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国内リテールメディア広告市場、2025年に6066億円規模へ拡大——4年後には1.3兆円へと急成長
2026.03.11
業界トレンド

国内リテールメディア広告市場、2025年に6066億円規模へ拡大——4年後には1.3兆円へと急成長

大手EC事業者が市場の8割超を牽引、フルファネル展開で需要拡大

 リテールメディア市場の大部分を占め、全体を牽引しているのは大手EC事業者であり、2025年の内訳では5236億円に達する。生活者のECサイト利用額が引き続き拡大していることに加え、「認知・獲得から購買までのフルファネル」をカバーする広告商品が拡充されたことで、大手広告主からの高い需要を維持している。

従来、リテールメディアへの出稿は「営業部門による現場の販促費」として扱われることが多かった。しかし現在では、実際の購買データに基づいて広告効果が明確に可視化される点が高く評価されている。これにより、単なる販促の枠組みを超え、企業の「広告宣伝・マーケティング部門」が本格的な予算(広告宣伝費)を投じる対象へと変化しており、企業にとっての重要なマーケティング戦略の柱として本格的に位置づけられつつある。

店舗事業者も本格参入、デジタルサイネージが再評価

 一方、実店舗を持つ小売事業者においても、DX化の進展によるデータ資産の収益機会拡大を背景に、新たな成長領域として注目が集まっている。2025年の店舗事業者におけるリテールメディア広告市場は830億円となった。 店舗事業者では、大手企業を中心にリテールメディア事業部門の組織化が進み、広告ビジネスへの本格的な投資が進展している。内訳を見ると、アプリ向けのクーポン広告やECサイトにおける検索連動型広告を中心としたデジタル広告が620億円を占めた。さらに、高い訴求力を持つデジタルサイネージ(210億円)による大きな認知効果が改めて見直されている。 現状では、ターゲティング精度や広告効果測定手法の整備が十分でない点や、広告主や小売事業者内での部門構造等が投資判断の分かれ目となっており、業界全体での環境整備が急ピッチで進められている。

店舗事業者におけるリテールメディア市場の内訳。デジタルサイネージとデジタル広告(アプリ・クーポン等)の成長推移。TikTok市場のような動画コンテンツの活用も注目。

急成長続くリテールメディア広告、2029年に1.3兆円の大台突破へ

 大手EC事業者の持続的な成長と、店舗事業者の本格参入による需要拡大が相乗効果を生み、国内リテールメディア広告市場は今後も高い成長を持続すると予測されている。同調査によれば、4年後の2029年には市場全体で2025年比約2.2倍となる1兆3174億円規模にまで拡大する見込みだ。 特に店舗事業者の市場については、テクノロジーの進展が多くの企業の参入を後押しし、継続的な需要の高まりによって2029年には1939億円(2025年比約2.3倍)に達すると予測されている。

小売単体では獲得が難しかった広告主予算を、リテールメディアネットワークへの参画を通じて取り込む動きがさらに活発化するだろう。 広告事業者はリテールメディアネットワークの形成や店舗事業者の広告事業開発支援を行うことで、広告主の投資対象としての魅力を高め、EC事業者や店舗事業者の収益化に大きく寄与していくと見られている。

リテールメディア市場の成長を支えるアドテク企業、店舗事業者、広告主の連携図。TikTok市場との相乗効果も期待されるRMN(リテールメディアネットワーク)の仕組み。

(参考・関連記事)CARTA HD、リテールメディア広告市場調査を実


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