ネット決済代行サービス市場、2030年度に1兆4,270億円へ拡大予測——旅行回復やサブスク定着、物価上昇が追い風に
旅行回復と生活様式の変容がもたらす、2025〜2026年度の二桁成長
デロイト トーマツ ミック経済研究所は、市場調査レポート「ECにおけるネット決済代行サービス市場の現状と展望 2026年度版」を2026年6月11日に発刊した。
同レポートによると、2025年度のネット決済代行サービス全体の市場規模は、前年度比113.0%となる7,702億円に達した。コロナ禍で一時停滞していた旅行、交通チケット、イベントチケット関連のインターネット取り扱いが回復し、増加傾向が続いていることが大きな要因だ。
さらに、コロナ禍をきっかけに利便性から定着したモバイルオーダーや、外出が可能になった後も利用者が大幅に増えている動画・音楽配信などのサブスクリプション市場の成長が市場を牽引している。これに加え、物価高騰の影響から商品やサービスの価格が上がっていることも、決済処理を行うPSP(決済代行事業者)の取扱額を押し上げる一因となっており、2026年度も前年度比114.3%増の8,805億円と高い伸び率が続く見込みである。

編集部コメント
2030年度に1兆4,270億円規模へ、EC化率の上昇と新ビジネスが市場を牽引
ネット決済代行サービス市場の成長は、一過性のトレンドにとどまらない。同研究所の中期予測によれば、2027年度以降も二桁伸びが継続し、2026年度から2030年度までの年平均成長率は13.1%増で推移する見通しだ。そして2030年度には、市場規模が1兆4,270億円(1兆4千億円超)にまで拡大すると予測されている。

この高成長を支える背景には、国内のEC市場全体の底堅い成長と、それに伴うEC化率の更なる上昇がある。新型コロナをきっかけに誕生した新しいオンラインビジネスや、新たにECを利用するようになった消費者層がそのまま市場に定着し、利用者の母数を広げているためだ。
今後、予期せぬ生活様式の急激な変化がない限り、新しいオンラインサービスが次々と誕生し、購入者の増加と相まって市場は高成長を続けると分析されている。
編集部コメント
契約形態から決済手段まで多角化するPSPの分析
今回の調査は、国内におけるネット決済代行サービス事業者(PSP)18社の実績と、その他PSPの推計に基づき、2026年4月〜6月にかけて実施された。
レポートでは、ネット決済代行サービス市場を「契約形態(決済処理型、収納代行型)」、「決済手段(クレジットカード、コンビニ、電子マネー、ネットバンク、キャリア、ID決済、国際決済など)」、「商品カテゴリ(物販、デジタルコンテンツ、サービス、公金・公共料金)」という3つの多角的な観点から分析している。

EC市場の拡大に伴い、消費者が求める決済手段はますます多様化している。主要なPSP各社が市場を牽引する中、決済手段の拡充は事業者(加盟店)にとって顧客獲得に直結する重要な要素となっている。
事業者はクレジットカード決済だけでなく、PayPayや楽天ペイをはじめとするID決済やコンビニ決済、キャリア決済、国際決済など、幅広いニーズへの対応が求められている。
編集部コメント
(参考・関連記事)日本経済新聞│ミック経済研究所、市場調査レポート「ECにおけるネット決済代行サービス市場の現状と展望 2026年度版」を発刊
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