『にゃんこ大戦争』の成長を加速させる「ゲーム×EC」の最適解。 ECモール依存からの脱却と、ファンと共創する“ななめ上”のIP戦略
ポノス株式会社
取材にご協力いただいた方
MD事業室 ご担当者様
目的/課題
ECモール(Amazon)販売における、海賊版商品によるブランド毀損
モール経由では詳細な顧客属性や購買行動が見えず、商品企画やアプローチが困難だった。
社内リソース不足による、ECシステム・物流・デザイン構築のハードル
導入効果
オープン直後のキャンペーンでECサイト会員数10万人超を達成
「公式EC」としての安心感を提供し、海賊版対策とブランド価値向上を実現
顧客データの可視化により「ファンの解像度」が上がり、今後の商品企画に活かせる資産を獲得
ポノス株式会社は、「ななめ上を、行け」をスローガンに大ヒットゲーム『にゃんこ大戦争』などを展開するエンターテインメント企業です。公式オンラインショップ「にゃんこ大商店オンライン」は、グッズ販売にとどまらず、ファンに安心と遊び心を提供する重要なブランド拠点として位置づけられています。
大手ECモール依存による海賊版問題や顧客データ不足といった課題を解決するため、「W2 Unified」を採用。ゲーム連携や独自のギミックを実装することで、ファンを楽しませる顧客体験を形にし、独自の公式ECサイトを構築しました。
取材では、自社ECサイト立ち上げの背景やW2 Unified導入の決め手、オープン1週間で会員10万人を突破した成果、そしてOMOやグローバル展開を見据えた今後のIP戦略についてお話を伺いました。
1. 人気IPが直面した「大手ECモール依存」の限界
事業内容について教えてください。
弊社は『にゃんこ大戦争』をはじめとするスマートフォンゲームの開発・運営を行っています。現在では、事業領域をゲームだけに留まらず、マーケティングやプロモーション、グッズ事業、ライツ事業まで、ほぼすべてを内製化しています。
弊社は「ななめ上を、行け」というコーポレートスローガンを掲げており、常にお客様の予想を超える、驚きと遊び心のある価値提供を大切にしています。 私たちMD(マーチャンダイジング)事業室は、そうしたIPをゲームの中だけで完結させず、グッズやリアルイベントなどを通じてより広くゲームやキャラクターを世の中に浸透させ、お客様の手元に届ける環境を作る役割を担っています。
今回、自社ECサイトの立ち上げに踏み切った背景には、どのような課題がありましたか?
以前は、大手ECモールのみを利用してグッズ販売を行っていました。しかし大手モールの都合で商品の発売が遅れたり、商品が倉庫に到着するまで商品ページが公開されないなど、運用側で手を出せない部分が多く、非常に歯がゆい思いをしていました。
さらに深刻だったのが商品の「海賊版」問題です。大手モールでは仕様上、弊社の正規品と許諾のない海賊版が並列で表示されてしまうという課題がありました。その結果、ファンの方々から商品が正規品かどうかを確認する問い合わせが多く、ブランドとしての信頼性そのものが揺らぐ状況に陥っていました。
海賊版業者との戦いはイタチごっこで、完全に排除することは困難でした。そのため、「お客様が迷わず安心して正規のグッズを手に入れられる場所」として公式のECサイトを持つことが、ブランドを守る上で急務であると判断しました。
2. 「ななめ上を行く」遊び心でゲーム×ECの世界を実現
数あるカートシステムの中で、W2を選定された決め手は何ですか?
W2を選定した理由は大きく3つあります。
まず1つ目は、ゲームアプリとの連携実績があった点です。 実は以前から、他ゲーム会社様がゲームアプリとECサイトの高度な連動を実現されている事例に注目していました。「この仕組みを支えているのはどの企業か」と調査を進めた結果、W2様に辿り着いたという経緯があります。
2つ目は、ECサイトリリース後の事業成長まで見据えたご提案をいただいた点です。 ECプラットフォーム選定の際にはW2様含め、複数社からご提案をいただきましたが、他社様のご提案は「サイトのリリース(立ち上げ)」自体に重きを置いたものがほとんどでした。対して、W2様は「リリース後にECサイトをどう運用し、ゲームと連動させてファンを楽しませるか」というECサイト構築後の事業成長に重きを置いた提案をしてくださいました。 私たちとしても、自社ECをやるからにはゲームと連動させたいという想いは強くありましたが、社内に経験がなく、具体的に何をすればいいのか想像しきれていない段階でした。そうした中で、W2様が私たちのぼんやりとしたイメージを具体的な形として描いてくださった点が大きな決め手となりました。
3つ目は、標準機能の充実と個別開発の柔軟性です。 プロダクト面では私たちのやりたいことの多くが、標準機能の範囲内で実現可能だったことに加えゲーム連携などの弊社独自の個別要件にも柔軟に対応できる拡張性の高さが大きな魅力でした。
一般的なECプラットフォームでは実現が難しい要件でも、W2様ならばベースの仕組みを活かしつつ、弊社の実現したい「ななめ上を行く」独自の顧客体験を作り込めると確信できました。
さらに、W2グループでサイト制作やEC運用サポートを行っているブランデックス様が、デザイン制作から日々の運営業務までを一気通貫で担ってくれる体制も、少数精鋭で社内リソースが限られる弊社にとっては非常に心強かったです。
自社ECサイトの立ち上げにあたって、ユーザーにどのような顧客体験を提供したいと考えましたか?
参照元)にゃんこ大商店オンライン
ECサイトは本来「買い物をする場所」ですが、単に商品を並べて売るだけの無機質な場所にはしたくありませんでした。 弊社の「ななめ上を、行け」というスローガンをECサイトにも体現し、訪れるだけでクスッと笑えるような、ゲームの世界観に寄り添った遊び心のある体験を目指しました。
その象徴的な工夫として、サイト上の意外な場所からキャラクターがひょっこり登場したり、「お気に入りボタン」を押すとキャラクターに変身するといったギミックを実装しています。さらに、サイト内に配置されたキャラクターをクリックすると、それぞれが個性豊かなアクションで反応してくれる仕掛けも用意しており、キャラクターが実際に手元にいるようなリアル体験を目指しました。
こうした細部にまでこだわったギミックのご提案や、買い物導線を崩さない絶妙なバランスで形にしていただけた点には、非常に制作力の高さを感じました。
これらはお買い物の邪魔にならない絶妙なバランスで設計されているため、ふとした瞬間にキャラクターと出会い、触れ合いながら、楽しくグッズを購入できる——そんな、ポノスならではのECサイトになっています。
参照元)にゃんこ大商店オンライン
3. オープン1週間でECサイト会員10万人を突破!
オープン直後のユーザーからの反響はいかがでしたか?
想像以上の反響をいただきました。「やっと安心して購入できる公式サイトができた」といった喜びの声を多くいただきました。加えて、サイト内のギミックに対する反応や、お子様から「ありがとう」と描かれたイラスト付きのお手紙をいただくこともあり、社内で共有してチーム全員で喜んでいます。
数字面でも、予想を遥かに上回る結果となりました。リリース記念として、ゲームアプリとECサイトの連動特典として『ゲーム内で使える限定キャラクター』をプレゼントする施策を実施しました。その結果、オープンからわずか1週間でECサイトの会員登録数が10万人を突破しました。
正直、ここまでのスピード感で会員数が増加するとは想定していませんでした。 通常、新規でECサイトを立ち上げてこれだけの会員を集めるには数年単位の時間がかかると聞いていましたが、それをわずか1週間で達成できたことは、『にゃんこ大戦争』というコンテンツの強さと、それを最大化する『ゲーム連携』という仕組みが、完全に噛み合った結果だと捉えています。
また、短期間にこれほど爆発的なアクセスが集中したにもかかわらず、サーバーダウンなどのトラブルが一切なく、スムーズに稼働し続けた点も非常に大きかったです。
自社ECを運営するようになってから、データ活用に関して何か変化はありましたか?
大きく変わったのは、お客様に対する「解像度」が上がったことです。 大手モールを利用していた頃は、どうしても「売れた」という「結果」しか見えず、その裏にある「購入の理由」や「お客様の属性」までは掴みきれていませんでした。それが自社ECになったことで、検索ワードや購入層のデータが見えるようになり、「なぜこのキャラが人気なのか」という背景まで見えてくるようになりました。
例えば、「ゲーム内で『強いから使われているキャラクター』と『グッズとして愛されているキャラクター』は必ずしも一致しない」ことや、検索ワードや購買データを分析することで、「意外とこのキャラが人気なんだ」という発見がありました。
こうした「グッズならではのキャラクター人気」を数値で可視化できたことは、自社ECならではの強みと感じており、今後の商品企画やラインナップ拡充における大きな資産となっています。
4. IP戦略の拠点として描く、これからの「ゲーム×EC」
今後のEC事業の展望についてお聞かせください。
今後は「ゲーム×EC」の連携をさらに深め、グッズ販売の枠を超えて進化させていきたいです。
具体的には、ゲームで遊ぶことと、ECサイトでグッズを買うことが互いに繋がり、双方を行き来することでよりワクワクできるような仕組みを作りたいと考えています。また、いつも応援してくださっているコアなファンの方々に向けて、特別な限定商品や体験をご提供できるような形も検討しています。
さらに、全国のポップアップストア等のリアルイベントとECサイトの連動(OMO)も強化したいと考えています。「イベント限定」と「EC限定」の商品を戦略的に使い分けて双方の利用価値を高めたり、会場でクーポン付きのチラシを配布してECへの来訪を促したり、会場で完売してしまった商品をECで受注販売できるようにするなど、相互送客のハブとして機能させていく予定です。
W2様のシステム基盤をフル活用して、国境を越えて世界中のファンの皆様に「ポノスらしい」ワクワクを届けていきたいと考えています。サイトに訪れるだけで楽しめる「ななめ上を行く」体験を、これからもファンと共に創り上げていきたいです。








