OpenAI、ChatGPTでの広告配信テストを米国で開始へ——対話型AIが新たなマーケティング基盤に
OpenAIが「Shopping Research」機能を全プランで提供開始
米OpenAIは2026年1月16日、対話型AI「ChatGPT」上での広告配信テストを米国で開始すると発表した。対象となるのは無料プランおよび月額8ドルの低価格プラン「ChatGPT Go」の利用者で、発表から数週間以内にテストが開始される予定である。
具体的な配信形式としては、ユーザーとの会話の流れに合わせ、AIの回答の下部に関連性の高い商品やサービスの広告が表示される。広告には明確に「スポンサード」というラベルが付与されるほか、将来的には表示された広告に対してユーザーがさらに質問できる機能も追加される計画だ。

これまでデジタル広告市場では、WebサービスのUIに溶け込む「ネイティブ広告」が一般的となってきた。今回のChatGPTへの広告導入は、対話型AIというインターフェースにおいても、ユーザー体験を阻害しない自然な形での収益化が模索されていると言える。
プライバシー保護と会話データのオプトアウト機能を明示
対話型AIへの広告導入において最大の懸念材料となるのが、プライバシーの問題である。多くの消費者がデジタル広告に慣れ親しんだ現代においても、「個人的な会話の内容が企業に無断で売られるのではないか」という不安や不信感は根強く、批判を招くリスクは常につきまとう。
こうした懸念による反発を未然に防ぐべく、OpenAIは慎重な姿勢を崩さない。同社は、会話内容を広告主に共有せず、データを広告主へ販売もしないという方針を明確に打ち出した。
さらに、ユーザー自身で管理できるオプトアウト機能も実装される見込みである。具体的には、広告のパーソナライズ設定を無効化する機能や、広告配信に使用されたデータを削除できる仕組みなどが提供される。サービス展開に先駆けて透明性を確保することで、ユーザーの信頼を損なうことなく収益化を進める狙いだ。
AIがマーケティングプラットフォームへ進化
今回の広告サービス導入は、単なる収益化策にとどまらず、対話型AIが本格的な「マーケティングプラットフォーム」へと進化する重要な転換点となりそうだ。
OpenAIはすでに2025年10月、ChatGPT上で第三者がアプリを展開できる「apps in ChatGPT」を発表している。これらの動きを踏まえると、対話型AIは今後、オープンプラットフォーム化へ向かうとみられる。将来的には米Appleの「App Store」や「iTunes Store」になぞらえ、「GPT Store」といったサービスが展開される可能性も予想されている。
プラットフォーム競争の視点では、AppleがGoogleのAI「Gemini」を基盤採用するなど勢力図が変化している。かつてYahoo! JAPANがGoogleの検索エンジンを採用したことで検索市場の競争が収束したように、AI市場においてもGoogle一強となるのか、それとも先行するOpenAIとの「二強時代」へ突入するのか。広告ビジネスの開始は、その行方を占う試金石となるだろう。
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