使うことを想定した際に、管理画面のUI/UXが良いという点は大きな安心材料になったこともあり、W2のシステムを選定した理由の一つとなっています。
W2システムの実際の管理画面
続いて、パートナーとしてW2を選定された理由について教えてください。
プロダクトメーカーと導入ベンダーが一体となって伴走してもらえる点にパートナーとしての魅力を感じ、W2を選定しました。
前システムでは、ECカートシステム提供会社と導入を担うベンダーが別だったため、要望や課題を伝える際にタイムラグや情報の齟齬が起きやすい構造でした。
その点W2は、プロダクトと導入・保守を一社で担うため、一気通貫のコミュニケーションが可能であり、問題解決のスピードや精度に期待が持てたといえます。
さらに今回のプロジェクトでは、W2グループのコンサルティング会社である「アップグロース」が第三者的な立場で参画し、自社ECとしてあるべき姿から逆算した提案を行っていただきました。
他社の提案が自社カートでできる機能の紹介にとどまりがちだったのに対し、W2とアップグロースは、ユーザー視点やECのトレンドを踏まえた理想像を描き、その上でW2ならどう実現するかを提案してくれたことが選定にいたる重要なポイントになりました。
こうした豊富な標準機能と柔軟な追加開発の対応、そしてコスト感とのバランスも含めて、「この条件でここまでできるカートはなかなか他にない」という実感が得られたことが、最終的にW2を選定する決め手となりました。
3. 顧客属性に合わせた購買体験の提供とEC運用の効率化を実現
W2のシステムを導入して実現できたことを教えてください
今回のリプレイスによって、自社ECが「リコーイメージングへのブランド愛着を育むための重要な顧客接点」へと確実に近づきました。
ポイントは大きく2つあります。
これまで複雑だった顧客管理を整理してシンプルな形に再設計したこと、顧客の属性や状況に応じて最適な導線へとブラッシュアップしたことです。
従来のシステムでは、一般のお客様・有料会員様・社員・株主様・一部の販売店といった多様な属性をすべて1本の会員軸で管理していました。
その結果、「株主様かつ有料会員様」のように複数の条件を併せ持つお客様へ施策や情報を正しく届けようとすると、細かな条件設定を都度行わなければならず、運用は煩雑化し、設定ミスのリスクも常に伴う状態でした。
そこで今回のリプレイスでは、顧客管理の軸を「有料会員様か否か」といったシンプルな構造に整理、社員・株主様・一部の販売店といった属性はタグとして扱う設計に変更しました。
この顧客管理の再設計を前提に、販売施策や購入導線も全面的に見直しています。顧客ごとに異なる商品、案内情報を適切に出し分けられるようになり、結果として購買体験そのものが大きく向上しました。
例えば社員向けには、リコーグループ共通の福利厚生サイトに設置したリンクとパスワードから社販ページへ誘導し、社員のみがアクセスできる専用ページで購入できるようにしました。社販専用の商品をカートに入れた場合は、一般とは異なる決済方法(給与天引き)や社員番号の入力フォームが自動で表示され、社員特有の支払い方法も含めてEC上で完結します。
社員向けの販売ページ
次に、株主様向けには配当通知に同封する特別販売チラシからECへ誘導し、株主番号を入力すると、株主様であることを判定したうえで専用ページにアクセスできる仕組みを構築しました。
特に年配の株主様も多いため、「株主番号を入力するだけで専用ページにたどり着ける」ように、アクセス条件や入力項目はできるだけシンプルに設計し、その先の購入フローは一般顧客と同じ操作感で迷わず購入いただけるようにしています。
そして、一部の販売店については、会員ランクを用いて卸条件に合わせた専用価格・専用ページで注文を受け付けています。営業担当から紹介のあった販売店をEC側で会員登録し、特定の会員ランクを付与することで、対象の販売店は一般顧客と同じ操作でログインし、専用ページから必要なタイミングで少量ずつ発注することができます。
請求についてもECで発行される領収書をそのまま利用できるため、販売店側の事務負荷を増やすことなく、これまで維持が難しかった小口取引もEC経由で継続的にフォローできるようになっています。
このように、複数属性の管理や購入導線を再設計したことで、自社ECは単なる販売チャネルではなく、一般のお客様から有料会員様、社員、株主様、一部の販売店に至るまで、それぞれの属性により最適化された購買体験をお届けできる場へと進化しつつあります。
導入後の効果について教えてください
最も分かりやすい効果は、お客様からの注文に関する問い合わせ数がほぼゼロになったことです。
前システムでは、決済や注文まわりでお客様が不安を感じやすく、その結果として問い合わせや運用負荷が増大していました。
W2システムへのリプレイスによって、こうした不安要素が解消され、さらなる顧客体験の向上と運用効率の両面で改善が進んでいます。
以前のシステムでは、「注文できているか分からない」「同じ商品を二度注文してしまった」といった、決済エラーや二重注文に起因する問い合わせが頻繁に発生していました。
その対応に、担当者が1日のうち半分近くの時間を割かざるを得ない状況でしたが、W2システム導入後は、注文やサイトの使い方に関する問い合わせはほぼゼロになっています。
そして、決済エラーや二重注文といったトラブルがほとんど発生しなくなったことで、「注文が完了できず、商品購入をやめてしまう」といったロスも大幅に抑えられていると考えています。
さらに、W2システムの導入によって運用効率が大幅に改善されたことで、問い合わせ対応や注文不備の処理に割かれていたリソースを、マーケティングやCRM、コンテンツ企画といったブランド価値を高める活動へ再配分できるようになりました。
この再分配できるリソースと、今回のリプレイスで扱いやすくなった顧客データを活用し、「まず顧客を知る」ことを起点としたデータドリブンなファンマーケティングにも力を入れられるようになりました。
今回のリプレイスは、単なるシステム移行ではなく、今後の事業成長に向けた土台づくりとなったと言えます。
4. “知る・選ぶ・買う”をECで完結させ、ファンとの関係を深めるECへ
今後の展望について教えてください
弊社がこれから目指すしていくのは、自社ECをお客様との関係性をより深く育てる接点に進化させていくこと」です。
そのために、さまざまな販売チャネルで情報が点在せず、一つの流れで体験できることで、商品やブランドへの理解が深まり、より強い愛着を育てていこうと考えています。
カメラ業界はブランドへの思い入れが強いファンが多く、PENTAXやRICOH GRも長く愛してくれるユーザーが数多く存在します。
ユーザーに対して、自社ECに商品情報やブランドの魅力を合わせて掲載することで、お客様は「どんな商品なのか」「どう使えるのか」「自分に合うのか」といった理解から、実際の購入までを同じ場所でスムーズに進められます。
そうした世界を実現させるためには、自社EC自体が情報を知る場所として十分な価値を持ち、製品の魅力や活用イメージが自然と伝わる設計になっていることが欠かせません。
自社EC上のコンテンツやページ構成、導線設計をさらに強化し、「必要な情報がすぐ届く、迷わず購入できる、商品の魅力がしっかり伝わる」という購買体験の実現をW2と共に目指していきたいと考えています。












